写真は7日まで開催中のCEATEC JAPAN 2016に出展中の富士通ブース

日本放送協会(NHK)は5日、日本の大手電機メーカー「富士通」が同社のパソコン(PC)事業を業界で世界最大手の中国「レノボ・グループ(聯想集団)」と統合する方向で最終調整を進めていると報じています。

これまでにもレノボは2011年に日本電気(NEC)のPC事業を統合し、日本では合弁会社のNECレノボ・ジャパングループとしてPC事業を展開しています。また、それ以前にも2005年にはIBMのPC事業を買収してシェアを拡大してきました。

その後、NHK以外でも日本経済新聞など多数のメディアにて伝えられ、当面はNECレノボ・ジャパングループとは別経営し、富士通が現在利用しているPCブランド「FMV」については今後も続けるか両者で検討が進められているとされています。

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CEATEC JAPAN 2016において、レノボブースに出展するNECブランド

富士通は福島県伊達市と島根県出雲市に工場を有し、FMVブランド製品としてPCなどのコンピューター製品を販売しています。近年は海外勢との価格競争の激化や、スマートフォン(スマホ)およびタブレットなどの普及などでPC事業そのものが逆境を強いられていました。

一方、レノボは世界中でPCやスマホなどを販売する中国企業で、PCだけでなく、最近ではスマホなどでもシェアを伸ばしてきています。これまで2005年にIBMのPV部門を買収した後、2011年のNECのPV部門買収を経て、今ではPC市場では世界第1位の売上高を誇ります。

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島根県出雲市に所在する富士通のパソコン製造拠点

富士通が有する2つの工場に関しては、統合後も維持する方向で調整中である模様で、今まで富士通が長きに渡って使用してきたFMVブランドを引き続き使っていくのかなどについては今後も協議が進められる模様です。

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FMVブランドの富士通製PC

富士通は1994年に初めて自社製品にFMVブランドを冠し、以後20年以上の長きに渡って多くのPCを市場に供給してきました。世界的なPC離れも相まって、PCメーカー各社は確実に苦しい曲面に立たされています。

レノボにはパソコン部門の統合・買収を繰り返すことによってさらに魅力的な製品を発表することに期待する一方、個人的には長く愛されてきたFMVブランドが存続することを祈っています。

記事執筆:雪華


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富士通 PC事業を中国レノボ・グループと統合へ最終調整 | NHKニュース
富士通、パソコン事業をレノボ傘下に  :日本経済新聞