Google Press Event 9/29/15の要点をチェック!

Googleは29日(現地時間)、米サンフランシスコにあるLeft Space Studiosにてプレス向け発表会を開催し、最新プラットフォーム「Android 6.0(開発コード名:Marshmallow)」の正式版配布時期やこれをプリインストールした新しいスマートフォン(スマホ)「Nexus 5X」および「Nexus 6P」、ドッキング型専用キーボードが用意されたハイスペックなAndroidタブレット「Pixel C」、テレビに接続して映像などを楽しむペンダント型セットトップボックス(STB)「New Chromecast」(以下、Chromecast 2015)および音楽専用でスピーカーと接続するペンダント型STB「Chromecast Audio」などが発表されました。

まず、Android 6.0 Marshmallowは「Nexus 5」および「Nexus 6」、「Nexus 7(2013)」、「Nexus 9」、「Nexus Player」に向けて来週(2015年10月4日の週)に提供開始されます。

また、Nexus 5XとNexus 6Pはすでに日本の公式Webストア「Google ストア」でも予約受付が開始されており、最短で2〜3週間以内に出荷予定。両機種ともに日本を含めた複数国・地域で10月以降に発売されます。

さらに、Chromecast 2015およびChromecast Audioは17カ国で本日から発売。ここでは、発表会のプレゼンテーション内容を含めてまとめて紹介します。

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まずはじめに登壇したGoogleのAndroid, Chrome & Apps担当でSenior Vice President(上級副社長)であるSundar Picahi(スンダー・ピチャイ)氏

ブラッド・ムーンを見逃したからYouTubeで見たとかインドの首相と会談したといった時事情報の挨拶ではじまり、Androidのエコシステムがさらに拡大しており、Google I/0 2015では月間アクティブデバイスが10億台と紹介しましたが、すでに14億台になっているとのこと。次の10億人に向けた「Android One」が順調に対象国・地域が増え、イニシアティブになっていることを紹介。

また、こういった新興国だけでなく、米国でも勢いがあるカテゴリーがあり、教育分野では年末にはChromebookが他のOS搭載製品をすべて合わせた数よりも多く使われるようになるとし、今月に毎日3万台のChrome OSのアクティベーションがされているとしました。また、ビジネス分野でも同様に「Android for Work」が銀行や陸軍などの導入され、普及してきているとのこと。

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今回発表されたNexus 6PやNexus 5X、Chromecast 2015、Chromecast Audio、Pixel C


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はじめに発表されたのはいきなりスマホのNexus 6PとNexus 5X

Sundar Picahi氏に続いて登壇したのは今年5月の開発者向けイベント「Google I/O 2015」にてAndroid Mの紹介も行ったDirector of Engineering AndroidのDave Burke(デイヴ・バーク)氏。Nexus 6PとNexus 5Xを発表し、特に指紋センサー「Nexus Imprint」、カメラ機能の強化、新規格のUSB Type C搭載などが紹介されました。なお、Nexus 6PとNexus 5Xについてはすでに以下の記事で詳細に紹介しているので参照してみてください。

Google、新しい5.7インチリファレンススマホ「Nexus 6P」を発表!Android 6.0 MarshmallowやオクタコアCPU、指紋センサー、USB type Cなど――日本でも発売ですでに販売受付中 - S-MAX
Google、新しい5.2インチリファレンススマホ「Nexus 5X」を発表!Android 6.0 MarshmallowやヘキサコアCPU、指紋センサー、USB type Cなど――日本でも発売ですでに販売受付中 - S-MAX

指紋センサーはAndroid 6.0 Marshmallowにおいてシステムレベルで対応したため多くのアプリから利用可能。決済サービス「Android Pay」とも連動。

リアカメラは1画素のサイズが1.55μmとiPhone 6sよりも大きくなり、光の感受性が高くなったため画質も向上しているとのこと。リアカメラは両機種ともに約1230万画素、フロントカメラはNexus 6Pが約800万画素、Nexus 5Xが約500万画素。

Android Sensor Hubは低電力で常時動き続けるプロセッサーがセンサーに直結して周囲の環境や状況を伝えし、スリープ状態でも持ったことを認識して「アンビエントディスプレイ」モードにし、画面を触ると復帰します。日本だとシャープのスマホ「AQUOS」シリーズに搭載されている「グリップマジック」みたいな機能です。

Nexus 6PおよびNexus 5X用に専用アクセサリーが用意されているほか、補償サービス「Nexus Protect」が提供されます。Nexus 5Xが69ドル(約8,300円)、Nexus 6Pが89ドル(約11,000円)。米国ではGoogleが提供するMVNOによる携帯電話サービス「Project Fi」にも対応します。

その他、Nexus 6Pまたは Nexus 5Xの購入で日本では新しく提供を開始した定額制音楽配信サービス「Google Play Music」の月額利用料が90日間無料になる特典がプレゼントされます(特典の申し込みは期限は2017年4月18日までで、新規契約入者のみ)。

【Nexus 6PとNexus 5Xの主な違い】
機種Nexus 6PNexus 5X
画面5.7インチWQHD5.2インチフルHD
大きさ159.3×77.8×7.3mm147.0×72.6×7.9mm
重さ178g136g
黒・白・銀・金黒・白・青
チップセットQualcomm S810
MSM8994
Qualcomm S808
MSM8992
CPU最大2.0GHzオクタコアCPU最大1.8GHzヘキサコアCPU
メモリー3GB LPDDR42GB LPDDR3
ストレージ32・64・128GB16・32GB
メーカーファーウェイLG

【Nexus 6PとNexus 5XのGoogle ストアにおける価格】
機種ストレージ価格
Nexus 6P32GB74,800円
64GB80,800円
128GB92,800円
Nexus 5X16GB59,300円
32GB63,400円

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指紋センサー


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カメラ機能が強化


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1画素当たりのサイズが大きく


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iPhone 6sやNexus 6との写真の写りの比較も紹介


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Nexus 6Pのカメラモジュールの様子

続いて、Nexus 6PとNexus 5XではプリインストールされているAndroid 6.0 Marshmallowについて紹介され、Nexus 5および6、7、9、Playerには来週からOTAで提供されることが発表されました。

Google、最新プラットフォーム「Android 6.0 Marshmallow」の正式版を来週10月初旬に提供開始!Nexus 5および6、7、9、Playerで無料アップデート可能 - S-MAX

新機能としてすでにNexus 6PとNexus 5Xのところでも紹介された指紋センサーや新しいロック画面、新しいウィンドウアニメーション、アプリごとのパーミッション管理、操作の予測を行なう「Now On Tap」機能、素早いスクロールと検索、会話にも対応した音声入力、Dozeによる電池持ちの改善などが紹介されました。

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Android 6.0 Marshmallow

続いて、GoogleおよびGoogle Playの各種サービスの紹介が行われ、Google Play MusicやGoogle Photosなどの比較的リニューアルされたものが紹介されました。そして、これらのGoogle Photosなどのサービスも利用できるとして、新しいChromecastシリーズが発表されました。Google PhotosのChromecast対応はAndroidでは今週、iOSではまもなくとのこと。

Chromecast 2015はテレビなどのHDMI端子のあるディスプレイに接続して映像やゲームなどを楽しめるペンダント型STB、Chromecast Audioは音楽専用で3.5mmのRCA音声出力や光デジタル出力でスピーカーなどと接続して音楽や音声が楽しめる同じ形状のペンダント型音楽専用STBで、ともに本日から17カ国で販売され、アメリカ(米国)での価格は35ドル(約4,200円)。

全世界で2000万台を販売した初代「Chromecast」の後継機種で、デザインが一新んされてスティック型だったのが、レコードの円盤をイメージした斬新な外観の本体と平型のケーブルによるペンダント型となっています。

ケーブルは柔軟性があるので他の機器との干渉やテレビの裏側の隙間がない場合などでも接続しやすくなっています。また、カラーバリエーションもIndigo Black(黒)およびCoral(赤)、Lemoned(黄)の3色とこういった製品ではめずらしい色が用意されました。なお、CoralとLemonedはGoogle ストア限定カラー。

両製品とも新たに無線LAN(Wi-Fi)が2.4GHzだけでなく、5.xGHzにも対応しデュアルバンド化し、本体の左右両側にそれぞれアンテナが内蔵されているため、電波環境のより良い状態で受信できるようになっています。IEEE802.11a/b/g/n/ac準拠。

Chromecastではゲームも行えますが、Google I/O 2015で発表した開発者向けリモートスクリーンAPIで既存のゲームにマルチディスプレイをサポートします。iOS向けにも提供し、iOS向けゲームをChromecastでテレビに表示させて、iPhoneをコントローラーとして使うデモが行われました。

これは従来、Androidで利用できていた画面のミラーリング(表示)ではなく、マルチディスプレイが使えるため、ボードゲームではテレビ画面に盤面、コントローラーとして利用しているAndroidやiPhoneでは手札を表示するといった使い方ができます。

新しく対応するサービスも多数で、音楽配信サービス「Spotify」にも対応。他にも「Google Photos」や「BBC iPlayer Radio」、「Showtime」、「NBA」などが利用可能に。

Google、5GHz Wi-Fiにも対応したテレビのHDMI端子に接続するペンダント型STB「Chromecast 2015」とスピーカーに接続する音楽用「Chromecast Audio」を発表 - S-MAX

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初代Chromecastは2000万台販売


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Chromecast 2015を手にする登壇したGoogleプロダクトマネージメントVPのMario Queiroz氏


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Chromecast 2015をテレビのHDMI端子に接続したところ


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Chromecast Audio


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Chromecast 2015およびChromecast Audioは5GHz帯にも対応してWi-Fi環境が進化

最後にまったく噂のなかったタブレットのPixel Cが発表されました。最初、2in1パソコンのようなキーボードがあったので、Chrome OS搭載のChromebookかと思われましたが、途中でOSにはAndroid 6.0 Marshmallowを採用していることを明かし、ChromebookにおけるChromebook Pixelのような立ち位置で、高性能なハイエンドタブレットとして投入するとのこと。

約10.2インチ2560×1800ドット液晶(約308ppi)や64bit対応NVIDIA製「Tegra X1」、3GB RAMなどを搭載し、ドッキング型の専用Bluetoothキーボードが特長。使わないで持ち歩くときにはキーボードが画面側にくっつき、カバーの役目もするという珍しいタイプ。キーボードとして合体しているときもマグネット式ながら逆さにしても落ちないしっかりしたドッキング。

グローバル市場で今年11月後半から12月末にかけて発売され、アメリカ(米国)での価格は32GBモデルが499ドル(約60,000円)、64GBモデルが599ドル(約72,000円)。専用キーボードは別売りで149ドル(約18,000円)。日本での販売については不明。

Google、専用キーボードが用意された10.2インチAndroid 6.0 Marshmallowタブレット「Pixel C」を発表!64bit対応NVIDIA Tegra X1や3GB RAMなど - S-MAX

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Pixel Cを紹介したGoogle Product Management DirectorのAndrew Bowers氏


記事執筆:memn0ck


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