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ロンドン発!置いても持ってもOKなQWERTYキーボード搭載スマホ「F(x)tec Pro1」レビュー |
既報通り、リンクスインターナショナルがスライド式のQWERTYキーボードを搭載したAndroidスマートフォン(スマホ)「F(x)tec Pro1(型番:QX1000)」(FX Technology製)を日本市場にて7月11日から販売開始しています。SIMフリーモデルで、価格は89,900円(税抜)。
F(x)tec Pro1はイギリスのスタートアップ企業のFX Technologyが開発したスマホで、先日紹介したAndroidコミュニケーター「Cosmo Communicator」(Planet Computers製)とは異なり、キーボードを出さないまま通常のバータイプのAndroidスマホとして利用しつつ、必要に応じてキーボードの出し入れをしながら使っていくデュアルスタイルで使っていける製品となっています。
今回、リンクスインターナショナルよりレビュー用のサンプル機をお借りすることができたので、前後編に分けて本機のレビューをお送りしたいと思います。まずは前編として外観や基本機能について写真を交えて紹介していきたいと思います。
【貴重な横スライド型の新スマホ、F(x)tec Pro1の外観と同梱品をチェック】
まずは同梱品をチェックしてみましょう。内容物としてはF(x)tec Pro1本体の他にUSB Type-Cケーブル・USB充電器(実際の製品版では形状が異なるとのこと)・専用スリーブケース・画面保護フィルム・クイックスタートガイド・開発スタッフからのメッセージカードが入っていました。
F(x)tec Pro1はキーボードをスライドして引き出して使う形状のため、本体カバーなどは(筆者の調べた範囲では)見かけなかったので、本体を収納できるカバーが付属しているのは嬉しいですね。
また本機はクラウドファンディングでの出資を募って生まれた製品でもあるため、開発スタッフの感謝を伝えるためのメッセージカードが入っていたのだと思われます。
続いてF(x)tec Pro1本体の外観の紹介をしていきます。本体正面には約6インチFHD+(2160×1080ドット)AMOLED(有機LE)ディスプレイや通話用スピーカー、約800万画素CMOS/広角レンス(F2.0・固定焦点)のフロントカメラが配置されています。
メインディスプレイは左右端が曲面加工されたいわゆる「エッジディスプレイ」で、Samsung Electronics製のハイエンドスマホのGalaxy Sシリーズなどでお馴染みのものとなっています。サイズは約154×73.6×13.98mm、質量は約243g、本体カラーはブラックの1色のみ。
背面側にはデュアル構成のリアカメラが搭載され、約1200万画素CMOS/広角レンズ(F1.8)のメインカメラと約500万画素CMOSの奥行き測位用サブカメラ(F2.0)、さらに撮影用フラッシュがあります。メインカメラのイメージセンサーはソニー製「IMX363」を採用しています。
天面側には3.5mmイヤホンマイクジャックと外部スピーカー、底面側には通話用マイクと外部スピーカー、USB Type-C端子があります。
なお、横向きにした際に外部スピーカーが左右にくるようになっており、動画視聴(音楽聴取)時などにステレオ出力でコンテンツを楽しむことができます。
左側面にはSIMカードおよびmicroSDカードスロット、右側面には音量キー・電源キー・指紋センサー、カメラのシャッターキーがあります。
本機はSIMカードスロットを2基搭載し、DSDS(Dual SIM Dual Standby)に対応していますが、片方のSIMカードスロットはmicroSDカードスロットと排他になっており、microSDカードを利用する場合はSIMカードを1枚のみ使用可能となります。SIMカードのサイズはnanoSIMカード(4FF)で、microSDカードは最大2TBのmicroSDXCにまで対応しています。
またSIMカードおよびmicroSDカードスロットはツールフリーを謳っており、SIMピンなしでもアクセス可能(ツメを窪みに引っ掛けて引き出すタイプ)。気軽にSIMカードの交換ができるのは嬉しいですね。
キーボードを引き出すと画面が横回転し、小さめのコミュニケーターのような形態となります。後ろ側のディスプレイを支えているパーツのところに技術基準適合認定および技術基準適合証明・工事設計認証(いわゆる「技適マーク」)がシールで張り付けられています。
キーボードはバックライト付き、5段のQWERTYキーボードで、親指でポチポチと押して使うイメージがしっくりくるでしょう。
66キーとボタン数が多く、長押しで起動できるアプリのショートカットの設定ができるほか、Ctrl+C(コピー)やCtrl+V(貼り付け)などのショートカット操作にも対応しています。
デフォルトのIME(文字入力アプリ)はGoogle製の「Gboard」ですが、定番のIMEアプリの「Google日本語入力」や「ATOK」(ジャストシステム製)、さらに「Wnn Keyboard Lab」(オムロンソフトウェア製)でも問題なく日本語とアルファベットを切り替えながらの入力が可能でした。
ただし、利用するIMEアプリによって入力文字の切り替え方法が多少異なります。バッテリー容量は3,200mAhで、Qualcomm Quickcharge 3.0とUSB-PD(USB Power Delivery)の両方に対応しています。本体カラーはブラック1色のみとなっています
チップセット(SoC) | Qualcomm Snapdragon 835 (2.45GHz+1.9GHz:オクタコア) |
動作メモリー(RAM) | 6GB RAM |
本体ストレージ | 128GB ROM |
ディスプレイ | 6インチ フルHD+(2160×1080ドット) |
外形 | 長さ154mm x 横幅73.6mm x 本体厚13.98mm (キーボード収納時) |
キーボード | バックライト付きQWERTYキーボード (スライド式 5列66キー) |
本体重量 | 約243g |
無線LAN(Wi-Fi) | Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 + LE |
LTE(FDD) | 1, 2/25, 3, 4, 5/19/26, 7, 8, 12/17, 13, 20, 28 |
LTE(TDD) | 38/39/40/41 |
WCDMA | 1, 2, 4, 5, 8 |
CDMA | BC0, BC1 |
TD-SCDMA | 34/39 |
GSM | 2, 3, 5, 8 |
センサー類 | ・指紋センサー(本体側面)・A-GPS・加速度センサー・近接センサー・光センサー・ジャイロ・磁気センサー |
【ホーム画面やプリインストールアプリなど】
海外メーカー製のAndroidスマホには大抵プリセットされているFMラジオ以外にはサードパーティーアプリどころか、メーカー製アプリすらなく、プリインストールされているアプリはGmailやGoogle Playストア、GoogleマップなどのGoogle製Androidアプリ(しかもその中でも一部)のみと非常にシンプルです。Google Discoverも未使用設定(設定すれば利用可能)となっており、ホーム画面もアプリケーション一覧も1画面ずつという非常にシンプルな構成で、むしろ「自由に好きなアプリを入れて俺色に染めてくれ」と言わんばかりです。
筆者としてはせっかくのキーボードモデルなので、EvernoteやWord、Excelといったオフィスアプリ、お気に入りのメーラーなどを入れてカスタマイズする楽しみがあると受け取りました。
あまり詳しくない人には不親切に感じるかも……とも思ったのですが、「そもそも、スマホにあまり詳しくない人は本機にはまず手を出さないであろう」と気が付いたので、これはこれでよかったのだと思います。
ちなみにプリインストールされているカメラアプリは「Snapdragon Camera」という名前で、恐らくQualcommがSnapdragon採用スマホ向けに提供しているものと思われます(つまり、メーカー製のカメラアプリではないということ)。
F(x)tec Pro1はここしばらくの間、登場しなかった横スライド式のQWERTYキーボードを搭載したスマホということで、日本のスマホ市場黎明期からのスマホユーザーには当時、大きな話題となったウィルコム(現:ワイモバイル)のWindows Mobile搭載「W-ZERO3」(シャープ製)やNTTドコモ向けに販売されたQWERTYキーボード搭載Androidスマホ「Optimus chat L-04C」の姿が被るユーザーも多いことでしょう。
キーボード搭載のコンパクトなスマホには多くはないのかもしれませんが、一定数の熱烈なファンがいるのも確かで、本機はその需要を汲み取ってくれる貴重な1台となるのではないかと思います。
というわけで、F(x)tec Pro1レビュー前編として外観や基本的な性能とプリインストールアプリの紹介などをお送りいたしました。次回は実際に本機を使って気が付いた点などを紹介していこうと思いますので、お楽しみに。
F(x)tec
記事執筆:河童丸
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