ソニーがスマホなど向け1/2.4型約2100万画素センサー「Exmor RS IMX230」を開発!

ソニーは17日、カメラ機能の高画質化が進むスマートフォン(スマホ)など向けに小型化と画質・機能の向上を実現した有効2100万画素の積層型CMOSイメージセンサー「Exmor RS『IMX230』」を商品化したと発表しています。

2015年4月から順次出荷開始予定で、サンプル価格(税抜)は2,100円。ソニーブランドの「Xperia」シリーズをはじめ、他メーカーの製品にも搭載される見込み。

Exmor RS IMX230はスマホなど向けのCMOSイメージセンサーとして現在多くの機種に搭載されている「IMX214」(約1300万画素「Exmor RS」)の後継製品で、業界で初めて動きの速い被写体へのフォーカス追従性に優れた像面位相差AF信号処理機能をCMOSイメージセンサー上に搭載しています。

また、逆光などの明暗差が大きい環境下でも背景と被写体を色鮮やかでクリアに撮影するHDR(ハイダイナミックレンジ)機能が新たに高解像度の静止画や4K動画撮影でも利用できるようになっています。

Exmor RSは裏面照射型CMOSイメージセンサーの従来の支持基板の代わりに信号処理回路が形成されたチップを用い、その上に裏面照射型画素が形成された画素部分を重ね合わせた、独自の「積層型構造」を採用し、高画質化・高機能化・小型化を両立したCMOSイメージセンサーで、ソニーが2012年に初めて商品化しています。

今回商品化した1/2.4型のIMX230は積層型として画素数を有効2100万画素へと大幅に向上しており、また新開発の信号処理機能を搭載。これにより、スマホなどでの撮影においてニーズの高い、高速オートフォーカス(像面位相差AF)や逆光の撮影環境などでも明暗部を明瞭に映し出す高画質(HDRイメージング)を実現しています。

像面位相差AFはミラーレス一眼カメラなどに採用されている技術であり、HDRイメージングは新たに静止画撮影と4K(4096×2160ピクセル)の高解像度動画撮影にも対応。なお、今回の像面位相差AFとHDRイメージングを搭載した積層型イメージセンサーは来年度中に有効1600万画素のラインアップ展開も予定しています。

・像面位相差AFについて
動きまわる子供やペット、スポーツシーンなどの静止画・動画の撮影時に、素早く被写体を捉え、かつ追従性に優れた高速なオートフォーカスを可能にする機能です。

イメージセンサーの画面に離散的に像面位相差AF専用画素を埋め込み、この専用画素から得られた情報をもとに、被写体までの距離(測距)やフォーカスを合わせるためのレンズ位置を計算し、測距点は最大192点まで出力することが可能です。

これらを積層型CMOSイメージセンサー内部の信号処理回路で瞬時に行うことで、スマホなどでも手軽に速い動きの被写体の撮影を楽しむことができます。

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・HDR(ハイダイナミックレンジ)イメージングについて
逆光など明暗差が大きいシーンでもハイライトからシャドー部分まで階調豊かに再現した静止画・動画撮影を楽しめる機能です。2種類の露出条件を設定し、それぞれの条件で得た画像情報に対し適切な信号処理を施すことで実現しています。

今回の新たなHDRイメージング機能は従来から画素の配置と信号処理を進化させることで、動画撮影に加え、要望の高い静止画撮影にも対応しています。これにより、解像度を高めながらダイナミックレンジの広い画像を生成することで、逆光などの環境においても背景と被写体を色鮮やかに撮影し、高い視認性で再現します。

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主な仕様
型名IMX230
有効画素数5344(H)×4016(V) 2100万画素
イメージサイズDiagonal 7.487mm(Type 1/2.4)
ユニットセルサイズ1.12μm(H)×1.12μm(V)
フレームレートFull24fps
Movie4K(4096×2160)30fps
1080p60fps
720p120fps
感度(標準値F5.6)78mV
センサー飽和信号量(最小値)330mV
電源電圧アナログ2.5V
デジタル1.1V
インターフェース1.8V
主な機能像面位相差AF、HDRイメージング、白点補正、NR
出力MIPI(4lane)
画像フォーマットBayer RAW


記事執筆:memn0ck


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