スマートフォン(スマホ)が本格的なカーナビに!グーグルの「Android Auto」が日本でスタート

既報通り、Google Japan(以下、グーグル)は13日、都内にて車載向けソフトウェア「Android Auto」の日本国内での提供を開始に合わせて記者発表会を開催し、その概要を説明した。

Android Autoは、対応するカーナビや自動車にAndroid 5.0(開発コード名;Lollipop)以上を搭載したスマートフォン(スマホ)やタブレットをUSBケーブルで接続し、GoogleマップなどのAndroid Autoに対応するアプリをカーナビ上からコントロール可能とする。

また、音楽配信サービス「Google Play Music」や「AWA」などのアプリもAndroid Autoに対応しており、多彩なジャンルの音楽がスマホなどを接続するだけで楽しめる。

このようにAndroid Autoは、普段使っているAndroidスマホなどを利用するため、常に最新の機能や地図データを更新できるGoogleマップや個別に楽曲データの準備などがいらない音楽配信サービスを簡単に自動車に持ち込める点がメリットだ。

今回は発表会でのAndroid Autoのデモンストレーションを中心に紹介していく。

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今回の発表会ではデモ機はすでに販売されているパナソニック製カーナビ「Strada CN-F1D」を用い、ナビは移動を想定したデモモードとして動作させていた。

Strada CN-F1DにAndroidスマホを接続すると、Android Autoのホーム画面が表示され、Googleのカードが並ぶ。視認性と安全性、そして、悩まずに操作できるよう考慮して、カードの表示件数は少なく文字が大きめだ。

また画面下には、Googleマップによるナビ、電話、ホーム、ミュージックプレイヤー、サードパーティアプリ(カーナビメーカー、自動車メーカーが搭載するアプリ)の5つのボタンが並ぶ。

右上のマイクボタンをタップして「横浜駅までナビして」や「ビートルズを再生して」と話し掛ければ、Android Autoの機能を音声で呼び出せる。

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Android Autoが「横浜駅までナビして」と復唱し、横浜駅へのナビがスタートした。

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Android Autoのナビは、Strada CN-F1Dに搭載されているカーナビ標準のナビよりも画面表示はシンプル。周辺情報は標準のナビ画面の方が詳しいが、Googleマップは操作系のボタンがなく地図と情報のみの表示であるため視認性が良い。また地図の拡大縮小はスマホなどと同様にピンチ操作で行う。

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ナビの途中で買い物をする場合なども音声コントロールで行うことができる。この場合、目的地は横浜駅のままなので、話し掛けるだけで気軽に寄り道ができる。

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便利な検索機能だが、Googleマップの検索結果をストレートに表示しているため、表示件数が多く目的地への距離もまちまちだ。そのため、ドライバーが目的地を選んで設定するのはあまりよろしくないような印象だった。

一方、スマホアプリである強みとして、無料で簡単にアップデートできるのるため、今後、Android Auto向けに検索条件の絞り込みや音声で決定できるなどの機能強化に期待したいところ。

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Googleマップの位置情報の測位は、自動車の位置情報を利用する。そのため、標準のナビと同様にトンネル内でも車速を考慮して位置を割り出し、Googleマップに反映するのだという。

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ナビ中にGoogleのメッセンジャーアプリ「ハングアウト」宛てにメッセージが届くと、音声で読み上げてくれる。またその場で、音声で返信することも可能だ。

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ハングアウトの返信を保留した場合は、ホーム画面に通知カードが追加され、「返信:現在運転中です。」をタップすれば、この内容で返信可能だ。ハングアウトは音声通話やビデオ通話にも対応し、同様のサービスは「Skype」でも利用可能だ。

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ナビ以外では、Google Play Musicは音声でアーティストやアルバムの再生コントロールができ、アーティスト名で再生を行った場合は、プレイリストを優先して再生する。

なお、Android Autoは運転中の安全性を考慮し、一度の操作が最大6タップまでとなっており、6ページ以上あるアルバム一覧画面では7タップ目で操作できないという表示となる。

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Google Play Musicの再生画面は、大きなフォントの曲名と大きなコントロールボタンが特徴的だ。

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同じ定額制音楽配信サービスだが、サードパーティー製アプリとなるAWAも安全性を考慮し、Google Play Musicと同じUI(ユーザーインターフェイス)となっている。今後もAndroid Autoに対応するサードパーティー製アプリに関しては、グーグルが審査を行っていくとのことだった。

Android Autoによって、カーナビや音楽機能などを常に最新の状態に保つことができ、手軽に音声でコントロールできる点が便利だと感じた。また、運転中のメッセージアプリなどのスマホ操作は危険を伴うが、Android Autoとして利用する場合は通話やメッセージアプリなども安全に音声でコントロール可能となる。

日本ではStrada CN-F1D以外にも日産の「MM516D-L」や「MM516D-W」が2016年7月15日(金)に発売、さらに日産やホンダ、フォルクスワーゲン(VW)、アウディ、マセラティの一部車種がAndroid Autoに対応予定だ。



記事執筆:mi2_303


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