Edifierの高性能ヘッドホン「WH950NB」を試す |
EDIFIER INTERNATIONALが展開するオーディオブランド「Edifier(エディファイア)」において、高性能なワイヤレスヘッドホン「Edifier WH950NB」が、国内市場向けに今年投入された。
取り扱いは大手Webストア「Amazon.co.jp」や「楽天市場」など。通常価格(金額はすべて税込)は3万円前後だが、4月14日時点で、Amazon.co.jpでは特選タイムセールで22,099円、楽天市場では25,999円と3万円を大きく下回るセール価格で販売されている。
発売からしばらく経過しているが、今回はこのEdifier WH950NBをメーカーから提供いただいたので、外観や特徴などを写真や動画を交えながらレビューする。
■開封、同梱品をチェック
Edifierは、1996年5月に中国・北京で設立したオーディオメーカー。現在では、世界70カ国以上の代理店を通じて様々なオーディオ製品を提供している。
Edifier WH950NBの個装箱の裏面には主な特長が日本語を含め5言語で記載されており、日本国内だけでなく海外でも販売されていることが見て取れる。
内箱を取り出して開けると専用ポーチが現れる。ヘッドホン本体を含め、付属する同梱物はすべてこのポーチに収納されている。
内容物はヘッドホン本体の他に、
・USBケーブル(USB Type-C)
・オーディオケーブル(3.5mmミニプラグ)
・変換プラグ
・安全上の重要事項の用紙
・Manual(取扱説明書)
これらが同梱する。
以前紹介した「Edifier WH500」を含め、Edifierの製品群において比較的安価なヘッドホンには専用ポーチが同梱されていない。Edifier WH950NBに同梱されているポーチは、質感もよくしっかりとした作りだ。内面のポケットに小物を収納でき、持ち歩きだけでなく、しばらく利用しない際の収納に困らないのも良い点だ。
取扱説明書は全82ページのかなり小さな冊子で、多言語で記載されている。日本語を含め1言語あたり3ページだけの説明となっており、日本語ページは19ページから21ページで「オン/オフ」「ペアリング」「リセット」「状態ライト」「コントロール」の5項目について説明されている。
ヘッドホン製品で個装箱もそれなりの大きさがあるにも関わらず、取扱説明書や安全上の注意は相変わらず小さく、とても読みづらい。ただし、取扱説明書については、後述する専用アプリでも確認できるため、読みづらい人はアプリで確認しよう。
■本体の操作や仕様をチェック
ヘッドホン本体は、イヤーカップが折りたためたり、回転したりする仕様になっている。イヤーカップ自体に厚みがありやや大ぶりのサイズだが、折りたたんでコンパクトにできるのはありがたい。イヤーカップ内面には、大きく「L」「R」の記載があり左右が分かりやすくなっている。
本体のカラーバリエーションは、今回紹介しているブラックの他にホワイトをラインナップする。ドライバー(スピーカー)は40mmの大型ダイナミックドライバーを搭載している。
イヤーカップとヘッドバンド内側にあるパフはとても柔らかく触り心地も良い。前述のように、イヤーカップのサイズは大きめで耳をすっぽりと覆ってくれるため装着がとても良く、長時間装着していても疲労感が少ない。
耳をすっぽりと覆うことで装着感の良さだけでなく、密閉感が得られることで物理的にノイズを遮断する効果もある。
一般的なヘッドホンと比べてやや特徴的なスライダーは、単純に伸縮するスタイルではなく、レール(溝)によって伸縮する。ヘッドバンド上部に収納され出し入れすることで伸縮する通常のヘッドホンに対し、Edifier WH950NBではイヤーカップ側のバンド(柄)部分に収納する仕様になっている。上に収納するか、下に収納するかの違いだが、ややクセのある伸縮感があるため、最初は違和感を抱くかもしれない。
右側のイヤーカップ側面には、電源ボタン、「+」「-」のボリューボタン、「M」ボタンの他、充電用のUSB Type-C端子とLEDインジケーターを搭載する。電源ボタンは長押しでオンとオフの切り替えができ、6秒以上の長押しでBluetoothのペアリングモードを起動する。
ボリュームボタンは短押しでボリュームの上下が可能なだけでなく、連打で素早くボリュームのアップダウンもできる。また、ボリュームボタンは長押しで、曲送り(+ボタン)と曲戻り(-ボタン)もできる。
「M」ボタンは短押しで「ノイズキャンセレーション オフ」→「ハイノイズキャンセレーション」「アンビエントサウンド」の順に切り替わる。「アンビエントサウンド(ambient sound)」は外音取込モードのこと。また、「M」ボタン長押しで音声アシスタントを起動させることができる。
ボリュームボタンと電源ボタンがつながっているため、指だけでボタンを認識するのは慣れが必要だ。ただ、とても細かい点だが、「+」ボタンと電源ボタンの「┃」は出っ張っているが、「-」ボタンは凹んでおり、指で認識しやすい工夫が施されている。
LEDインジケーターは、プレーヤーとなる機器と接続中は消灯する。
ペアリングの操作方法について簡単に解説する。スマートフォン(スマホ)およびパソコン(PC)などプレーヤーとなる外部機器と接続する場合は、Bluetoothをオンの状態してBluetoothの設定画面で「EDIFIER WH950NB」をタップ(クリック)してペア設定をする。
基本は上記の操作だが、Edifier WH950NBは「Google Fast Pair」に対応しているため、Androidスマホとの接続はさらに簡易にペアリングができる。Edifier WH950NBの電源をオンにするだけで、近くにあるAndroidスマホで検出され、ディスプレイに表示された通知から接続(ペアリング)することが可能だ。
Bluetoothはバージョン5.3、対応コーデックはSBCとLDAC、アクティブノイズキャンセリング(ANC)を有効にした状態で最大34時間、ANCオフで最大55時間の長時間再生が可能。
■Edifier Connectアプリ(マルチポイント機能とLDACの切り替えなど)
ここからは、専用アプリ「Edifier Connect」を紹介する。スマホにアプリをインストールした後、アプリを起動する。あらかじめヘッドホンとスマホをBluetooth接続しておくとヘッドホンの機種を自動で認識してホーム画面にあたる「EDIFIER WH950NB」の画面に推移する。この画面は横に移動でき、それぞれ「サウンドエフェクト」「シーンモード」の3画面が用意されている。
いずれの画面でも右上の歯車マーク(「設定」アイコン)をタップすると「設定」画面に推移する。
「設定」画面では「製品名」の編集の他、
・ユーザーマニュアル
・制御設定
・LDAC
・Dual-Device Connection
・プロンプト音レベル設定
・聴覚保護
・製品の電源を切る
・時限シャットダウン
・Bluetooth settings
・出荷時設定
これら7つの項目からそれぞれの設定変更などができる。
「ユーザーマニュアル」は、前述の同梱品の取扱説明書と同様に「オン/オフ」「ペアリング」「リセット」「状態ライト」「コントロール」の5つの項目を確認できる。
「プロンプト音レベル設定」はヘッドホン操作時に出る効果音のボリューム設定だ。「時限シャットダウン」は、タイマー設定のこと。「タイマーオフ」」「5分以内」「15分以内」「30分以内」「In 1 hour」「In 3 hour」の6パターンから選択できる。
「制御設定」ではキーアサイン(ボタン操作の割り当て)の変更ができる。英語表記だが、「1回押し(短押し)」「2回押し」「長押し」の各操作における動作を選択できる。
ここで、設定変更できるのは「M」ボタンのみとなっており、その他のボタンにおけるキーアサイン変更はできないので注意しよう。
さて、ここからはハイレゾ視聴について解説しよう。高音質データを伝送するためのBluetoothコーデック「LDAC(エルダック)」に対応することでハイレゾ相当の音質を楽しめるEdifier WH950NBは、ワイヤレス環境でのハイレゾ視聴が可能な製品だ。
既存のAndroidスマホの多くは、標準でこのLDACに対応しているため、LDAC対応ヘッドホンをBluetooth接続すると、自動的にLDACでの視聴ができる。しかし、Edifier WH950NBは、デフォルト(初期値)の状態ではLDACで接続できない。
その理由は、もうひとつの特徴的な機能である「マルチポイント」にある。マルチポイント機能は、ペアリングした複数台の機器について同時にアクティブに接続できる機能。例えば、スマホAとスマホB、PCとペアリングを済ませた後、Bluetoothをオンにした2台とアクティブで接続状態を保ち、手動でBluetoothの接続を切り替えることなく視聴できる。
スマホA+スマホB、スマホA+PC、スマホB+PCのように2台同時接続が可能で、例えばスマホAで音楽を視聴し、PCで動画の音声を視聴することもできる。同時に2台分の音声視聴はできないため、どちらか一方は停止する必要があるが、それでもシームレスな切り替えはかなり便利だ。
Edifier WH950NBでは、このマルチポイント機能がデフォルトでオンになっており、逆にLDACでの接続はオフになっている。
そのため、LDACを有効にするには、アプリでマルチポイント機能をオフにしてLDACをオンにする必要がある。
説明が長くなってしまったが、その方法が上記のスクリーンショットの画像だ。まずは、「設定」画面の「Dual-Device Connection」をタップして推移した画面の右上の「オン/オフ」スイッチをタップしてオフにする。
その後、「設定」画面の「LDAC」をタップして「96Kサンプリングレート」もしくは「48K/44.1Kサンプリングレート」を選択してオンの状態にする。ここで、「この操作を行った後、ヘッドホンは再びBluetoothペアリングになります」が表示されるので「確認」をタップする。一度、ペアリング操作をやり直すことになるが、この操作が完了すると自動的にLDACで接続される。
LDACでの接続が有効になると、「EDIFIER WH950NB」の画面左上にあるグレーアウトしていた「ハイレゾオーディオ」のロゴマークが、きちんとカラー表示される。この画面において、LDACがアクティブがどうかが確認できるほか、スマホのBluetoothの設定画面でも「LDAC」が有効であることを確認できる。
こうした操作が必要であることと、マルチポイント機能とLDACの併用ができないことは覚えておく必要があるだろう。
前述の通り、アプリのホーム画面は左右のフリックで「EDIFIER WH950NB」の画面、「サウンドエフェクト」の画面、「シーンモード」の画面に切り替えできる。
「サウンドエフェクト」では、「クラシック」「ダイナミック」「オーディオファン」の3つのアイコンから好みを音質を選択できる。
「オーディオファン」のアイコンをタップするといわゆるイコライザーの画面に推移する。「オーディオファン」の画面では「Gain」「Q factor」「Frequency」の3つの項目を調整して、より自分好みの音質に設定できる。
「シーンモード」は「ミュージックモード」「ゲームモード」「シアターモード」のオン/オフの切り替えが可能だ。シアターモードはその名の通り、映画館のような臨場感のある音質で楽しむことができる一方で「サウンドエフェクト」との併用が不可になっている。実質「サウンドエフェクト」の一部という扱いの機能だ。
Edifier WH950NBは、基本的な機能はもちろん専用アプリによる各種設定や多彩な機能で、より自分好みの音質や環境で視聴できるため、間違いなくハイエンドなモデルといえるだろう。
ここまで触れてこなかったが、バッテリーの持ち時間が長いだけでなく、10分の充電で最大7時間再生や、1.5時間でフル充電可能な時短・急速充電にも対応している点や、ANCも「低ノイズキャンセリング」「高ノイズキャンセリング」の2段階から選択できる点、「風切り音」に対応している点も見逃せない。
最後に、外観や同梱品のチェック、今回紹介したアプリによりLDACを有効にする操作方法などの動画と、専用アプリ「Edifier Connect」を操作しながら解説した動画を紹介する。
S-MAX:ハイスペワイヤレスヘッドホン「Edifier WH950NB」を試す!マルチポイントとLDACの切替方法なども解説【レビュー】
S-MAX:Edifier(エディファイア)製品向け専用アプリ「Edifier Connect」を「Edifier W220T」と連携させて解説【レビュー】
アプリ名:Edifier Connect
価格:無料
カテゴリー:
開発者:
バージョン:
Android 要件:
Google Play Store:https://play.google.com/store/apps/details?hl=ja&id=com.edifier.edifierconnect
アプリ名:Edifier Connect
価格:無料
カテゴリー:ユーティリティ
開発者:BEIJING EDIFIER TECHNOLOGY CO.,LTD.
バージョン:7.7.16
iTunes Store:https://itunes.apple.com/jp/app/id1403293252?mt=8
Edifier
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記事執筆:2106bpm(つとむびーぴーえむ)
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