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既報通り、NTTドコモが11月26日より最新スマートフォン(スマホ)「iPhone XR」(Apple製)の新規契約および他社から乗り換え(MNP)において割引施策「端末購入サポート」の対象機種に追加した。また同時に同日から新たに「iPhoneデビュー割」も実施され、さらに公式Webストア「ドコモオンラインショップ」では以前より実施されている「オンラインショップ限定特典」も併用可能だ。

これにより、新規契約・MNPなら購入時に本体代が直接大幅に割り引かれ、特にドコモオンラインショップでiPhone XRを購入する場合、端末購入サポートおよびiPhoneデビュー割、オンラインショップ限定特典の3つの割引が適用され、2018年11月26日以降の割引額は全容量で合計72,576円となり、本体代が最も安い64GBモデルなら98,496円が25,920円となっている。

一方で一部で11月26日からは(主に)端末購入サポートの適用によって、本体代の一括価格が大幅に割引されるにも関わらず、実際に割引が増額されたのは、新設されたiPhoneデビュー割による8,424円のみと紹介する記事が公開されている。果たして本当にそうなのだろうか?

月々サポートと端末購入サポートの違いをしっかりと把握することで、今回のiPhone XRの端末購入サポート対象機種への追加が単に割引額が8,424円増額されただけではないと思われるため、そのあたりについて考察してみた。

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「端末購入サポート」割引適用後のiPhone XR本体代金(64GBモデル)


【ドコモオンラインショップにおける「iPhone XR」の新規契約・MNPの税込価格(11月26日〜)】
機種容量本体価格端末購入サポート
(解除料)
iPhoneデビュー割オンラインショップ限定特典支払額
iPhone XR
iphonexr
64GB

購入する

98,496円(分割4,104円/月×24回)-58,968円
(29,484円)
-8,424円-5,184円25,920円(分割1,080円/月×24回)
128GB

購入する

104,976円(分割4,374円/月×24回)32,400円(分割1,350円/月×24回)
256GB

購入する

116,640円(分割4,860円/月×24回)44,064円(分割1,836円/月×24回)


今回の端末購入サポートについて、より正確に表現するなら、「端末代金が5万8968円安くなる代わりに、通信料金が5万8968円高くなる」とするのが適切だろう。
(略)
したがって、今回の値引き額は8424円にとどまるといえる。

「iPhone XR大幅値下げ」に待った 「見せかけの値引き」カラクリを解説 (1/2) – ITmedia Mobileより

上記のITmediaなどが「iPhone XR大幅値下げ」に疑問を投げかけている。確かに割引額だけで言えば、月々サポートによる割引額の総額は58,968円なので、端末購入サポートの割引額である58,968円と同額で、オンラインショップ限定特典は以前より実施されていたため、引用部分でも紹介されているように増額されたのはiPhoneデビュー割の8,424円にとどまる。

ただし、月々サポートと端末購入サポートは、割引を満額受取するために必要な期間が異なるため、そもそも2年間使った時点での実質負担額だけで比較するのはナンセンスだ。端末購入サポートでは購入月の翌月から12ヶ月後、つまり購入月の13ヶ月後以降であれば解除料がかからなくなり、ペナルティーなしで次の機種機種変更や回線解約などが行える。

【端末購入サポートでは1カ月あたりの割引額は月々サポートのときの2倍に】

例えば、iPhone XRを端末購入サポート適用で2018年11月中にを購入する場合、端末購入サポートの違約金が発生しないタイミングで機種変更ができるタイミングは2019年12月となる。なお、ペナルティーとなる解除料は規定利用期間中は一律で割引額の半額となっている。

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NTTドコモの端末購入サポート適用時の「規定利用期間」

つまり、13カ月間の間に端末購入サポートで58,968円相当の割引が適用されるため、月々サポートの2,457円/月と比べると、1カ月あたりの割引額は4,914円/月の計算になる。なお、ここではあくまで月々サポートと端末購入サポートの違いなので、増額されたiPhoneデビュー割とオンライン限定特典は除外して考えている。

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端末購入サポートと月々サポートの割引額(累計)

また購入時に本体代が一括値引きされる端末購入サポートと異なり、月々サポートの割引は製品購入から24カ月間に渡って適用されるため、仮に月々サポートが20回適用された時点で機種変更をすると、残りの4回分の割引(9,828円)は適用されない

このように「端末購入サポート」による割引額と「月々サポート」による割引額がたとえ同一であっても1カ月あたりの割引額で考えると、基本的には端末購入サポートによる割引の方が有利と言える。

仮に端末購入サポートを適用して機種を購入してから13カ月間が経過後、タイミング良く「docomo with」対象機種に一括1円で機種変更をすると、残りの11カ月間の間に合計17,820円(-1,620円/月)の割引が適用される。機種変更手数料などは割愛するが、購入したdocomo with対象機種を売れば、手数料以上となるはずだ。

また2019年秋頃にiPhoneの新モデルが発売されたとしてその機種への機種変更が(ペナルティーなしで)できるようになるのも端末購入サポートなら2019年12月のため、この点でも月々サポートによる割引と比べると有利となる。

もちろん、端末購入サポートの対象機種を購入後、ITmediaの仮定のように同一機種を24カ月間使い続ける場合なら端末購入サポートが適用されることによるメリットは薄い。この点で言えば、端末購入サポートによる割引のメリットは以下のようになる。

・本体の一括価格が割安になる
・分割払いの審査が通りやすくなる
・次回機種変更できるタイミングが早くなる(割引の取りっぱぐれなしに)

このようなことからNTTドコモに新規契約・MNPするのであれば、端末購入サポートで一括価格が割引されるiPhone XRを買うのは(従来の月々サポートよりも)有利なタイミングと言えるので購入を検討している人は自分のケースに当てはめてみて欲しい。



記事執筆:shimajiro@mobiler


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【ドコモ】iPhone XRの値下げは「見せかけ」か?見落とされる「1カ月あたりの割引額」は2倍に

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