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漫画でわかるスマートフォン! |
スマートフォン(以下、スマホ)やタブレットなどを使っていく上で、ヘルプや取扱説明書に記載されている用語にもよくわからないもの、知っておくと会話の種になるような豆知識などを4コマ漫画付きで紹介する特集「漫画でわかるスマホ&タブレット」。
第5回目の今回は、今やスマホでは当たり前の機能となった「テザリング」機能を紹介します。果たしてどんな漫画になるのか!?

■テザリングってなに?
テザリング(tethering)とは、過去の携帯電話やPHSにおいて携帯電話とパソコンを接続してパソコンでインターネットができる「モデム機能」や「パソコン接続によるデータ通信機能」に相当するものです。
スマホの回線を利用して、パソコンやゲーム機などそれ単体でインターネットに接続できる通信回線を持っていない機器をスマホのテザリング機能を使ってインターネット接続するというのが一般的ですが、スマホをスマホのテザリング機能で接続するという使い方もあります。
例えば、友達の使っているスマホが圏外で、自分のスマホがエリア内だっただったり、機種変更などで3GやLTEなどの通信回線を新機種に移してしまったスマホがあったりした場合、現在利用中のスマホのテザリング機能でインターネットに接続させることができます。
親側となるスマホのテザリング機能は、USB接続やWi-Fiによる無線接続によって数台の子供側となる機器が利用できます。つまり、ケーブルレスで何台ものWi-Fi搭載機器がネット接続することができるということです。
スマホの機能紹介やスペック表で、「Wi-Fiテザリング同時接続台数 最大○○台」といった表記を目にすることがありますが、これはテザリング機能を利用してインターネットに接続する外部のWi-Fi搭載機の端末が同時に何台まで接続できますよ、という意味なのです。
つまり、スマホ1台(1回線)あれば、パソコンやゲーム機、そのほかのスマホなど、いくつもの機器をインターネットに接続できてしまう、それがテザリング機能です。改めて考えると実はかなり凄い機能なんです。
ちなみに従来タイプのケータイでも、Wi-Fi機能を搭載していれば、スマホのテザリング機能を使って、スマホの回線でインターネット接続することも可能なのです。
と、ここまで読んで、それって「ルーター」のこと? と思った方は鋭いです!ここでいう「ルーター」は、「モバイルWi-Fiルーター」をさしています。
モバイルWi-Fiルーターは、イー・アクセスの「Pocket Wi-Fi(ポケット・ワイファイ)」をはじめとして、UQ WiMAXの「WiMAX Speed Wi-Fi(ワイマックス・スピード・ワイファイ)」、そして今ではNTTドコモやKDDI(au)、ソフトバンクモバイルなど、通信各社が専用製品を数多く販売しています。
スマホの「テザリング機能」と「モバイルWi-Fiルーター」は、できる事としては特に大きな違いはないので、「ルーター機能搭載スマホ」と呼ぶか、モバイルWi-Fiルーターを「テザリング専用機」と呼ぶかどちらかに統一した方が分かりやすいかもしれません。
昔から公衆無線LANを使っていた人にとっては、「持ち運びできる無線LANスポット機能」というと言い方もあり、こちらの方が伝わりやすいかもしれませんね。
■テザリングが使えなかった理由
今でこそスマホの標準の機能となりすつつあるテザリングですが、最初から使えた訳ではありません。使えなかった理由は2つあります。
1つ目は、スマホ側でテザリング機能に対応していなかったこと。2つ目は、キャリア(通信事業者)の事情により、テザリング機能を使えないようにしていたことです。
理由の1つ目は、スマホ本体にテザリングの機能が備わっていないためで、これは使えなくて当然です。例えば、iPhoneなどに採用されている「iOS」は、USBおよびBluetooth接続によるテザリング機能をバージョン3.0から搭載しましたが、Wi-Fiによるテザリング機能「パーソナルホットスポット」に対応したのは、バージョンが4.2.5からでした。Androidでは、バージョン2.2(開発コード名:Froyo)からテザリング機能に対応し、それ以前は非対応でした。
かなり早くからスマホ本体とOSはテザリング機能に対応していたにも関わらず、実は日本国内では使えなかったのですが、それは2つ目の理由があったためです。
テザリング機能は、パソコンや複数の機器がインターネットに接続できるため、同じ1回線であっても通信量自体が急に増大し、回線を圧迫して繋がりにくい状況が発生する可能性が高まります。
そこで、キャリア(通信事業者)は、回線品質の向上や、高速なWiMAXやLTEといった通信回線が提供できるまで、テザリングを一部の機種でのみ提供するようなを措置をとっていました。
国内のiPhone事情でいうと、LTEに対応していない「iPhone 4S」まではこのテザリング機能は使えず、LTE回線に対応した「iPhone 5」から利用できるようになりました。iPhone 5を発売するまでにソフトバンクやKDDI(au)がテザリングを解禁するかどうかが注目されたことも記憶に新しいところです。
■参考記事
・KDDI、下り最大75Mpbsの新サービス「4G LTE」を9月21日に開始!テザリング対応でまずは「iPhone 5」で利用可能 - S-MAX - ライブドアブログ
・ソフトバンク、iPhone 5によるテザリング機能を2013年1月15日から提供!まずはキャンペーンで2年間無料 - S-MAX - ライブドアブログ
・ソフトバンク、テザリングを12月15日から開始することをあらためて案内!iPhoneのMMS受信サイズ拡大やiPhone 5でのLTEによる緊急速報メール受信対応もお知らせ - S-MAX - ライブドアブログ
Androidスマホにおいても、現在ではほとんどの機種でテザリング機能を利用できますが、キャリアの回線事情により機能を呼び出せないように設定された時期もありました。
テザリングは端末やOS側では利用可能となっている機能ですが、キャリア(通信事業者)の提供する回線品質にも大きな影響を及ぼす機能となっているため、基本的にはテザリング利用の有無は、キャリア(通信事業者)に判断に委ねられています。
テザリング機能は、1つの回線で色々な機器をインターネットに接続できるため、テザリングをうまく使うことで充実したスマホライフやインターネットライフが体感できます。便利な一方、キャリアの回線混雑を増加させる要因にもなることを認識しておいた方がいいでしょう。
■関連リンク
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