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裸眼3D液晶の魅力は伝わっているのだろうか?!
シャープ製のNTTドコモ向け「LYNX 3D SH-03C」およびソフトバンクモバイル向け「GALAPAGOS 003SH」に搭載されている裸眼3D液晶は明るくコントラストも高く、3D映像を楽しむには最適な製品となっている。だが、果たして一般購買層に対して、この裸眼3D液晶がどれだけ響いているのかは微妙なところである。

幸い両機種は、3D映像を見るけではなく、自分で3D写真を撮る事が出来る。そしてこの3D撮影は、思いの外奥行きのある面白い写真が撮れる。

ここにスマートフォンや携帯電話のカメラ機能の新たな可能性が、あるのではないだろうか。今回は、シャープが取り組む3Dコンテンツに対する可能性を考えてみた。

携帯電話とデジタル一眼レフカメラの得手不得手

フィルムカメラやデジタル一眼レフカメラなどは、大きなフィルムや大判の撮像素子で撮影することで、背景を大きくぼかす独特の表現力で被写体を浮き上がらせ、2D空間を立体的に表現してきた。
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背景をぼかすことで写したいものを明確に出来る
背景をぼかす撮影は、スマートフォン・携帯電話のカメラが苦手とする部分で、大きなぼけを得ることは出来ずどうしても見えている空間を切り出したような写真しか撮ることしか出来なかった。
とはいえ、ブログやtwitterを利用する上では、携帯電話・スマートフォンカメラの方が便利で用途的に表現力がそれほど求められる訳でもない。
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撮像素子が小さいカメラでのイメージ。手前から置くまでピントが合って見える

ところが、このぼけを活かした写真も、3D写真となると話しが変わってく様である。

シャープ スマートフォン3Dコンテスト

2010年12月7日開催された、シャープス マートフォン3Dコンテストの説明会において、映画監督でもある守屋健太郎氏が「手前に自分物が居て、奥に背景がある場合、全体にピントが合っている方がより立体感が出る」という印象的な発言をしていた。
「3Dでも背景をぼかして分離した方がより効果的なのでは?」と思ったのだが、大がかりな3D撮影システムが無いため、この疑問を解き明かす術がない。

ところが、先日劇場で観た2011年5月20日公開予定の3D版パイレーツオブカリビアンのトレーラーに興味深い映像があった。
望遠レンズを使い、被写体と背景をぼけを使って分離する手法で撮られているシーンなのだが、3Dで見るとぼけた背景自体は特に距離感や奥行き感は無く、平面にしか見えない。
逆に広角レンズで手前から置くまでピントが合う様に撮影した映像は、2Dでは風景のかたまりにしか見えないのだが、3Dになると写っているもの一つ一つが距離感を持って分離し、その独特の奥行き感に魅了されてしまった。

なるほど、確かに手前から奥までピントが合っていた方がより遠近感が出るというのはこういうことなのか。
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3D映像の場合は、このような奥行きがありつつ、手前から奥までピントが合っている方が効果がある


スマートフォンのカメラ機能の得意分野を作る

携帯電話・スマートフォンの撮像素子は小さいため、被写界深度が深く大きなぼけを得ることは出来ないが、逆に遠くまでピントが合うことは3D撮影に最適なデバイスでもある。
今後、撮像素子を2つ積んで、3D写真を手軽に採れる端末が出てくれば、スマートフォン・携帯電話写真の価値が変わってくるだろう。
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スマートフォン・携帯電話のカメラの特性を活かした3Dによる新しい映像表現と、それを映し出す裸眼3D液晶を武器に、写真や動画に新しい革命を起こすことが出来るのではないだろうか。

記事執筆:mi2_303


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