![]() |
据え置き用途から車内Wi-Fiまで!多芸なモバイルルーター「FS050W」を使いこなそう |
既報通り、富士ソフトが5G NR方式におけるNSAやSA、ローカル5Gによるネットワーク接続にも対応したモバイルルーター「+F FS050W(型番:FS050WMB1)」を今年2月より順次、販売しています。販路はビックカメラやヨドバシカメラなどの家電量販店やAmazon.co.jpといった各ECサイトなどで、発売開始当初は売り切れのお店も少なくありませんでしたが、発売開始からしばらくたったこともあり、現在は取扱店のほとんどで問題なく購入が可能となっています。
本体価格はオープンとしながらも希望小売価格は38,280円となっていますが、ヨドバシカメラやビックカメラなどでは38,280円の10%(3,828ポイント)還元で実質負担額34,452円となっているほか、本記事を執筆している2023年7月時点におけるAmazon.co.jpでは11%割引の34,000円で販売されています。
そんな+F FS050Wですが、筆者も購入してこれまでに開封レポートや同梱品の解説、本機の基本的なスペックなどを解説してきましたが、後編となる本記事では本機のモード切り替えなどの特徴的な機能の解説や実際に本機を使って感じた点などをお送りします。
【FS050Wの利用モード紹介】
FS050Wは通信キャリア各社が提供する5Gネットワークにも対応したモバイルWi-Fiルーターですが、先代モデルのFS040Wにも搭載されていた大きな特徴として「複数の利用モードがあり、それを自由に切り替えて、状況に合わせた最適な使い方を選択できる」という点があります。
まずはこれらのモードをざっくりと解説していきましょう。
〇標準モード
標準モードはいわゆる一般的なモバイルWi-Fiルーターと同様の感覚で使える汎用性重視のモードで、Wi-Fiのネットワーク接続は2.4GHzのみとなります。他社製のモバイルWi-Fiルーターと同じ感覚で利用できるモードで、普段使いならこのモードだけでも特に困ることなく使っていくことができます。
モバイルWi-Fiルーターをこれまであまり使ったことがない、それほど詳しくないという人はこのモードのままでずっと使っても、デフォルト設定では5GhzでのWi-Fi接続ができないなどの制限もありますが、特に問題はないでしょう。
〇モバイルモード
モバイルモードは基本は標準モードと同様ですが、バッテリーの消耗をなるべく抑えたり、少しでも長時間の利用ができるようにするためにディスプレイの点灯時間が短めに設定されていたり、データが流れない時間が30分以上経過すると自動でスリープモードに移行するといった特徴があります。屋外に持ち出して出先で利用したい場合や利用を予定している目的地での電源が取れない場合などのシチュエーションに便利です。
駆動時間&バッテリー節約重視ならならこのモードで利用するといいでしょう。
〇据え置きモード
据え置きモードはその名の通り、自宅やオフィスなどの屋内での利用を想定したモードで2.4GHzと、より高速な5GHzでのWi-Fi接続が可能で、本機のバッテリーを取り外した状態でUSB端子から電源供給を受けることでの動作も可能です。自宅などに固定回線代わりに設置しての利用も可能(相応の通信プラン契約が必要になりますが)で、最大で32台のWi-Fi対応機器を同時に接続可能であることを活かせば、自宅やオフィスに手軽にモバイルネットワークを利用したWi-Fi環境を構築できるでしょう。
〇カー・モード
カー・モードはあらかじめ本機のモード変更をして、自動車のUSBポートやシガーソケット経由からの電源供給を受けるように繋げておくと、自動車の電源が入った際に自動で本機が起動して利用が可能になるというモードで、こちらもバッテリーレスで利用が可能となっています。他社製のモバイルルーターではあまり見かけない、車の中にWi-Fi環境を導入する珍しいモードと言えます。(過去にワイモバイルが「Car Wi-Fi」というシガーソケット直挿しタイプの自動車内利用専用のWi-Fiルーターを出していましたが)
カー・モードの基本設定ではディスプレイが常時点灯となり、電源供給が切れるか車のエンジンを切るまでは稼働し続けます。
こちらもWi-Fiネットワークは5GHzでの接続に対応しており、車での移動中でも同乗者が快適に手持ちの機器でコンテンツを楽しむなどといったことができます。
〇USBテザリングモード
USBテザリングモードはWi-Fiを利用しての機器への接続ではなく、USBケーブルを利用して本機とPCなどを接続することで利用可能になります。USBテザリングモードはモード変更の項目にもなく、本機をUSBを使ってPCなどに接続することでUSBテザリングモードへ切り替わります。
イメージ的には5G・4Gネットワークに対応したUSBドングルを接続してネットワークに繋ぐという状態を想像してもらうといいでしょう。
本機とPCなどの機器間をWi-Fi(無線)でなく、高速なUSBケーブルで接続することになるので、本機から接続した機器間の通信速度はもっとも早く安定したものになります。
このモードではケーブルで直接接続することになるため、端末は1台のみでしか利用はできませんが、SSIDやパスワードを設定することなく、対象となるPCなどにケーブルで接続するだけで利用可能なので、非常に手軽に利用できるのもポイントです。
各モードの機能設定はデフォルトでは特徴などをまとめると以下のようになります(個別に設定項目の変更をすることもできます)。項目内の「省電力設定」は有効にすることで、Wi-Fiの出力を抑えて、有効範囲を狭めることでバッテリーの電力消費を節約する機能となっています。
「バッテリー保護機能」は有効にしておくとバッテリー残量が70%を超えると充電されず、60%を切るまで再充電が開始されない機能で、過充電などを防ぐことでバッテリー寿命を延ばす設定となっています。
標準モード | モバイルモード | 据え置きモード | カー・モード | テザリングモード | |
Wi-Fi | 2.4GHz | 2.4GHz | 2.4GHz/5GHz | 2.4GHz/5GHz | - |
省電力設定 | 通常 | エコ(節約) | 通常 | 通常 | 通常 |
オートスリープ | 無効 | 30分 | 無効 | 無効 | 無効 |
オート電源起動 | 無効 | 無効 | 無効 | 有効(本体への電力供給開始時) | 無効 |
バッテリー保護機能 | 無効 | 無効 | 無効 | 有効(本体への電力供給開始時) | 無効 |
【FS050WはどんなSIMの組み合わせが良い?】
FS050Wの対応SIMはnanoSIM(4FF)とeSIMのデュアルという、国内向けのモバイルWi-Fiルーターとしてはちょっと珍しい組み合わせとなっています。特に深く考えずに使うのであれば、(MNO・MVNO問わず)各通信キャリアのデータ用(nano)SIMカードを挿してシングルSIM運用で使うだけでも十分な人が多いかと思います。
もし2つのSIMを併用して使い分けるのであれば、筆者としては「楽天モバイル+ほかの通信キャリアのデータプラン用SIM」をオススメしたいです。
最近(2023年7月現在)ではオンライン手続きであれば、eSIMの発行手数料が無料の通信キャリアも複数出てきており、異なる2社のデータプランをそれぞれ、通常のSIMカード(本機ではnanoSIM)とeSIMの発行手数料無料の通信キャリアを併用するのが良いかと思います。
筆者の場合、楽天モバイルのeSIMとサービスエリア外対策などを考慮して、他の通信キャリア(NTTドコモ系やソフトバンク系)のデータ通信用SIMで補う形で利用することで、守備範囲の広いモバイルWi-Fiルーターとして活用しています。
MNOキャリアが提供しているスマホと併用できる比較的安価におさめるためのデータプランとしてはNTTドコモなら5Gデータプラス、ソフトバンク系ならソフトバンクのデータシェアプラス・ワイモバイルの子回線専用プラン(データシェアプラン)、auで併用したいのならタブレットシェアプラン、楽天モバイルならRakuten最強プラン データタイプなどが用意されています。
もちろん、物理SIM側の方はMVNOのデータ通信用SIMや買い切り型の大容量データ用SIMを使っていくのも問題ありません(MVNOキャリアによってはAPNを手動で設定する必要が出てくる場合もあり)。
【FS050Wを実際にしばらく使っていて気になったところ】
最後に、筆者が本機をしばらく使っていて気が付いた点をいくつか挙げてみようと思います。◯前モデルと違って公式のクレイドルなどが未発売
本機の前モデルである「F+ FS040W」には専用のクレイドルである、車載用カーキットと据え置き用ホームキットが販売されています。特に据え置き用ホームキットは有線LANポートと電源供給用のUSB端子が独立して搭載されていたため、「自宅や事務所内での通信はモバイル回線で行い、自宅・事務所からは有線LANで使う」といったことが簡単にできました。その後継モデルである本機も一部、他メーカー製のUSB接続タイプのLANポート変換ケーブルが利用可能で、これにスイッチングハブなどを併用することで、複数のPCに対して有線LANでのネットワーク接続ができるようになりますが、具体的にどのメーカーのものが対応しているかなどはユーザー自身で調べる必要があるため、公式のLANケーブル対応のクレイドルが発売されるのを待った方が良さそうです。
メーカーに問い合わせたところ、「FS050Wのホームキット・カーキットの発売は順次対応中でして、今の時点では未定なのですが、検討頂いているとの事でございましたら、弊社ホームページよりご確認頂ければと思います。」という返事が返ってきました。
発売時期については未定としながらも、対応していく予定はあるようなので、ここは期待して待ちましょう。
◯本機の手動バージョンアップが端末単体ではできない
少しマニアックな話になってしまうのですが、本機のソフトウェアアップデートは「手動アップデート」と「自動アップデート」の2つの方法があり、後者の自動アップデートは特に操作は必要とせず、アップデートが配信され次第、順次自動的に行われるので、特に気にする必要はないのですが、いち早くアップデートを適用させたい場合、本機の操作のみで実行することができず、この場合はスマホやタブレット、PCのWebブラウザーやAndroid、iOS向けに配信されている本機用のアプリを使っての手動操作で行うことになります。気長に待てはアップデートは順次適用されていくものなので、本当に重箱の隅をつつくようなレベルの話なのですが、個人的に気になったので、挙げさせていただきました。
【まとめ】
本機は適当なSIMを挿してのお手軽利用から、モード切り替えのほかに詳細な端末の動作設定を自由に変更するコダワリ設定までいける現時点で最もオススメできるモバイルルーターの一つといってもいいでしょう。大手MNOキャリアが販売しているようなミリ波への対応自体はありませんが、そもそも現時点ではミリ波に対応した5Gサービスエリアも少なく、恩恵を得られる場所はわずか。
一方で、5G SA(スタンドアローン)での通信には対応しているなど、5Gのミリ波以外のネットワーク対応については一通り網羅しており、これからモバイルWi-Fiルーターを買って使おうという人には現時点での最もおすすめできる1台となっております。
メーカー製のクレイドルなどはこれから登場すると思われるので、それらにも期待しつつ、筆者個人的にも今後もがっつりと使っていきたいモバイルルーターだと思います。

【あす楽対応 新品 送料無料】365日出荷 富士ソフト +F FS050W本体+F FS050WMB1 【当店限定特典 メーカー純正ACアダプター PD対応USBケーブルプレゼント】SIMフリー モバイルルーター 本体単体で最大接続台数32台 最大速度2.8Gbps 802.11AX(Wi-Fi6)対応 日本語 英語 中国語
記事執筆:河童丸
■関連リンク
・エスマックス(S-MAX)
・エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter
・S-MAX - Facebookページ
・+F +F FS050W 関連記事一覧 - S-MAX
・モバイルルーター +F +F FS050W|富士ソフト株式会社
テザリングで30GB使えなかったですが
+F FS050Wでもテザリングで30GBそれとも
データ無制限ですか、