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クアルコムの提案する置くだけ充電とは。

無線通信技術についての最新技術や製品などを展示するイベント「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2012(WTP2012)」が2012年7月5日(木)~6日(金)の期間でまで神奈川県・パシフィコ横浜 ホールCにて開催されています。

本記事では、WTP2012におけるクアルコム(Qualcomm)ブースにて展示されていた新しい非接触充電システムの「WiPower」が展示されていましたので紹介します。

■Qiとは異なる「磁界共鳴方式」
同じ非接触充電システムでもWiPowerは、磁界共鳴方式という仕組みであり、NTTドコモのおくだけ充電で採用されている電磁誘導方式の「Qi(チー)」とは互いに異なるメリット・デメリットがあります。

磁界共鳴方式では充電器から多少の距離があっても給充電が可能だというメリットがありますが、装置に組み込む場合に設計が大変だというデメリットもあります。

反対に、電磁誘導式は装置に組み込む場合、磁界共鳴方式に比べて比較的設計しやすいのですが、距離があると給充電できないということことが挙げられます。

国内ではQiや過去にパナソニック製DDIポケット向けPHSに採用されていたことなど、電磁誘導方式の方が馴染み深いと思います。

一方で、磁界共鳴方式は比較的最近になって実用化が始まった方式で、これからの伸びしろも大きい給電方式であると期待されています。

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今回展示されていた充電ユニットと、対応端末(GALAXY Tab 2 10.1やVerizon版「GALAXY S」「DROID RAZR」)


なお、端末や充電ユニットに電源が入っていないのは、総務省の日本国内では認可の下りていない用途の周波数を利用しているためで、実際には利用できるそうです。

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Verizon版GALAXY Sではオプションパーツの背面カバータイプになっておりUSB端子を利用して給電します。

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Verizon版DROID RAZRは最初からWiPowerに対応しており、そのままで置くだけの充電が可能。さらに3-4cmくらい離しても給電されるとのことです。

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AT&T版GALAXY Tab 2 10.1も標準でWiPowerに対応しておりそのままで充電ができます。

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WiPowerのアライアンスに参加している企業の一部。日本の端末メーカーが入ってないのは残念なところです。


なお、WiPowerで使われる周波数は現在、総務省に申請をかけている途中であるとのことです。

Qiともまた違う「磁界共鳴方式充電」のWiPowerですが、お互いが競争しあってよりよい充電環境ができてくるといいですね。

記事執筆:河童丸


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