UQ、新データ通信サービス「WiMAX 2+」を10月31日に開始!

UQコミュニケーションズが9月30日に新しいデータ通信サービス「WiMAX 2+」のサービスインに関する記者発表会を行った。WiMAX 2+に対応したモバイルWi-Fiルーター「Wi-Fi WALKER WiMAX2+ HWD14」(ファーウェイ製)を10月31日(木)に発売開始するのと同時にサービスが開始される。

利用料金も2年契約という形式になったものの従来のWiMAXサービスと同様の月額3,880円と変わらず利用できるほか、WiMAXサービスの特長であった通信制限のない「NO LIMIT」も基本的には死守した形となった。

本記事では、発表会のレポート記事を振り返りながら、新しく開始されるUQのWiMAX 2+サービスの内容を紹介していく。

◯WiMAX 2+サービスとは?
WiMAX 2+は、新しく総務省から割り当てられたBWA用2.5GHz帯20MHz幅を利用し、世界的に急速に普及しだしている通信規格「TD-LTE」方式に互換性を持たせた「WiMAX Release 2.1」を中心に、既存のWiMAXサービスに加え、親会社のKDDIがau向けに提供する「FDD-LTE」方式(サービス名「4G LTE」)も利用できるトリプルネットワークサービスとなる。
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【各通信方式における通信速度】
・WiMAX方式:下り最大40Mbps、上り最大15.4Mbps
・WiMAX Release 2.1方式:下り最大110Mbps、上り最大10Mbps
・FDD-LTE方式:下り最大150Mbps、上り最大12Mbpsなど


◯利用料金や通信制限は?
利用料金プランもWiMAX 2+向けに新料金プラン「UQ Flatツープラス」および「LTEオプション」、「UQ Flatツープラスおトク割」を提供する。WiMAXとWiMAX 2+は、基本料月額4,405円(2年契約)におトク割で毎月525円(25カ月間)が適用され、これまでと同じ月額3,880円で両通信サービスを通信速度制限およびデータ通信制限なく2年間使い放題できる。

また、au 4G LTEは利用月のみプラス1,055円がかかり、月7GBまでのデータ通信制限によって、これを超えると通信速度が制限され、上下最大128Kbpsになる。

さらに、2015年4月以降は、当日を含まない直近3日間のデータ通信量(WiMAX 2+およびLTE)が1GB以上になると、WiMAX 2+やLTEで終日通信速度制限が適用されることがあるとのことだ。

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【WiMAX Release 2.1およびWiMAXを利用する場合】
UQ Flatツープラス:4,405円/月
UQ Flatツープラスおトク割:-525円/月
———————————————————
合計料金:3,880円/月

【FDD-LTEを利用する場合(利用月のみ)】
UQ Flatツープラス:4,405円/月
UQ Flatツープラスおトク割:-525円/月
LTEオプション:1,055円/月
———————————————————
合計料金:4,935円/月


注意点としては、UQ Flatツープラスの2年契約の場合には、2年以内の解約には解除料がかかること。解除料は利用期間によって以下のように変更される。なお、UQ Flatツープラスを2年契約しないと月額5,455円となる。

【UQ Flatツープラス2年契約の契約中解除料】
契約から最初の12ヶ月間:19,950円
13ヶ月目 ~ 24ヶ月目:14,700円
25ヶ月目以降:9,975円


◯WiMAX 2+対応機種
WiMAX 2+に対応した製品として新しくサービスインと同時にファーウェイ製モバイルWi-FiルーターのWi-Fi WALKER WiMAX2+ HWD14(以下、HWD14)が発売開始される。特長としては、2.4インチのタッチパネル搭載で直感的なタッチ操作ができるようになっているほか、置くだけで手軽に充電できる非接触充電「Qi(チー)」対応や電源をオフにした状態から約5秒で快速に起動できる「クイック起動」と便利に利用できる機能を搭載している。
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WiMAX 2+がトリプルネットワークサービスとなっているため、HWD14はWiMAX Release 2.1およびWiMAX、FDD-LTEの3方式に対応し、それぞれを組み合わせた以下のような3つのモードを手動で切り替えて利用できるようになっている。

【WiMAX 2+の利用モード】
1)ノーリミットモード(WiMAXのみ):通信制限なし
2)ハイスピードモード(WiMAXおよびWiMAX 2+):2年契約終了までは通信制限なし(3年目以降は、月7GBまで)
3)ハイスピードプラスエリアモード(WiMAX 2+およびau 4G LTE):通信制限が月7GBまで(超過後は通信速度が上下最大128Kbpsに制限)

本体価格は、新しい料金プラン「UQ Flatツープラス」および「UQ Flatツープラスおトク割」を利用時に、直営Webストア「UQオンラインショップ」にて2,800円となる。


◯WiMAX Release 2.1対応エリアは?
WiMAX Release 2.1対応エリアおよび基地局設定計画では、10月31日のサービス開始時には東京都内の環状7号線(東京都道318号線、通称「環七」)の内側に約1000局、2013年度(2013年3月末まで)内に東名阪で約7000局、そして、2014年度末までに全国へ展開し、2015年度以降に現行WiMAXサービスと同等の約2万1000局に増加させ、その後もさらなる拡大を予定している。

人口カバー率では、2013年度末に44%、2014年度末に70%を予定。なお、総務省に提出した事業計画では、2013年度末に44%、2014年度末に77.7%、2015年度末に93.3%となっている。なお、発表会の質疑応答では、「WiMAX 2+をどんどん使っていただいて、エリア拡大はできるだけ前倒しできれば良い」と回答している。

詳細な対応・対応予定エリアについて「サービスエリア|UQ WiMAX - ワイヤレスブロードバンドで高速モバイルインターネット」から参照できる。


◯その他気になる点は?
その他、WiMAX 2+サービスでは、従来のWiMAXサービスから完全に違うサービスとなるためこれまでと違う点などがある。特に、WiMAXでは機器のMACアドレスで認証などの管理を行っていたが、WiMAX 2+では携帯電話などと同様にUSIMカードに対応する。

提供するUSIMカードは、当初、microSIM(3FF)の1種類で、HWD14(microSIMカードスロット搭載)はSIMロックがかかっている。また、機器追加オプションやファミ得パックへの対応は未定ながら、発表会では「今後、USIMカードを使って認証するUQの他の機器で使えるようにすることも今後検討したい」と回答していた。

この他、事前に登録されたIMEI(端末識別番号)による利用可能制限も行われるほか、児童向けのフィルタリングサービスも提供されることが明らかになっている。


◯今後の計画
WiMAX 2+の今後の計画について、サービス開始時には新しく割り当てられた20MHz幅を利用し、2×2 MIMOによって下り最大110Mbpsのデータ通信サービスとなっている。また、2014年にはマルチアンテナ技術(MIMO)を4×4にし、下り最大220Mbpsに、その後、現在WiMAX方式で利用している周波数帯のうち20MHz幅をWiMAX 2+に割当、キャリア・アグリゲーション(CA)を行い、変調方式に256QAM(さらなる多値化)、MIMOを8×8に、さらにモバイルWiMAXの残りの10MHz幅もCAで利用し、2017年には下り最大1Gbpsを越えるモバイルデータ通信ネットワークを実現する計画となっている。

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記事執筆:S-MAX編集部


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