楽天モバイルがプラチナバンド(700MHz帯)を獲得! |
総務省は23日、700MHz帯における移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画の認定について電波監理審議会に諮問したところ、原案を適当とする旨の答申を受けたため、これを踏まえて条件を付した上で申請のあった楽天モバイル1者の開設計画に対して周波数を指定して総務大臣が認定を行ったと発表しています。
これを受けて楽天モバイルは23日、総務大臣より認定されたことによって700MHz帯(3MHz幅×2)を活用したモバイルネットワークの構築を開始してより高品質な通信環境の実現をめざすと発表し、開設計画においては各種準備作業日程などを考慮して期日を設定しているものの、できるだけ早期の運用開始をめざして準備を進めていくと発表しています。
新たに楽天モバイルに割り当てられた周波数帯はプラチナバンドと呼ばれる低周波数帯である700MHz帯における715〜718MHzおよび770〜773MHzの狭帯域3MHz幅×2で、4G LTEではBand 28として利用し、楽天モバイルでは完全仮想化などの独自のネットワーク技術および既存の基地局設置場所を生かしてコストを抑えた効率的な基地局開設を行っていくとしています。
楽天モバイルは日本国内における公正な競争環境の確保ならびに通信ネットワークの構築・整備のためにこれまでにプラチナバンドとも呼ばれる700〜900MHz帯といった低周波数帯の割当を希望しており、そうした中で総務省では700MHz帯における狭帯域3MHz幅による移動通信システム普及のための特定基地局開設計画の募集を行ったところ、楽天モバイル1者のみが認定申請をしていたため、総務省では同社に審査・ヒアリングを行った上で10月23日付で総務大臣より当該計画の認定を行いました。
割り当てられた770〜773MHz帯は移動通信システムの仕様の検討・作成を行う標準化プロジェクトである「3GPP」においてBand 28に内包されているものの、既存のNTTドコモやKDDI・沖縄セルラー電話、ソフトバンクに割り当てられているBand 28(700MHz)と隣接システム(特定ラジオマイク、地上デジタルテレビ放送、 ITS)との間に未利用の周波数が存在していましたが、狭帯域であることや隣接システムへの影響が考えられたため、それらの技術的検討を行った上で割り当てることが提案されていました。
その後、総務省では技術的に割当が可能であると判断して特定基地局開設計画の募集し、楽天モバイル1者が申請を行っていました。楽天モバイルが申請した解説計画ではサービス開始を2026年3月頃を予定し、認定期間終了時(2033年度末)の特定基地局の開設数(全国)が1万661局、人口カバー率(全国)が83.2%、道路カバー率(全国)が33.5%、面積カバー率(全国)が14.4%、特定基地局開設料が年間9億円、特定基地局の整備投資額(2033年度末までの累計)が544億円となっています。
また同社がすでに割り当てられている周波数帯との組み合わせとして認定期間終了時の基地局数(屋外開設数)としてSub6(3.7GHz帯)が1万8254局、ミリ波(28GHz帯)が9059局となる計画だとし、2026年度に単年度での黒字化をめざすことが示されています。なお、楽天モバイルは参入当初より「携帯市場の民主化」を掲げており、今後も通信環境のさらなる改善を進め、利用者に安定的かつ高品質なサービスを提供することを通じて通信インフラ事業者としての社会的意義を果たしていくということです。
記事執筆:memn0ck
■関連リンク
・エスマックス(S-MAX)
・エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter
・S-MAX - Facebookページ
・楽天モバイル 関連記事一覧 - S-MAX
・総務省|報道資料|700MHz帯における移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画の認定
・特定基地局開設計画(“プラチナバンド” 700MHz帯割当)の認定について | 楽天グループ株式会社
・楽天モバイル