HuaweiがKirin 970搭載の次期ハイエンドスマホ「Mate 10」を10月16日に発表!

Huawei Technologiesは2日(現地時間)、ドイツ・ベルリンにて2017年9月1日(金)から9月6日(水)まで開催されていた世界最大級の家電見本市「IFA 2017」の基調講演に同社コンシューマー・ビジネス・グループCEOのRichard Yu氏が登壇し、人工知能(AI)の処理を高速化する専用ハードウェアユニット「NPU(Neural Network Processing Unit)」を内蔵した新しいハイエンド向けチップセット(SoC)「Kirin 970」(HiSillicon製)を発表しています。

また合わせてKirin 970を搭載した最上級のプレミアムスマートフォン(スマホ)「Mate」シリーズの次期モデル「HUAWEI Mate 10」および「HUAWEI Mate 10 Pro」(ともに仮称)を2017年10月16日(月)にドイツ・ミュンヘンで発表することを明らかにしました。

Mate 10は日本でも昨年12月に発売した「HUAWEI Mate9」の後継機種で、今回予告された資料には「Galaxy S8」シリーズや「LG G6」などと同様にアスペクト比9:18.5もしくは9:18の縦長ディスプレイを採用し、画面の左右がラウンドした“ほぼ全画面デザイン”を採用しています。

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チラ見せされたHUAWEI Mate 10シリーズ


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Kirin 920の概要


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登壇したRichard Yu氏がKirin 920をつまんでいるところ

IFA 2017の2日目の基調講演に登壇したYu氏は「Mobile AI. The Ultimate Intelligent Experient」と題してプレゼンテーションを行い、これからのスマホなどのモバイルに大事なのはAIだとし、AIの処理をいかに高速化することがポイントになることを指摘しました。

その上で、同社は傘下のHiSillicon Technologiesにおけるチップセット開発へ10年に渡って投資を行っており、2008年の「K3V1」(180nm)、2012年の「K3V2」(40nm)、2014年の「Kirin 920」(28nm)、2015年の「Kirin 950」(16nm)、2016年の「Kirin 960」(16nm)と順調に開発を継続してきたことを紹介(括弧内は製造プロセス)。

また2014年のKirinシリーズになってからは通信チップも統合し、Kirin 920やKirin 950では下り最大300Mbps、Kirin 960では下り最大600Mbpsを実現してきました。これに続いて、今年新たに最新のハイエンドチップセットとしてKirin 970を発表し、製造プロセスは10nm、下り最大通信速度は1.2Gbpsになったことを説明。

さらに半導体製造大手の台湾メーカーであるTSMCにおける委託量でもシェアが高くなってきているとし、スマホやタブレットの販売台数シェアが世界3位と好調なのに合わせて半導体メーカーとしても地位が確立してきたことを示しました。

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そんな新たなハイエンド向けチップセットであるKirin 970で最も注力したのがAIへの処理性能の向上で、Cortex-A73コア×4のCPUで処理させた場合を1すると、GPUが4倍なのに対してNPUを用いると25倍の速度になり、またGPUが8倍なのに対してNPUなら50倍も省電力的に効率が良くなると解説し、例えば、画像認識なら200枚を認識するのにCPUと比べて20倍以上高速になり、約2000枚/分と一般的な処理速度をはるかに上回っているということです。

またNPUはAPIによってGoogleが開発するオープンソースの機械学習(ML)ライブラリー「TensorFlow」などにも対応。他社製品でもQualcommが「Snapdragon 835」にてDSPによってTensorFlowに対応していますが、よりAIに特化させたユニットを内蔵したというところになり、同社ではこれまでのCPUやGPU、DSPをコアとするコンピューティング・フレームではもはやAI時代の性能への膨大な需要に対応できなくなったとしています。

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またAIと同時にスマホなどのモバイルで重要なのがクラウド(ネットワーク)との連携で、即応性はリアルタイム性、プライバシーなどの重要な特長があるとし、ネットワークの重要性も指摘。Kirin 970ではLTE UE Category 18による下り最大1.2Gbpsに対応し、同社ではこれを“4.5G”と呼称していました。

なお、LTE UE Category 18もこれまでのLTE-Advancedのキャリアアグリゲーション(CA、3波=3CC CA)や4x4 MIMO、256QAMといった技術で成り立っており、規格としては「4G」です。通信面では他にも新たにデュアルSIMの2つのスロットともにLTEが同時利用できるLTE+LTEのデュアルスタンバイ(DSDS)に対応し、LTEで通信しながらVoLTEの待受が可能となっています。

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10nmプロセスによっておよそ1cm2に55億個(Kirin 960は40億個)のトランジスタを内蔵しつつ、Kirin 960と比べてダイサイズは40%小型化し、もちろんCPUやGPUも強化され、オクタコアCPU「Cortex-A73(最大2.4GHz×4コア)」+「Cortex-A53(最大1.8GHz×4コア)」および業界に先駆けて最新のGPU「Mali-G72MP12」(12コア)、そして、自社開発のデュアルISPを統合しています。CPUは20%、GPUは20%性能向上して50%の省電力化を実現。


動画リンク:https://youtu.be/T915ObAYPP0


動画リンク:https://youtu.be/5k566SwWDlc


動画リンク:https://youtu.be/yUOKu-VbMzA

記事執筆:memn0ck


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