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いろいろな電池やACアダプター、本当に仕様通りの電圧?

従来型の携帯電話より電池消費の激しいスマートフォンが普及したせいか、外部バッテリーやACアダプターなど、USB端子を経由してスマートフォンを充電するグッズが電器店の店頭に大量に並ぶようになりました。これらの充電グッズは果たして安心してスマートフォンに使えるものなのでしょうか。今回は様々な種類の充電グッズを集めて、その電圧を測定してみました。

単3電池4本を使うタイプのバッテリーは電圧オーバーにならないか?

今回の調査を行うに当たり特に気になったのは、単3電池を4本使うタイプの外部充電器。乾電池が直列接続されたときの電圧は1.5×4=6V、一方スマートフォンを充電する電圧は(USBの規格に基づく)5V。本当にきちんと電圧を変換しているのでしょうか。いくつか商品を集めて検証しました。

今回比較したのは、安い製品の代表としてリンケージの「LSI-02UBAW」(ヨドバシカメラで1,180円で購入)と、高い製品の代表としてバード電子の「MHC-5V」(Amazonで8,900円で購入)。参考として以前紹介したエレコムの「DE-U01D-1908シリーズ」(ヨドバシカメラで1,650円)も比較対象としました。単3アルカリ乾電池とニッケル水素電池(Sanyo eneloop)を使用して給電を行い、デジタルテスターで端子間の電圧を測定しました。

【リンケージの「LSI-02UBAW」】
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【産業用部品による安定給電が売りのバード電子「MHC-5V」】
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【エレコムの「DE-U01D-1908シリーズ」】
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製品 電圧
アルカリ乾電池使用時 ニッケル水素電池使用時
LSI-02UBAW 5.00V 5.00V
MHC-5V 5.04V 5.04V
DE-U01D-1908シリーズ 5.02V 5.02V

結果、どの製品も5Vを目標とした電圧調整が行われていることを確認しました。単純に電池を直結しているだけなら、アルカリ乾電池なら6V、ニッケル水素電池なら1.2×4=4.8V程度になるはずですが、いずれの製品も5V前後の安定した電圧を得られました。安い製品でもそれなりに安心して使えそうです。

参考までに、モバイルバッテリーの代表格といえる「eneloop booster」シリーズについても同様に電圧測定を行いました。

製品 電圧
アルカリ乾電池使用時 ニッケル水素電池使用時
KBC-E1
(リチウムイオン電池タイプ)
5.27V(※内蔵リチウムイオン電池)
KBC-D1
(単3電池2本使用タイプ)
4.94V 4.94V

リチウムイオン電池を使用したタイプで若干高い電圧が観測されたのが気になるところです。この電池で何度も様々なスマートフォンを充電した実績があるので大丈夫だとは思いますが...。

ケータイ用ACアダプターはスマートフォン用より少し電圧が高い

次に携帯電話各社が提供しているACアダプターの電圧を測定してみます。スマートフォン用のほか、従来型携帯電話の充電器も測定して比較します。

製品 スマホ/従来型 電圧
定格値 測定値
FOMA ACアダプタ02 従来型 5.4V (700mA) 5.45V
KDDI 共通ACアダプタ01 従来型 5V (600mA) 5.03V
KDDI 共通ACアダプタ03 スマホ 5V (1A) 5.03V
SoftBank ACアダプタ ZTDAA1 従来型 5.4V (700mA) 5.38V
Xperia arc付属品 スマホ 5V (1A) 4.89V
iPhone4S付属品 スマホ 5V (1A) 5.10V

いずれもほぼ定格値どおりの電圧を観測しました。メーカーやキャリアがサポートする使い方をしている限り、問題が発生することはなさそうです。注意したいのは、docomo・SoftBankの従来型携帯電話用ACアダプターの電圧(5.4V)は、定格値の段階ですでにスマートフォンが想定する電圧(5V)より高いこと。従来型携帯電話のACアダプターをスマートフォンで使えるようにする変換プラグがサードパーティから販売されていますが、このようなものを使った場合、スマートフォンには想定電圧より高い電圧がかかることになります。電圧差はわずかなので現実的に問題になることは少ないと思われますが、気になる人はスマートフォン用のACアダプターを別途用意したほうが無難かもしれません。

仕様や対応機器を確認して使いたい

スマートフォンの充電はUSBに準拠した機器であれば基本的には可能なので、充電環境の選択は従来型携帯電話よりわかりやすくなったといえます。とはいえ電源周りへの過度な負荷はスマートフォンのトラブルの元です。使う前に充電グッズの仕様や対応機器の確認は忘れずに。


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