Microsoftがサブスクリプションの仮想デスクトップサービス「Windows 365」を8月2日より提供!

Microsoftは14日(現地時間)、パソコン(PC)など向けオペレーティングシステム(OS)である「Windows 10」や「Windows 11」を利用する新たな方法を提供するための新しいクラウドサービス「Windows 365」を発表しています。Windows 365は2021年8月2日(月)から主に企業向けに提供され、料金は提供開始時点で案内されるとのこと。

Windows 365はOSをMicrosoft Cloud上に構築され、VDI(Virtual Desktop Infrastructure)と呼ばれる仮想デスクトップサービスとして提供され、アプリやデータ、設定など、Windowsの体験全体を個人や企業の製品にストリーミングすることで、HTML5に対応したWebブラウザーで利用できます。

そのため、Windows 10やWindows 11がインストールされていないmacOSやLinux、iPad、iPhone、Androidなどの他のOSからもWebブラウザーを利用してWindowsが利用できるとのこと。リソースは利用者が設定可能で、CPUは最大で8コアまで、メモリー(RAM)は最大32GBまで、ストレージは最大512GBまでを選択できるとのこと。

また設計段階からセキュリティーを考慮し、ゼロトラストの原則に基づいて構築されたWindows 365は情報を製品ではなく、クラウドに保存して保護することによってインターンや契約社員、ソフトウェア開発者、工業デザイナーといったあらゆる働き手に向けて安全で生産的な体験を提供します。

さらにWindows 365はクラウドのパワーと製品の機能の両方を活用してパーソナライズされた完全なWindows体験を提供するCloud PCという新たなハイブリッドパーソナルコンピューティングのカテゴリーを生み出し、世界中の企業は従業員が現場にいても世界各地に分散していても勤務できるハイブリッドワークモデル実現の最善の方法を模索している中、今回の発表は画期的な出来事だとしています。

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MicrosoftではWindowsプラットフォームとクラウドの強みを活かしたWindows 365は「パワフル」および「シンプル」、「セキュア」の3つの点で企業に大きな安心感をもたらすということで、料金はユーザー当たりの月額制サブスクリプションによって提供され、プランは「Windows 365 Business」と「Windows 365 Enterprise」の2つが用意されます。

なお、OfficeやTeams、OneDrive、Eメールなどのクラウドサービスがパッケージになっている「Microsoft 365」とは別料金となっており、Microsoft 365を契約している人向けの料金は用意されないとのこと。また当初はAzure AD(AAD)によって認証されている「職場または学校アカウント」(AADアカウント)が必要になるということです。

AADアカウントは企業や学校向けのMicrosoft 365(「Microsoft 365 Business」や「Microsoft 365 Enterprise」)を契約している組織などが発行できるアカウントであるため、一般向けに提供しているMicrosoftアカウントでは利用することができないという。ただし、AADアカウントを持っていれば個人でもWindows 365は利用可能だということです。

(1)パワフル
自分専用のCloud PCを瞬時に起動することで、あらゆる製品上ですべてのアプリやツール、データ、設定をクラウドからストリーミングできるクラウドで完全なPC体験をWindows 365が提供します。またクラウドは柔軟な処理能力やストレージを備えているため、企業のIT部門はニーズに応じて規模を拡大したり縮小したりできます。組織はWindows 10またはWindows 11(2021年後半に一般提供開始された場合にWindows 365でも利用可能になる予定)のいずれかを選択でき、ユーザーごとの月額料金で自社に適合したCloud PCを選択できます。

(2)シンプル
Cloud PCを用いることで、Windows 365の利用者はログイン時に製品を横断して中断箇所から作業を再開でき、クラウドで提供されるシンプルで使い慣れたWindowsを体験でき、企業のIT部門にとってもWindows 365は展開・更新・管理を簡素化してくれます。他のソリューションとは異なり、Windows 365は仮想化技術の経験を必要としません。

またWindows 365はエンドポイント向けに最適化されているため、IT部門は「Microsoft Endpoint Manager」を使用して組織向けの Cloud PCの調達・展開・管理を物理的PCの管理と同様に容易に行うことが可能で、中小企業はWindows 365を直接またはクラウドサービスプロバイダーを通じて購入し、わずか数クリックの操作でCloud PCを組織向けにセットアップできます。

また仮想化の経験が豊富で、より多くのカスタマイズや柔軟なオプションを求める企業向けにMicrosoftでは「Azure Virtual Desktop」のイノベーションも継続していきます。

(3)セキュア
Windows 365は設計段階からセキュリティーを考慮し、クラウドのパワーとゼロトラストの原則を活用しており、情報はユーザーの製品上ではなく、クラウド上で安全に保存されます。また常に最新状態にアップデートされ、Microsoftの豊富なセキュリティー機能とベースラインの強みを活かしたWindows 365はセキュリティー作業を簡素化し、現在の環境に最適なセキュリティー設定を推奨してくれます。

Windows 365の発表に当たり、Microsoft会長兼CEOのSatya Nadella氏は「Windows 365により、MicrosoftはCloud PCという新たなカテゴリーを作り出しました。SaaSによってアプリがクラウドに移行したのと同じように、MicrosoftはOSをクラウド上に実現しようとしています。これにより、業務をする人がどこにいても生産性と接続性を向上できるよう支援するための柔軟で安全な方法が、組織に対して提供されるようになるのです。」とコメントしています。



記事執筆:memn0ck


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