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IGZO液晶はフルHDになっても省エネ?

NTTドコモから5月に発売されたシャープ製スマートフォン「AQUOS PHONE ZETA SH-06E」(以下、SH-06E)。この夏のドコモのツートップ機種に次ぐ売れ行きを示しており、60万台以上売れた「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」(以下、SH-02E)の後継機種として好調な売れ行きのようです。

このSH-02EおよびSH-06Eが端末の売りとして前面に押し出しているのは、新世代ディスプレイの「IGZO(イグゾー)」液晶パネルを搭載したことによる省エネ性能です。

SH-02Eは通常使用の範囲なら2日バッテリーが持つとうたわれており、これまで筆者もSH-02Eを常用し、その省エネ性能を体感して紹介してきましたが、SH-06Eはさらに2日以上バッテリーが持つとの触れ込みとなっています。

そこで、今回は、実際の使用シーンでどの程度バッテリーが持つのか、筆者が実際に使っているSH-02Eと、今回お借りすることのできたSH-06Eを両方持ち歩いて比較してみました。

◯バッテリー持ち調査の条件
SH-06EとSH-02Eである程度条件を揃えて、持ち歩くことにしました。

battery03共にFeel UX+マチキャラを使用

左がSH-02E、右がSH-06Eの待ち受け画面です。共にユーザーインターフェース(UI)は、シャープの「Feel UX」を用いて、マチキャラをONにしています。SH-02Eは、先日のOSアップデートに伴いAndroid 4.1にバージョンアップし、マチキャラが画面内を自由に動き回れるバージョンを使用しています。SH-06EはAndroid 4.2のため、こちらも動くマチキャラを使います。

その他、SH-06EにもSH-02Eで普段使っているものと同じTwitter、Facebook、Eメール、Gmail、Instagramのアカウントを登録し、アプリもダウンロードして、ほぼ同じように通信量になるようにしました。Wi-FiはONのまま、BluetoothはOFFとしました。また、共にエコ技(バッテリー消費を下げる機能)は使用しないようにしました。

SH-06EとSH-02Eの違いとしては、SH-06Eはスリープ状態で画面を指でなぞると画面ONとなるSweep ON機能と、端末を振るとスリープ状態に戻るShake OFF機能をONにしました。また、ホバー機能としてブラウザ起動状態で指を近づけると拡大表示される機能もONにしました。SH-06Eの新機能は全てONの状態にしました。

なお、SH-06EもSH-02Eもソフトウェアアップデートは最新状態にしてあります。

今回は筆者が住む仙台で朝から夕方まで持ち歩いてみました。仙台市内は1.5GHz帯のエリアが春から拡大しており、今回は下り最大112.5Mbpsエリア(端末側の仕様でSH-06EおよびSH-02Eでは下り最大100Mbps)と下り75Mbpsエリアを行き来する形となりました。現在輻輳が多く見られる首都圏よりは通信速度が速いものと考えて下さい。


◯スリープ状態が長く続くと?
battery01スリープ状態で放置したSH-02E(左)とSH-06E(右)のバッテリー消費

まずは朝9時頃充電器から取り外し、出かけることにしました。筆者は講師業をしているため、移動した後控え室にスマートフォンを置いてスリープ状態で放置しました。控え室は下り最大112.5Mbpsエリア内で電波も安定している場所です。

IGZO液晶はスリープ状態・そして静止画表示状態での省エネ性能が高い液晶です。スリープ状態でのバッテリー消費はどの程度でしょうか。

9時から13時までほとんどの時間をスリープ状態で放置した結果は上の画面の通りです。左がSH-02Eで、右がSH-06Eの画面。共に「Battery Mix」というアプリでバッテリー消費状況を測定しました。

SH-02Eが残り88%、SH-06Eが残り91%ということで、ほぼ変わらない結果となりました。新機能も動かしていたSH-06Eの方が若干残量が多かった形となります。

スリープ状態では確かにバッテリーの減りは緩やかで、IGZOの効果はSH-02Eと同様にSH-06Eも確かに感じられる結果となりました。


◯使用頻度を高めてみると?
battery02使用頻度を高めて夕方まで持ち歩いた結果

13時以降は街中、下り最大112.5Mbpsエリア(1.5GHz帯)と下り最大75Mbpsエリア(2GHz帯)を行き来しながら、各種SNSをそれぞれ同程度使用し、カメラで10枚程度写真を撮影するなど、使用頻度を高めました。そうした状況で17時頃帰宅し、バッテリーの減り具合を見てみました。

SH-02E(画面左)が残り61%、SH-06E(画面右)が残り64%ということで、これもほぼ変わらない結果となりました。新機能も動かしていたSH-06Eの方が若干残量が多かった形となります。

SH-06Eは、ホバー機能やSweep ON・Shake OFFなどバッテリー消費にも影響すると思われる新機能がありながら、SH-02Eとさほど変わらないバッテリー持ちとなっており、SH-06EもSH-02Eと同様にバッテリー持ちの良いスマートフォンと言って良いだろうと思います。


◯果たしてバッテリーは2日持つのか?
今回の調査のように電波状況が比較的安定している街で、数時間ほどスリープ状態で置いておく使い方であれば、バッテリーが2日持つ日もあるだろうとは思います。

しかしながら、実際のところ、バッテリー消費量は、電波状況によるところも大きいです。筆者の感覚では、SH-02Eを持って東京に出張した時はバッテリーの減るペースがかなり速くなる印象です。

また、激しく電波状況の変わる新幹線の中ではバッテリー消費が大きくなる印象で、東京に出てきた時は、SH-02Eであってもモバイルバッテリーが必要になるケースがありました。SH-06Eもその点は同様と思われます。まずは電波状況の安定度が大きくバッテリー消費を左右します。

そして、実際は使用時間としては80分程度を想定して2日バッテリーが持つという風に謳っていることが一部メディアで話題となりましたが、朝から夜まで常時スマートフォンを触ってSNSやゲーム、動画視聴に使用している人は2日バッテリーが持つ可能性は低かろうと思います。

今回の調査のペースでも2日は微妙かな、という感じでしたし、ヘビーユーザーの人は2日持たないと考えて良いでしょう。あくまで会議や仕事中スリープ状態になる時間の多いビジネスマンなどなら2日持つという程度に考えておいた方が良いでしょう。

ただ、多くの使用ケースなら1日は持つであろうと思います。それでも多くの人にとっては十分ではないでしょうか。もし不満であればエコ技を使う手もあります。

というわけで、ひとまずSH-02Eの後継機種の名に恥じず、SH-06Eも十分バッテリー持ちの良いスマートフォンと考えて良いと思われます。せめて1日はバッテリーの持つスマートフォンが欲しい、という人にはSH-06Eはピッタリではないでしょうか。

次回は、SH-06Eのカメラテストをお送りします。F値1.9レンズの威力はどれほどなのでしょうか?



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