Wi-Fi専用タブレットと組み合わせて203Zを徹底活用

ソフトバンクモバイルのモバイルWi-Fiルーター「Pocket WiFi 203Z」(以下、203Z)の連載レビュー、今回は、最終回として、実際にスマートフォンやタブレットと組み合わせて日常生活の中で活用して気づいた点をいくつか紹介していきます。

モバイルWi-Fiルーターはしょせん単なる通信機器で、どれも大した変わらないだろうと思っていましたが、203Zには便利に活用できる機能がいろいろと備わっていました。

電源ONのまま1日活用できる

203Zは大容量(5000mAh)のバッテリーを搭載し、スペック上の利用時間は、連続14時間となっています。実際に、203Zに「Nexus 7」(2012年モデル、32GB、Android 4.3)と「iPhone 5」(32GB、iOS 6.1.4、SoftBank)を接続した状態で平日1日(12時間程度)運用してみたところ、バッテリー残量表示は50%(この日の通信量は100MB程度)でした。接続する端末数や通信量にもよりますが、203Zならば「1日電源ONのままカバンの中に放置」という運用が実現できそうです。

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1日使用しても余裕のあるバッテリー残量

スマートフォンやタブレットを充電できるモバイルバッテリーにも

203Zはその大容量バッテリーを生かして、外部機器にUSB経由で電力を供給することができます。実際に電池残量5%程度のiPhone 5を電池残量100%の203Zで充電したところ、2時間程度でiPhone 5をフル充電することができました(このとき203Zの電池残量は60%)。

203Zは自身の電池残量が30%になるまで外部機器に電力を供給できるため、iPhone 5を1.5回以上充電できる計算になります。もちろんその分203Z自身の使用時間は減ることになりますが、緊急時の対応用としては非常に便利です。

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モバイルバッテリーとしてiPhone 5を充電中

リアルタイム更新される管理Webページでスマートフォンから情報確認

モバイルWi-Fiルーターは、カバンなどに入れて運用することが多いため、スマートフォンやタブレットなどからモバイルWi-Fiルーターの状況を確認できると便利です。専用のアプリが用意される場合もありますが、203Zの場合はスマートフォン用の管理Webページが用意されており、電池残量や電波状況、通信量などをWebブラウザで確認することができます。このWebページは再読み込みしなくても情報がリアルタイムで更新され(*1)、アプリのような感覚で利用できます。また、203Zが備えるmicroSDカードリーダー機能もこのページから利用できます。

*1: Web技術的には「Ajaxを用いて動的にページを書き換える」処理によって実現されています。

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スマホ専用の管理Webページは通信量や電波状況などをリアルタイムに反映(写真=左)、設定メニューは不便しない程度にそろっている(写真=右)
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機器の基本的な状況をスマートフォンで確認できる(写真=左)、203ZにセットされたmicroSDカードの内容を表示可能(写真=右)

7GB/月の通信量制限あり、動画に注意

これは203Zという機種の問題ではなく、ソフトバンクモバイルが提供する通信サービスの仕様になるのですが、1カ月の通信量が7GBを超えた場合、請求月末まで通信速度が送受信時最大128kbpsに制限されます(現状DATA MAINのみ、2014年1月からDATA SUBも対象)。速度制限を解除するためには2Gバイトごとに追加で2,625円(税込)を払うことになります。

通信量の目安を知るために、203Zに接続したiPhone 5で8分程度のYouTube動画を閲覧したところ、100MB程度の通信が発生しました。単純計算では9時間程度のYouTube動画閲覧で通信量が7GBに達することになります

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動画は短時間で大量の通信を発生させるので注意が必要

7GB/月という通信量制限が問題になるかどうかは利用方法によりますが、203Zには現在までの通信量を本体画面および管理Webページに表示する機能が備わっているため、利用者が「気を付けて」使うことができるようになっています。

203Z総括~重さと通信量制限が気にならなければ買い

今回まで全3回にわたり203Zをレビューしてきましたが、ここで総括をしておきたいと思います。203Zは「SoftBank 4G」や「ULTRA SPEED」、イー・モバイルのLTE・3G回線など複数のネットワークを活用できる一方、大容量バッテリーによる長時間駆動や給電機能、スマホで便利に使える管理Webページ、簡単な設定が本体だけでできる画面とタッチボタンなどを備え、モバイルWi-Fiルーターの本分といえる通信機能と、利用者にやさしい便利機能をバランスよく備えた機種と言えます。

一方、大容量バッテリー搭載の結果大きく重くなった本体と、7GB/月の通信量制限は本製品のネガティブ要因です。逆に言えば、ネガティブ要因を知った上で利点を生かす使い方ができるならば、203Zはあなたのインターネットライフをより豊かにしてくれるのではないでしょうか。


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