トーンモバイルは10大疾患と増え続ける医療費問題に取り組む!

カルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下、CCC)グループとフリービットによる合弁会社であるトーンモバイルがNTTドコモから回線を借り入れて仮想移動体通信事業者(MVNO)として提供している携帯電話サービス「TONEモバイル」における「シニア向け新サービス発表会」を11月22日に開催した。

新たにライフログ機能を含むシステムアップデートと、TSUTAYA店頭でトーンモバイルのスマートフォンが借りられる「おためしレンタル」の開始を発表した。ライフログ機能では「お元気ナビ」および「お薬ナビ」、「TONE 福利厚生」が追加された。

同社はこれまでTONEモバイルにおいてシニア向けの健康対策として機能として、東京都健康長寿医療センター研究所䛾医学博士の青柳幸利博士監修の「中之条メソッド」を活用した「ライフログ」を提供しており、このサービスの拡充となる。

今回はこれらのシニア向けの健康管理および新たなトーンモバイルの世界感について紹介していく。

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同社 代表取締役社長 CEOの石田宏樹氏は今年9月の発表会にて社会問題となっている「振り込め詐欺」などの「特殊詐欺」対策をスマートフォン(スマホ)で行うと宣言し、AI(人工知能)を使った音声通話のフィルタリング「あんしん電話」およびWebフィルタリングサービスを開始した。

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なお、今回の発表会では10月3日~11月22日までの期間中、サービス利用登録者に対する特殊詐欺ブロック件数は317件(注意と危険の合計)の実績があったことを報告している。

TONEモバイルの利用登録ユーザーは50代以上が34%を占める。さらに40代のユーザーも20%と多く、シニア向けのサービスに対するニーズが今後も高まることが予想される。

石田氏による新サービスのプレゼンテーションは、ターゲットと問題を明確にしたのち、TONEモバイルの強みであるスマホのサービスで解決する方法を紹介する。

これらの新サービスはTONEモバイル契約者であれば無料で利用できるため、導入障壁がない、至ってシンプルで分かりやすい。

他社のサービスでは有料サービスであったり、オプション加入などの条件あるため、一歩引いて「それは、誰が必要としているサービスなのか?」と考えてしまうこともある。

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さて、話を戻して今回発表された新サービスの説明の前に石田氏は“シニア層獲得に必要な要素”として、シニアの関心事について紹介した。関心事の1位は「健康」、2位が「旅行」、3位「お金・財産」、4位「グルメ」と続く。

今回、”健康でいたい”というシニアに向けたサービス開発するにあたって、もうひとつ見えてきたのが「60代以上が67%を占めている国民医療費」という社会問題だという。

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そこで石田氏は「シニアの健康を支え、その結果、医療費問題にも貢献!」と打ち出した。そのための道筋をTONEモバイルで立てていきたいと意気込む。

新サービスは2016年度の死亡率の疾患別割合の約53.7%を占める「生活習慣に起因する10大疾患」をピンポイントにしているという。石田氏は「単純に生活の習慣によって防止できる部分」と説明し、金額にすると約4,291億円にも及ぶ総医療費に対して、TONEモバイルはITを使ってシニアの健康を支援することで、貢献していくというもの。

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TONEモバイルはこれまでスマホのセンサーを利用した「Smart ライフログ」と機械学習を組み合わせ、さらに学術的な最先端メソッドを組み合わせたソリューションを提供している。

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ライフログに搭載する中之条メソッドについて青柳氏は”1日8000歩、中強度の運動を20分”継続すると病気になりにくいと説明した。それ以下では、病気の発症率が上がってしまうため、生活習慣を改善する目安としてこの歩数と時間の”黄金比”として紹介。

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TONEモバイルは健康維持に対する自分なりの目標と成果を実感できりよう、目標を達成するとTポイントを付与するというサービスを行っているが、中でも1日8000歩・20分を15日以上継続した人の割合において60代以上がなんと53%を占めるのだという。

石田氏は、このようにライフログが活かされているとした上で、次のポイントとなるのが今回新サービスとして提供する利用者を健康へナビゲートする機能であると話す。

新機能として追加されるが、生活習慣に関わる10の疾患改善へのナビゲータ「お元気ナビ」だ。これは、これまでライフログで蓄積した過去のデータを分析し、まずはグループ分けを行う。

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そのグループ分けは、歩数が2000歩未満で中強度の運動時間がほぼ0分を「D」、歩数が2000~5000歩で7.5分未満を「C」、5000~7000歩で7.5分~15分を「B」、7000~9000歩で15~25分を「A」、9000歩以上で25分以上を「S」としている。

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スマホの画面上では自分が所属するグループのなかで「がん」や「糖尿病」、「うつ病」など10の疾患の罹患率の目安を、過去のデータをもとに可視化する。

石田氏はお元気ナビが「グループCがBに行くためには、どれぐらいの活動を毎日すればいいのかをナビゲートしていきます」とその機能を説明した。

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また、Tポイントの付与も一律8000歩・20分/1日ではなく個人の最適量を計算してナビゲートを行い、それを達成することで1日1ポイント貯まると言うものに変更となった。これはナビゲーションに従って身体を動かすことで、罹患率が下がるという狙いがあるのだという。

さらに、グループの判定は行動によって1ヶ月ごとに変化し、ランクが上がるとTポイントが10ポイント付与される。

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一方で、あまり動かないユーザーの傾向として、スマホをよく使っているということからあまりにも運動しないと「TONEが使いにくくなります!」と大胆な施策を発表した。

この機能は設定変更は可能だとした上で、身体を動かすことを促進する画面を最前面に表示し、長押ししないとその画面が消えないという手間を与えることで、健康のためのナビゲーションを行うのが狙いだ。

生活習慣病に対する予防医学によるアプローチで、個人の健康をナビゲートものが新機能の一つ。

なお、すで生活習慣に関わる10の疾患にかかっている場合について、青柳氏は「予防医学よりも病気を治す方が簡単です。四半世紀前から運動療法というものは確立しております」と説明した。

一方で問題となっているのは「薬は処方されたものを3割ぐらい捨てる時代だということです。それも医療費を圧迫していると言うことになりますので、処方された薬の飲むことが大事」だと話す。

石田氏は、この薬に関する問題解決のための、もうひとつの新機能「お薬ナビ」について説明を行った。

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ライフログに追加されたお薬ナビは、手動で追加するほかに、過去のライフログから常用薬を服用している可能性が高いと判断した場合は「それとなく」ナビゲートしてお薬ナビを案内する。

お薬ナビでは、処方箋による薬の登録を行うのだが、「撮るだけ設定」を利用しカメラで処方箋のQRコードを読み込むと、自動的に処方された薬と服用方法が登録される。さらに、服用時間がお薬アラームとして自動設定されるという仕組みだ。

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ライフログにお薬ナビが追加されると、活動量のほかに毎日薬を指定されたとおり服用しているかどうかを可視化することができるようになる。

服用を可視化するために薬を飲んだあとに、ボタンを押して登録する方法のほかに、服用する薬のそばにNFCのシールを貼り付けておいて、スマートフォンをタッチして服用したことを登録することもできる。また、薬が切れた場合は製材薬局の予約にも対応するという。

こと薬に関しては飲んだかどうかを忘れることもあるとのことで、こうして服用してアクションの起こすことが重要なようだ。また、服用したこともログとして残るので、振り返りも可能となる。

もし、薬を3日連続で特定の回数で飲み忘れた場合は、家族に通知が行くという仕組みも搭載。見守りを兼ねたこの機能によって、家族から薬の服用を促すことが狙いとなる。

TONEモバイルの新機能は、10大疾患にならなくすること、なった場合も健康のナビゲーションと薬の服用もナビゲートし、さらに製材薬局の予約にも対応するというサービスとなる。

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今回は健康だけではない、シニアの関心事として挙げられた旅行とグルメに対して、TONEモバイル利用者とその家族を対象とした「TONE福利厚生」アプリを提供する。このサービスは割引ありの宿の予約、レジャーの紹介などが行われる。

アプリとして提供する背景には、おすすめ(おトク)→予約という導線だけではなく、アプリからそのまま現地のようすをストリートビューで体験して、方向や周囲のようすを事前に予習ができる。さらには、その時に撮った写真のシェアや、そのまま写真のプリント予約するという思い出づくりにも役立つものとしている。

最後に、スマホに対する不安を抱えるシニア向けでもある新サービスとして、TSUTAYAの店舗と連携した「おためしレンタル」を一部の店舗からスタートする。

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TSUTAYAのレンタル機能を利用した、スマートフォンのおためしレンタルは、Tカードと本人確認書類があれば、契約同意の署名を行うだけで、5分ほどで各種設定を行ったスマホの貸出が可能となる。貸出時や返却時には、スタッフがNFC付きのシートで一括して端末の初期設定や初期化の手続きを行うため、流れがスムーズだ。

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おためしレンタルについて石田氏は「TONEモバイルは自信があるのでお試しいただいてからご購入いただけます」という自信と、TSUTAYAのレンタルというサービス基盤があってのもの。


動画リンク:https://youtu.be/4mwmICNOqNE

大手通信事業者や仮想移動体通信事業者(MVNO)はスマホを使うために回線を契約するというものだが、TONEモバイルはユーザーのためのサービスや価値体験を実現するため、独自のスマホや世界感を作っていると言える。今後も、どんなターゲットに向けたサービスを開発するのか期待したい。

記事執筆:mi2_303


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