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IIJmio meeting 13のプレゼン紹介第2回!IIJ堂前氏が海外トラベルSIMを紹介 |
インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)が10月22日にNTTドコモやauから回線を借り入れて仮想移動体通信事業者(MVNO)として提供している携帯電話サービス「IIJmio」についてのサービス内容やMVNOの仕組みなどを幅広く紹介するユーザー向けイベント「IIJmio meeting 13」を開催しました。
IIJmio meetingは大きく分けて3つのプレゼンテーションから構成されており、それぞれ「初心者向け」および「中級者向け」、「上級者向け」と続いていきます。展示コーナーに続いて前回は初心者向けを紹介しましたが、今回は中級者向けとなる内容の海外の通信事業者と提携したサービスについてのプレゼンテーションをお伝えします。
IIJが8月にサービスを開始した「IIJmio海外トラベルSIM」(以下、海外トラベルSIM)は、海外に渡航する日本居住者をターゲットにしたサービスで、海外における「ローミングサービス」を提供します。スライド下側の「Japan Travel SIM」は訪日外国人向けのサービスとして展開していましたが、海外トラベルSIMはその逆の立場のサービスとなります。
海外トラベルSIMはイベントが実施された10月22日時点で44カ国・地域でサービスを利用可能です。台湾や中国を始めとしたアジア圏はもちろん、米国や欧州各国でも使用可能な点は嬉しいところです。
海外トラベルSIMはプリペイドタイプのサービスになっており、データのみのパックか音声通話付きのパックに分かれており、必須となっているスタートパックはデータパックは3,850円、音声付きパックは4,800円となります。リチャージはデータ容量や音声サービスの有無によって異なります。また、SIMのパッケージは3,000円(税別)となります。
海外トラベルSIMは白紙となっており、切り取る場所によって「標準SIM(2FF)」「microSIM(3FF)」「nanoSIM(4FF)」へと自由に切り取ることができるのであらゆる携帯電話に適合することができます。
海外トラベルSIMは、日本で海外の通信環境を入手できる安心感がある一方、現地の通信事業者が販売しているプリペイドSIMカードを比べるとやや高めの価格設定になっています。
また、LTEに現時点では非対応となっているため、LTEの通信環境が整っている先進国に渡航する場合は大きなデメリットとなってしまいます。さらに後述しますが、海外の通信事業者と提携している関係で、電話番号も日本において使用している番号をそのまま使うことはできません。提携する海外の通信事業者の電話番号が割り当てられることになります。
比較対象として、日本の大手通信事業者であるNTTドコモやau、SoftBankの3社のローミング料金が出されています。各社ともに海外においてもデータ定額サービスを提供しており、価格的に考えても海外トラベルSIMと大差ありません。今後、海外トラベルSIMの価格が下がって大手通信事業者より魅力的な価格設定になっていくと良いですね!
海外トラベルSIMは日本国内で購入でき、かつ日本でテスト通信をすることが可能です。海外で現地の事業者のSIMカードを購入する場合、一定レベルの語学能力が必要になってくるので敷居が高く感じる人も多いと思うので日本で調達できるメリットは大きいと考えられます。また、日本語でのサポートも受けられるので海外旅行する際に持っていく価値は大いにありそうです。
IIJが提供する海外トラベルSIMですが、日本の通信事業者ではなくオランダの「Teleena」というフルMVNOと提携しています。TeleenaよりSIMカードの提供を受けており、Teleenaが各国の通信事業者と提携しているローミング協定によって、海外トラベルSIMにおいてもローミングによる通信や通話が可能となっています。
IIJとTeleenaはAPI連携しており、通信量をチャージすることが可能です。海外の通信事業者と提携することによって、海外トラベルSIMに付与される電話番号はTeleenaの電話番号となるために、IIJmioの電話番号とは異なるものとなるのです。
海外トラベルSIMは、日本の通信事業者ではなく海外の事業者よりSIMカードや通信インフラの供与を受けてサービスが行われています。現時点ではLTEに非対応であったり、価格が高めに設定されているなど課題点も多々見られるというのが個人的な正直な感想です。IIJにはTeleenaとの協議をさらに積極的に進めてもらい、さらに良いサービスになっていくことを期待します。
今回は、海外渡航者向けの海外トラベルSIMのプレゼンテーションの様子をご紹介しました。次回はゼロ・レーティングに関する上級者向けセッションの様子をご紹介いたします。次回は近日公開予定です。お楽しみに。
記事執筆:memn0ck
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