富士通ブランドのパソコン事業の今後は!?FCCLが事業戦略説明会を実施 |
富士通クライアントコンピューティング(以下、FCCL)が都内にて「『富士通クライアントコンピューティング』事業開始についての説明会」を5月16日に開催し、5月2日よりレノボとの合弁会社なった同社の今後の事業戦略を発表した。
登壇した同社 代表取締役社長の齋藤邦彰氏は、1981年発売の「FM8」、「FM TOWNS
」など懐かしい製品群を振り返る。そして1993年発売の「FM-V」は、今日に至るまで続いており「すべてのお客様に対して満足いただけるものを企画・開発・製造して販売することは今後も変わりません」と語った。
今回のFCCLのキーワードは「人に寄り添っていく」ことだと説明。本記事ではそんな今後のFCCLについての事業戦略について齋藤氏によるプレゼンテーションを中心に写真と動画で紹介していく。
まず紹介されたのが、FCCLはこれまで現場に行ってその意見を取り入れて開発した保険の営業向けのタブレットや文教向けのタブレットなどを投入していることだ。
同社では従来から現場で学ぶのはパソコン(PC)がどのような使い方をされているのだけではなく、どのように使えばより人に寄り添うことができるのかを考えて開発しているのだという。
齋藤氏はレノボと提携したことで、人に寄り添ったコンピューティングを実現するためにリソースをエッジコンピューティングやAIに注ぎ込んで、開発のペースを上げていくことを明らかにした。
そして「5月16日をFCCLの『DAY 1』とし、誓いの日と位置付けている」と話す。出荷台数で世界トップクラスのレノボは、FCCLにとって頼れるパートナーであるという。
これによってこれまでコモディティー化状態にありがちな数を売るというビジネスだけではなく、より個人個人の深さを追求できるようになったと話した。
齋藤氏はこのDAY 1の発表を「新しい道、これまでの道の先に続いています。人に寄り添うことを旨とし、さらに磨き上げていく所存です」と誓った。
FCCLが進む未来のひとつは、日本政府が提唱する科学技術政策の基本指針「Society 5.0」への取り組みだ。年齢性別地域言語といった違いを乗り越え、あらゆる人がキメの細かい質の高いサービス受けられる社会作りである。
齋藤氏は業種ではなく、人を中心としたものの考え方であることから、FCCLが得意とする個人個人のフロントエンドを手がけていることで大きく貢献できるのではないかと話す。
今回、このSociety 5.0に向けた先行プロジェクトEDGE AIプラットフォーム「Infini-Brain」を公開した。動画などの画像認識などのデータをトラフィックに乗せるのは重いだけではなく、プライバシーやセキュリティーリスクも伴う。そこで、クラウドのコンピューティングパワーを手元に置くという発想のワークステーションだ。
Infini-Brainの性能はCADなどに使うワークステーションの10倍の性能を持つとしている。
壇上では、カメラの映像からリアルタイムで人物を検出し、AIで人の動きや顔の表情を推定するデモンストレーションが行われた。
Infini-Brainのある未来のビジョンとして、学校では生徒一人一人の表情や行動から、感情や授業の理解度を知ることができる。
1クラスの生徒に対して教師は1人であるため、どうしても見落としがちなこのような変化も、スマートフォン(スマホ)やタブレットで確認し、理解できるようになるのではないかと話す。
富士通ブランドの個人向けPCに搭載されているAIアシスタント「ふくまろ」と連携し、適切なタイミングでのアドバイスや介護のお役立ちなど、エッジコンピューティングがより身近な場所で活用されるようになり、人に寄り添ったサービスを提供できるようになるとしている。
Infini-Brainはまだまだ開発途中ではあるが、ワークステーション以上のパワーでエッジコンピューティングとAIを高速に実現できるものとして期待を寄せていた。
最後に齋藤氏は「約3年後のDAY 1000には、具体的なさらなる進化をお伝えすることを約束します」と話した。
レノボとの提携によって、FCCLは新しく変わった道がある一方で、これまで通りの変わらない道もある。新しい道にリソースが割けるようになったことで、エッジコンピューティングとAIに取り組むことができるようになった。
低コストや作業の効率化のためのソリューションに人が合わせるのではなく、新しい道と従来の日本で考えて日本で作るメイドインジャパンのものづくりで、人に寄り添うデバイスでこうした問題を解決していくのがFCCLの考え方という印象を受けた。
動画リンク:https://youtu.be/SrJWxTB-TfY
記事執筆:mi2_303
■関連リンク
・エスマックス(S-MAX)
・エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter
・S-MAX - Facebookページ
・FCCL DAY1発表会の開催について : 富士通クライアントコンピューティング
・新生「富士通クライアントコンピューティング」が事業開始 : 富士通クライアントコンピューティング