Qualcomm(クアルコム)は2日(現地時間)、スマートフォン(スマホ)などの携帯電話向け次期ハイエンドチップセット「Snapdragon 810」が2015年に60機種以上に搭載される計画であることを発表しています。

今後数週間から数ヶ月以内に徐々にSnapdragon 810搭載機種が市場投入される予定で、すでにLG Electronics(以下、LG)製「G Flex 2」やXiaomi製「Mi Note Pro」が採用することを発表しており、Sony Mobile Communications(以下、ソニーモバイル)製「Xperia」シリーズでは2015年後半に採用されることが明らかにされています。

発表では搭載する機種を開発中である各メーカーとして、LGやXiaomi、Motorola Mobility、ソニーモバイル、OPPO、Microsoft(Lumia)がコメントを寄せています。

その中で、ソニーモバイルは「new Xperia products to consumers later this year.」と今年後半にXperiaにSnapdragon 810を搭載するとしています。これにより、今年前半に投入されると見られるフラッグシップスマホ「Xperia Z4」(仮称)には搭載が見送られる、もしくは、今年前半は既存のXperia Z3の改良版が投入され、Xperia Z4は今年後半に投入されるといったことが予想されます。

また、これまでSnapdragonシリーズのハイエンドチップセットをいち早く採用してきたSamsung Electronics(サムスン電子)の名前がなく、この発表の前にQualcommが大きな顧客を失ったという報道があり、それがサムスン電子で、次期フラッグシップスマホ「Galaxy S6」に採用しないというとBloombergなどが伝えていることも今回の発表で可能性が高くなったと見ていいようです。

ただし、WSJによると、Qualcommはサムスン電子に対して、採用を見送った原因とも言われているオーバーヒート問題(発熱問題)を改善した改良版のSnapdragon 810を採用するようにテストしているとも伝えられており、初期モデル以外などでSnapdragon 810を採用するモデルも出てくる可能性もあります。

Snapdragon 810はQualcommでは初の64bit対応のハイエンドチップセットで、64bit対応クアッドコアCPU(ARM Cortex A57)とクアッドコアCPU(ARM Cortex A53)の合計オクタコアCPUを内蔵した製品となっています。

また、GPUは「Adreno 430」、DSPは「Hexagon V56」(最大800MHz)、通信面でもLTE-AdvancedのUE Category 9に対応し、下り最大450Mbpsをサポートするほか、カメラ(静止画)で最大55メガピクセル、ムービーやゲームで最大4Kまでサポートしています。製造は20nmプロセス。

記事執筆:memn0ck


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