KDDIとHTCがガッチリタッグ!

KDDIと沖縄セルラー電話は20日、au向けAndroid 4.0(開発コード名:IceCream Sandwith;ICS)搭載スマートフォン(スマホ)「HTC J ISW13HT」(HTC製)を5月下旬以降に発売することを発表しました。

HTC Jは、今年2月にKDDIとHTCとの間で開発合意に至った「日本市場に特化したスマートフォン」の第1弾で、グローバルモデルである「HTC One S」をベースとしています。

しかし、筐体デザインは完全にベースモデルとは違うものである上、モバイルFeliCa(おサイフケータイ)、ワンセグ、赤外線通信と言った、日本市場固有のニーズに応えたハードウェアを搭載しており、完全な日本市場特化モデルとなっています。

ハードウェアごと特定市場に特化したスマートフォンをリリースするのは、HTCにとっては初めてのこと。発表当日、都内でHTC Nipponがプレス向け発表会を開催しました。会場で開発途中の実機を展示していましたので、写真と動画を使って紹介します。


本体色は左からレッド、ホワイト、ブラック

本体は3色展開で、ホワイトのみ正面もホワイトで、ほか2色はブラック仕上げとなっております。


裏ぶたはブラックのみつや消しです

裏を見ると、ブラックのみがつや消し加工、ほか2色がつや加工となっています。ホワイトはそうでもありませんでしたが、レッドは写真の通り、結構指紋が目立ちます。指紋が気になる、という方は、実機で程度確認することをオススメします。



ホワイトは中まで白いです

裏ぶたは、FeliCaアンテナなどが付いているタイプで、接点もあるため、結構堅めです。裏ぶたを外すと、ホワイトは中まで白いことが一目瞭然です。ここまでこだわっているところがHTCらしいです。レッドとブラックも、良くみるとカメラまわりのメッキ塗装がきちんと違います。


待望(?)のau ICカード対応です!

裏ぶたを外した写真で気付いた方もいるかもしれませんが、HTC Jにはau ICカード(UIMカード)スロットがあります。GSM・UMTS(W-CDMA)ネットワークへの国際ローミングに対応するためにUIMカードを使う必要ある、というのが大きな理由ですが、EVO WiMAXやEVO 3Dユーザーから、「以前の端末も使いたいけど、(これらの機種では)au ICカードが使えなくなるのは困る」という声が寄せられたのも理由としてはあるようです。


カメラ部に赤外線ポートも


カメラは静止画・動画を切り替えずに撮影可能!

HTC Jのウリのひとつであるカメラ機能。アウターカメラは約800万画素のCMOSセンサーです。F値は2.0と、携帯電話用のデジタルカメラとしては、光を取り込む特性の強いものを採用しています。カメラ機能も0.7秒で高速起動します。カメラアプリも特徴的で、静止画・動画を切り替えることなく撮影できるように両方のシャッターが用意されています。静止画撮影では、撮影間隔は秒間4枚・最大99枚の連写に対応しているほか、動画撮影中に静止画も保存する機能が用意されています。カメラライトも結構高照度です。


赤外線の待ち受けは設定メニューからできます

日本固有のハードウェア由来の機能である赤外線通信は、カメラとカメラライトの間にポートが用意されています。設定メニューで受信待ち受け状態にすることができます。送信は、共有メニューでできます。


インカメラもあります


インカメラをミラー代わりに使えます

インカメラは約130万画素のCMOSセンサーを採用しています。カメラでの撮影、アプリでの利用はもちろんですが、プリインストールされている「ミラー」アプリを使えばハンディミラーの代わりに使うこともできます。地味に女性も意識しています。




おサイフケータイも使えます!

これまた日本固有のハードウェア機能であるおサイフケータイ(モバイルFeliCa)にも対応しています。他社のおサイフケータイ搭載Androidスマートフォンと全く同じ感覚で利用できます。よく考えたら、Android 4.0(ICS)搭載端末でおサイフケータイ対応は、HTC Jが初めてです。初めてハードウェアをカスタマイズして日本市場特化モデルを投入する海外メーカーがICSおサイフケータイ初号機とは、色々思うところが…

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ワンセグまで搭載


添付のBeats by Dr.Dre urBeats In-Ear Headphonesがアンテナを兼ねています

極めつけとして、ワンセグまで搭載しています。もちろんデータ放送や録画、視聴・録画予約までできます。ワンセグアンテナについては、付属品の"Beats by Dr.Dre urBeats In-Ear Headphones"がそれを兼ねていて、視聴時は接続することになっています。


Beat Audioが有効だと通知画面に表示されます

ワンセグはもちろん、HTCオリジナルメディアプレーヤーやLISMO Playerで音楽再生中は、Beats Electronics(HTCが昨年買収した企業)の"Beats Audio"が有効となり、付属品のヘッドホンに最適な音響効果を得ることが可能です。

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HTC Senseは4.0に

HTCと言えば、独特の持ち味のある"HTC Sense"ですが、今回Android 4.0が搭載されていることもあり、合わせてバージョンが4.0となりました。操作体系もAndroid 4.0にあわせた感じに変更されています。


システムキーは画面表示ではなく、独立したタッチキーに


起動アプリ一覧は思い切りカスタマイズ

Android 4.0搭載ということで、気になるのは、システムキーはどうなるか、という点。HTC Jでは、ICS推奨のとおり、左から「戻る」「ホーム」「アプリ履歴」の順に用意されていますが、画面上ではなく独立したタッチパネルに用意されています。ICS対応ソフトで画面を極力精一杯つかうためにそうしたようです。従来のAndroidアプリで、「メニュー」キーを使う場合に関しては、先に紹介した「おサイフケータイ」アプリを見れば分かりますが、画面下部にメニューボタン(縦並びの3点)が表示されます。

アプリ履歴画面については、リードデバイスである「Galaxy Nexus」や国内メーカーとして初のICS端末となった「AQUOS PHONE 104SH」とは異なり、横方向にフリックするとアプリを切り替えて、上方向にフリックすると履歴消去(起動している場合は終了)となっています。

これに限らず、HTC Jでは、ICSのユーザーインターフェースを結構いじっており、先にGalaxy Nexusや104SHなどでICSに慣れ親しんだ場合、感じる“違和感”は結構半端ないかもしれません。もっとも、Android 2.3でも結構ユーザーインターフェースをいじっていましたしね、HTCは……。




起動と再起動の様子を動画にしたためました。起動速度は結構良い感じですが、再起動はそれと比べるとちょっと時間がかかっているかもしれません。製品版までに直っているといいですね。

HTC Jは、今日から東京・原宿のKDDI Designing Studioと名古屋のau NAGOYAで展示されます。気になる方はタッチアンドトライしてみるといいですよ!

記事執筆:せう(井上翔)


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