AQUOS sense4の気になるポイントをチェック!ベンチマーク性能やカメラ機能など

既報通り、NTTドコモから4Gに対応したスタンダードスマートフォン(スマホ)「AQUOS sense4 SH-41A」(シャープ製)が11月6日より順次発売されました(通常カラーは11月16日発売、公式Webストア「ドコモオンラインショップ」限定カラーのレッド、ブルー、イエローは11月6日発売)。

価格(金額はすべて税込)はドコモオンラインショップなどの直営店では本体価格が37,224円で、他社から乗り換え(MNP)では16,500円が割り引かれて20,724円となっており、手の出しやすい価格でながら過不足のないスペックや三眼カメラ搭載など、シャープの人気スタンダードモデル「AQUOS sense」シリーズの4代目として着実な進化を遂げた1台となっています。

またNTTドコモに続いてデュアルSIMに対応したSIMフリーモデル「AQUOS sense4 SH-M15」も量販店やECサイト、仮想移動体通信事業者(MVNO)から11月27日より順次発売されることが発表されました。SIMフリーモデルの価格も市場想定価格が3万円台半ばで、予約注文を受け付けているヨドバシ.comなどの量販店では税抜35,900円(税込39,490円)の10%(3,949イント)還元で実質35,541円相当となっています。

そんなAQUOS sense4ですが、筆者もレッドがあるということでドコモオンラインショップ限定カラーを購入し、前回の記事では開封から外観、プリインストールアプリの紹介をお送りしましたが、本記事ではベンチマークアプリを利用して本機の性能を確認しつつ、トリプルカメラとなった本機のメインカメラを試してみようと思います。

【ベンチマークアプリで基本性能をチェックする】

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端末のスペックを「CPU-Z」で確認したところ

まずはベンチマークアプリを使ってAQUOS sense 4の基本性能をチェックします。今回使用するベンチマークアプリは端末の総合性能をチェックする「PCMark」と、3D描画機能などのゲーミング性能を計測する「3DMark」。そして、演算機能などのCPU性能に絞った性能をチェックする「Geekbench 5」を使用しています。

その前にAQUOS sense4の基本スペックをおさらいしましょう。チップセット(SoC)はQualcomm製「Snapdragon 720G mobile platform(SM7125)」(2.3GHz×4+1.8GHz×4のオクタコアCPU)、内蔵メモリー(RAM)は4GB、内蔵ストレージは64GBを搭載し、ディスプレイ解像度はFHD+(1080×2280ドット)で、このあたりが本機の性能(ベンチマーク結果)に影響の出てくるところでしょうか。

なお、今回のテストではベンチマーク計測を3度行い、その中間値を参考データとして利用しています。それではさっそく、各ベンチマークの結果を見てみましょう。また3DMarkは新たに導入された「Wild Life」を試しています。

・「Geekbench 5」でCPU性能を計測

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Geekbench 5のテスト結果

まずCPU性能のみを計測する「Geekbench 5」の結果が上記となります。シングルコア・マルチコア性能の数値と、ランキング内の近似値を並べています。

シングルコアは562点で、近いスコアの製品としてはGalaxy S9やGalaxy S9+(ともにExynosモデル)の名前が確認でき、その少し上にPixel 4 XLがあります。マルチコアは1758点で、近いスコアのスマホを見ると、Galaxy S9の他にPixel 3やPixel 3 XLといったSnapdragon 845搭載モデルがちらほらと見受けられます。

純粋にCPU性能だけを見た場合であれば、一昨年くらいのハイエンド級の処理能力を有しているということになります。もちろん、スマホやタブレットの動作についてはその他の性能などの要素が大きく絡んではきますが、Galaxy S9やPixel 3もまだ利用している人も多いと思いますし、少なくとも現状では操作していて十分な性能があると感じます。

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ランキング内のシングルコア性能のスコアが近いスマホ


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ランキング内のマルチコア性能のスコアが近いスマホ


・「PCMark」で総合性能を計測

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「PCMark」の計測スコアとその近似スコアのスマホ

続いてベンチマークアプリの定番の総合的な性能をチェックする「PCMark」にてテストしてみました。PCMarkでの参考スコアは7227点で、こちらは近似値のスコアを持つスマホにPixel 3aやPixel 3a XLが確認できます。

Androidスマホとしては、これらの近似値のスコアのスマホがまだまだ現役で使える製品であり、AQUOS sense4も現行のトップクラスグループには届かないものの、普段使っていくには必要十分な性能であると思います。

・「3DMark」でゲーミングなどの画像処理能力を計測

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3DMarkの計測スコアとその近似値スコアのスマホ

ベンチマーク検証の最後は主にゲームアプリなどで重要となる3Dグラフィック処理能力をテストする「3DMark」でテストをします。利用するベンチマークは3DMarkで現在利用できる一番新しいベンチマーク機能「Wild Life」を使用しました。

3D画像処理はSoCにCPUとともに内蔵されているGPU」と「画面解像度」が主なポイントとなります。繰り返しますが、その他にも動作メモリーの速度や容量などの細かい要素もありますが、おおまかに言えばということで。

そのため、AQUOS sense4に搭載されているSoCのSnapdragon 720Gに収められているGPUは「Adreno 618」と呼ばれるミドルレンジ向けのGPUとなっています。なお、参考としてハイエンド向けSoCの「Snapdragon 865」のGPUは「Adreno 650」が内蔵されています。

3DMarkのWild Lifeにおけるスコアは784点で、3D画像処理性能については近似値は国内未発売の製品が多く、いまいち参考になりにくいかもしれません。

あくまでもWild Lifeでのテストにおける参考値ではありますが、ハイエンドモデルであるHUAWEI Mate 40 Pro(5278点・1位)やAQUOS R5G(3770点・9位相当)あたりにはまさに桁違いで遠く届きません。

これくらいのスコアであれば、カードゲームやテーブルゲームといった演出の軽いゲームアプリであれば特に問題もないものと思われますが、3Dモデルのキャラクターが動きまくり、派手なエフェクトが飛び交うような負荷の重いゲームアプリの場合は描画設定を軽くするなど、設定を適切に変更しないと快適に遊ぶにはかなり厳しいでしょう。なお、後述のSnapdragon Elite Gaming featuresにて改善がされる可能性があります。

一方で、AQUOS sense4はプレイ中の録画機能やゲームアプリ起動中の通知ブロック機能といったゲーミング設定対応のほか、GPUドライバーをGoogle Playストアから直接アップデートする「Snapdragon Elite Gaming features」の認定機種でもあり、ドライバーの更新によって最適化されることで画面描画能力などが改善する場合があるので、後になってスコアがさらに伸びる(ゲームプレイの快適性が上がる)という期待はあります。

なお、画像処理能力はゲームだけではなく、Google ChromeをはじめとしたWebブラウザーのWebページ描画能力などにも影響するので、ゲームアプリをあまり利用しない人にも少なくない恩恵があります。値ごろ価格なミドルレンジスマホではあるものの、GPUドライバー更新による伸びしろが用意されることで、製品寿命をさらに長いものとできそうなのは非常に高いポイントなのではないでしょうか。

【三眼仕様になったメインカメラ機能をチェック】

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AQUOS sense4はAQUOS senseシリーズでは初めてとなる約1200万画素広角カメラ(F値2.0)と約1200万画素超広角カメラ(F値2.4)、約800万画素望遠カメラ(F値2.4)のトリプルカメラで、光学最大2倍ズーム(デジタル最大17倍ズーム)、電子式手振れ補正搭載となっています。

画像処理エンジンはAQUOS R3以降のハイエンドモデルに搭載されている「ProPix2」を採用しており、AQUOS senseシリーズとしては大きく進化し、AQUOS Rシリーズにも搭載されている動画撮影中に自動で撮影中に写真を撮影する「AIライブシャッター」がAQUOS senseシリーズでは初めて搭載されました。

さっそくAQUOS sense4にていくつかの写真を撮影してきたので作例を見てみましょう。なお、掲載している画像は特に注釈がない限りはオート設定にて撮影し、画像のリサイズ(800×600ピクセルへサイズ変更)のみ行って掲載しています。

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AQUOS sense4にて撮影(日中・十分な明るさのある室内)

日中や明るい室内での撮影においてはまったく問題ないでしょう。ハイエンドモデルであるAQUOS Rシリーズと同じ画像処理エンジンを採用したことで、かなり鮮やかで自然な写真が撮れるようになっていると思います。

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夕方・屋外


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夜間・屋外

陽が沈みきってなければ、夕方の写真も問題なく写真は取れるのですが、やはり夜間・暗所の撮影はあまり得意ではないようです。

はっきりとわかるのは「暗い場所で撮影しようとすると、かなり強引に明るくしようとして不自然に明るくなったり、街灯の光を取り込みすぎて強調されすぎてしまう」といった点かと思われます。

そのため、あくまで個人的にはですが、オートモードでの夜間撮影にはあまり向いていないと判断せざるを得ないと思いました。

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食べ物の撮影(食べてるものが偏ってるなどのツッコミは不要です)

続いてはある意味、筆者にとっては一番利用機会が多いかもしれない食べ物の撮影です。撮影する場所の明るさに若干左右されるようですが、概ね良好な“メシテロ”が敢行できるような写真が撮れているように感じます。

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夜のイルミネーション

夜間の撮影ははっきりと不得意と言えるAQUOS sense4ですが、夜間のイルミネーションをとった写真はかなりキレイに撮れていました。極端に暗いところでは厳しいものの、夜間でも十分な光が取り込めれば、十分な写真が撮れるようです。

ただし、夜間のイルミネーション撮影を行う場合はなるべくまんべんなく光が入る場所に向かって撮るのがポイントで、撮影時に光の届いているところと暗い場所が同時に入るとその部分だけ、ノイズのようなものが入ってしまいます。

ちなみにオマケですが、マニュアルモードで本体をキチンと設定すれば、より鮮明で夜間の暗い場所でもしっかりと撮れることも確認しています。

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マニュアルモードにて撮影

特に夕暮れの写真は個人的にもかなり気に入っているのですがどうでしょうか……以上、少し長くなってしまいましたが、ベンチマークアプリによる性能チェックとメインカメラの写真撮影機能のレビューでした。次回は、本機をしばらく使っていて気が付いたポイントなどをお送りしたいと思います。


[Image] QRコードアプリ名:PCMark for Android Benchmark
価格:無料
カテゴリ: ツール
開発者:UL LLC
バージョン:2.0.3716
ANDROID 要件:5.0以上
Google Play Store:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.futuremark.pcmark.android.benchmark

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[Image] QRコードアプリ名:3DMark - The Gamer's Benchmark
価格:無料
カテゴリ: ツール
開発者:UL LLC
バージョン:2.1.4699
ANDROID 要件:5.0以上
Google Play Store:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.futuremark.dmandroid.application

btn_android



[Image] QRコードアプリ名:Geekbench 5
価格:無料
カテゴリ: ツール
開発者:Primate Labs Inc.
バージョン:5.1.1
ANDROID 要件:7.0以上
Google Play Store:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.primatelabs.geekbench5

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記事執筆:河童丸


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