Surface 3を性能をベンチマークでチェック! |
日本マイクロソフトから6月19日に発売された4G LTE対応Windows 8.1タブレット「Surface 3」(Microsoft製)は「Intel Atom x7-Z8700」プロセッサーを搭載している。この新しいAtomプロセッサーは1.6GHzクアッドコアCPUで、TurboBoost時には最大2.4GHzで動作する。
この数字から性能の期待値が高く感じられる一方で、これまでAtomプロセッサーは性能よりも価格を重視してきた面もあるため、数字ほどには性能が得られないのではないかと心配もある。そこで、今回は各種アプリケーション(アプリ)でベンチマークテストを行い、Surface 3の性能を「数値」で把握していきたいと思う。
Surface 3
まずはベンチマークアプリ「CrystalMark」でトータルな性能をチェックしてみた。Surface 3の総合値は「110893」だ。
この数値はどれだけのものなのかを把握するためBayTrail世代のAtomを搭載するASUSTeK Computer製「VivoTab Note 8」のベンチマークと比較してみよう。
VivoTab Note 8
VivoTab Note 8の総合値は「91173」でSurface 3の方が明らかに性能面では向上していることがわかる。特に体感できる部分ではグラフィック性能の向上だ。一方で「HDD」の項目がわずかながらSurface 3の方が低い。
さらにストレージ性能をベンチマークアプリ「CrystalDiskMark」で比較してみたところVivoTab Note 8の方が2割ほどSurface 3より速いことがわかった。両機種とも高速なSSD(Solid State Drive)ではなく、省電力なeMMC(Embedded Multi Media Card)を搭載しているが、採用しているeMMCの性能差が現れている。
Surface 3
VivoBook Note 8
Surface 3はストレージへの書き込みが遅く、ファイルのコピーやアプリのインストールに時間が掛かる理由がこれだ。
VivoBook X202E
さて、性能比較に話を戻そう。Surface 3の総合値はIvy Bridge世代のCore i5-3317Uを搭載したASUSTeK Computer製「VivoBook X202E」の総合値「115037」に近い。とはいえ、あくまで総合値であるためプロセッサーの性能やグラフィック性能は明らかにVivoBook X202Eの方が高く、数値が低いMEMRYとHDDは製品の仕様によるものだ。
Surface 3
続いて、ゲーム機としての性能はどうなのかをスクウェア・エニックスのベンチマークアプリ「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」でチェックしてみた。デフォルトの解像度1280×720ドット(HD)ではスコアが「2374」で、評価は「やや重い」という結果となった。動作中はコマ落ちがひどくリアルタイム操作は厳しい印象だった。
Surface 3
さらにグラフィック設定を「低品質」、解像度を「640×480ドット(VGA)」に変更してチェックしてみたところスコアは「4032」となり評価は「普通」と出た。先ほどより滑らかに動作するようになったが、草原やキャラクターが多く表示される部分ではコマ落ちが発生していた。
GPUの性能が向上したと言われるAtom X7だが、ゲーム用途ではかなり厳しいのがわかった。
ここからは余談となるが、Haswell世代のCore i7-4510Uを搭載するDell製「XPS13(9333)」のベンチマーク結果はスコア「5097」、評価が「快適」となった。とはいえ、CPUのクラスが上がっても内蔵GPUだけでは3Dゲーム性能は大きく伸びることはない。
XPS13(9333)
同じくHaswell世代のCore i7-4720HQを搭載するASUSTeK Computer製「N550JX」でも内蔵GPUではスコア「5356」、評価「快適」という結果だ。
N550JX CPU内蔵GPU
そこで、GPUをNVIDIA製「GeForce GTX950M」に切り替えて再度テストしてみたところ、スコアが「14153」と3倍に近い数値となり、評価が「すごく快適」という結果となった。
N550JX GTX950M
ゲームを主な目的とするなら当たり前だが外付けGPUをもつPCが最適で、Surface 3はOfficeソフトやネット、コンテンツビュワーとしての用途として使うことがベストだろう。
ベンチマークでSurface 3の性能を数値として把握してきたわけだが、実際の使用感としては2GB内蔵メモリー(RAM)のAtomタブレットよりはサクサク動作し、購入前に想像していた”重い”というAtomのネガティブ要素は感じられない。
次回は画像編集や動画編集といった”重い”アプリでの動作をチェックしていく。
記事執筆:mi2_303
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