グーグルの最新スマホ「Pixel 3」と「Pixel 3 XL」が日本上陸!11月1日に発売

既報通り、グーグル(以下、Google Japan)は10日、都内にて「新製品記者発表会」を開催し、最新プラットフォーム「Android 9.0(開発コード名:Pie)」を搭載した最新スマートフォン(スマホ)「Google Pixel 3」(以下、Pixel 3)および「Google Pixel 3 XL」(以下、Pixel 3 XL)を2018年11月1日(木)に日本で発売すると発表した。

Pixel 3とPixel 3 XLの違いはすでに紹介しているように主に画面とバッテリー容量だ。共通するスペックはQualcomm製オクタコアCPU「Snapdragon 845(SDM845)」や4GB内蔵メモリー(RAM)、64または128GB内蔵ストレージ、おサイフケータイ(FeliCa)、防塵・防滴などとなる。

Androidの開発・提供元であるGoogleが2016年から投入している自社開発の「Pixel」シリーズのスマホはこれまで日本では発売されてこなかったが、3世代目でついに日本で発売されることになった。しかも、日本でニーズの高い「おサイフケータイ(FeliCa)に対応して」だ。

日本ではGoogle Japanの公式Webショップ「Google ストア」で取り扱うSIMフリー版のほか、NTTドコモおよびSoftBankもそれぞれ取り扱い、すでにGoogle ストアでは10月10日より予約販売が開始され、NTTドコモとSoftBankでも10月19日より予約受付が実施されている。

なお、NTTドコモとSoftBankが取り扱うPixel 3シリーズはSIMロック版となり、SIMロック解除に対応する。価格も以前にまとめているようにGoogle ストアではPixel 3が95,000円から、Pixel 3 XLが119,000円からとなっている。

なお、KDDIではPixel 3とPixel 3 XLをauの相互接続性試験(IOT)をクリアしていることを公開しているため、SIMフリー版やSIMロック解除を行った状態ではau回線でも利用可能だ。

今回はそんなPixel 3およびPixel 3 XLについて発表会の展示会場で実機をタッチ&トライし、さらに貸出機も届いたので機能紹介や外観などを写真と動画で紹介していく。

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発表会ではまずPixel 3およびPixel 3 XLの製品説明に同社のGoogle Pixel担当 シニアディレクターを務めるナンダ・ラマチャンドラン氏が登壇し、日本でのPixelのローンチに向けて「3年以上入念な準備をして参りました。我々にとっての特別な1日です」と話した。

Googleでは日本で発表会が行われた前日の10月9日(現地時間)にアメリカ・ニューヨークにてPixel 3およびPixel 3 XLの発表会を行っており、そこでも同機が「ソフトウェア」と「ハードウェア」、そして「AI(人工知能)」を掛け合わせた製品で、同社ではこれらの開発を突き進めていることが紹介された。

具体的には翻訳サービス「Google翻訳」や検索サービス「Google検索」においては音声入力の認識技術を向上させているほか、画像検索においても従来は画像に付随するメタタグや周辺のテキストから検索を行ってきていたが、写真そのものからその中に何が写っているのかを分析する技術を開発。

この3つのテクノロジーによってリアルタイムの翻訳、音声認識、画像認識を生むことができるようになったという。

そして大きなブレイクスルーはハードウェア単体ではなく、AIとソフトウェア、ハードウェアの3つが掛合わさってもたらされるという。これのアプローチによってGoogleのハードウェア体験があらゆる役に立つ機能として解放されると語った。

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続いて、各機種の紹介に移るが、Pixel 3の画面は約5.5インチFHD+(1080×2160ドット)フレキシブルOLED(有機EL)で、縦横比9:18の縦長ながらノッチなし角丸の表示となっている。サイズは幅68.2mm×高さ145.6mm×厚さ7.9mm、重さ148g、バッテリー容量は2915mAhだ。

Pixel 3およびPixel 3 XL共通の仕様としてスーパーハイコントラスト比100000:1となっていることに加え、HDR(UHDA認証)をサポートする。

また外装は前面のガラスが「Gorilla Glass 5」(Corning製)、背面がソフトタッチガラスのGorilla Glass 5であり、側面はハイブリッド コーティング加工されたアルミ製フレームだ。本体カラーも両機種ともに「Clearly White」および「Just Black」、「Not Pink」の3色がラインナップされている。

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一方、Pixel 3 XLの画面は約6.3インチQHD+(1440×2960ドット)フレキシブルOLED、縦横比は9:18.5とPixel 3より若干縦長で上部にノッチ(切り欠き)がある。ノッチ部分には、Pixel 3と共通の約800万画素F2.2広角・F1.8標準カメラ、スピーカー、近接センサーがある。

サイズは幅76.7mm×高さ158.0mm×厚さ7.9mm、重さ184g。バッテリー容量は3430mAhである。なお、ディスプレイの周りの縁(ベゼル)は両機種ともに黒1色であり、Pixel 3 XLのノッチ部分も各色ともに黒となっている。

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背面のリアカメラも両機種共通で約1220万画素CMOS+F1.8レンズのシングルカメラだ。イメージセンサーはデュアルピクセルとなっており、像面位相差オートフォーカス(PDAF)や光学式・電子式手ブレ補正をサポートし、スペクトルセンサーおよびフリッカーセンサーを搭載する。

生体認証は背面の指紋センサーのみ。また指紋センサーはスワイプ操作で通知エリアの操作に対応する。

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Pixel 3シリーズのカメラ機能もハードウェアおよびソフトウェア、AIによって大きく進化している。中でもゼロシャッターラグのHDR+は、短い露光時間で複数枚の写真を撮影し、美しい写真になるよう輝度や彩度などを高速に処理する。この処理にはPixel専用の「Pixel Visual Core」チップで、複雑な映像処理を行っているという。

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さらに最高のカメラがあってもシャッターチャンスを逃しては意味がないということで、シャッターを押した前後から最適なシーンを選んでくれる「トップショット」機能を搭載する。

これはAIが集合写真などで全員が目を開けているシーンを検出したり、一番良い笑顔の瞬間を検出したりするというもの。この技術はゼロシャッターラグのHDR+の機能をベースに画像認識を高速で処理することで実現しているようだ。

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背面のカメラはシングルカメラだが、前面のカメラは標準レンズカメラと広角レンズカメラを搭載したデュアルカメラとなっている。自撮り用の視野75°の標準カメラには位相検出オートフォーカスを搭載。グループショットにも使える広角カメラは視野97°で被写界深度が深いため固定フォーカスである。

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AR技術である「Playground」機能は、MARVELのキャラクターなどと写真撮影が可能だ。AIで被写体を認識するため、ARキャラクターとあたかも2ショット写真を撮っているような演出が可能である。前面カメラの場合は、ARキャラクターが自分の後ろに重なって表示されるなど、距離と被写体の認識がリアルタイムで行われる。

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画像認識を便利に使えるようにした「Googleレンズ」は、カメラをかざすと様々な被写体を認識し、その被写体について教えてくれる。カメラを使ったGoogle検索機能である。この機能は今後進化していくので、さらに高精度な検索結果が得られるようになるだろう。

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画像認識技術は子どもやペットの動きを追従する「モーションオートフォーカス」としても利用されている。この機能は静止画だけではなく動画でも利用可能だ。動画撮影中にフレームから出てしまうと機能が解除されるが、再度タップして被写体を認識させることで引き続きモーションオートフォーカスが機能する。

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被写界深度のコントロール可能なポートレートモードは、シングルカメラで実現している。これはニューラルネットワークが映像からどのピクセルが人で、どのピクセルが人でないのかを判断することで実現しているという。

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発表会ではカメラ機能だけではなく、Pixel 3シリーズの便利な使い方についても紹介していた。その中でもAndroid 9 Pieで新たに追加された端末をどれだけ使っているのか、または端末を使いすぎないよう制限を掛けることができるダッシュボード機能「Digital Wellbeing」機能が利用可能だ。

現在は既存のPixelシリーズにのみベータ機能として提供されており、日本向け製品ではPixel 3とPixel 3 XLではじめて利用できるようになる。これにより、アプリごとに利用時間を制限することや通知やマナーモードをコントロールする「おやすみモード」、画面を下向きに置くことでマナーモードとなる「Shhh」など、スマホの通知と距離を置くことで時間を有効に使えるという機能である。

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最後に日本向けの機能として「おサイフケータイ(FeliCa)」にも対応することが説明された。日本向けのPixel 3およびPixel 3 XLには「おサイフケータイ」アプリがプリインストールされているので、Suicaや楽天Edyなどを登録、もしくは移行して利用可能だ。また、Googleの電子決済サービス「Google Pay」にも対応する。

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その他の共通仕様は、IEEE802.11a/b/g/n/ac準拠の無線LAN(Wi-Fi)およびBluetooth 5.0 LE、位置情報取得(A-GPS・GLONASS・Galileo)、加速度センサー、ジャイロセンサー、近接センサー、周囲光センサー、磁力センサー、気圧センサー、Active Edge、Android センサーハブ、USB Type-C端子となる。

なお、microSDカードスロットや3.5mmイヤホンマイク端子は非搭載で、USB Type-C端子から3.5mmイヤホンマイク端子への変換アダプターが同梱される。携帯電話ネットワークにおける対応周波数帯は以下の通りで、NTTドコモでは下り最大784Mbpsおよび上り最大75Mbpsで利用可能だ。

FDD-LTE: 対応バンド⁷ 1*/2*/3*/4*/5/7*/8/12/13/17/18/19/20/21/25/
26/28/29/30/66
TD-LTE: 対応バンド* 38 / 40 / 41* / 42*
UMTS / HSPA+ / HSDPA: バンド 1 / 2 / 4 / 5 / 8
WCDMA: W1 / W2
GSM / EDGE クアッドバンド(850、900、1800、1900 MHz)

おサイフケータイに対応したことで、日本の他のハイエンドスマホと遜色なく使えるほか、他のAndroid搭載機にはない3年間のOSバージョンアップとセキュリティーパッチの提供は魅力的だが、一方で本体価格では95,000からと高額だ。

最近ではiPhoneの新機種も同様にかなり高額なため、値下げされたiPhoneの旧機種やコストパフォーマンスの高さを売りにするエントリーからミッドレンジクラスのAndroidスマホに人気が移っているだけにどれだけ売れるか気になるところだ。最後にPixel 3シリーズの機能や開封とベンチマークテストを動画で紹介しておく。


動画リンク:https://youtu.be/18rPRmqivpw


動画リンク:https://youtu.be/d00C0g3L0j4

Pixel 3シリーズの良さは、シンプルなハードウェアと最新のソフトウェアとAI、そして最新のAndroidが利用できるところだ。一方、素のAndroidに近いため、片手操作モードやナビゲーションバーの切替など、これまで他社製スマホで便利に使ってきた機能がないことがデメリットと感じるかも知れない。

スマホを使いこなせるユーザーにとってPixel 3シリーズは、シンプルでカスタマイズのしがいがあるスマートフォンであるが、初心者には使い方のサポートが素っ気なさ過ぎる点と、Android 9 PieのUI(ユーザーインターフェイス)がこれまでと大きく異なることで戸惑ってしまいそうでもある。





記事執筆:mi2_303


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