発表会のプレゼンテーションに登壇した同社社長の加藤薫氏は「VoLTEの利点は4つある。」として、それぞれ4つの利点を動画によるデモを交えて紹介していきました。

1）高品質な通話
従来のドコモの通話に比べ、音声周波数帯域が50Hz～7kHzと広いため、高音域をよりクリアに表現することができ、高音質な通話が可能となります。また、LTEネットワーク上でも音声パケットの優先制御（QoS制御）を行うことにより、接続品質を確保し、安定した通話を利用できます。発表会ではリカちゃんの音声などで実際の音質の違いを動画デモで紹介していました。


2）すぐにつながる通話
従来のXiの通話と比較した場合、3Gネットワークへ切り替える必要がないため、より短時間での発着信が可能となります。加藤氏は「私のようなせっかちな人間には良い。」と紹介していました。


3）高速マルチアクセス
VoLTEによる音声通話と同時にインターネットなどのデータ通信を行う際、これまでは動作が若干緩慢になったりすることがあったそうですが、VoLTEによる通話であれば、通話しながらのインターネット利用でも受信時最大150MbpsのLTEによって高速な通信速度で快適に利用できるようになるということです。


4）ビデオコール
FOMA®のテレビ電話と比較した場合、より高精細（QVGA相当）で滑らかな映像によるビデオコールをクリアな音質で利用できます。3Gによるテレビ電話機能もありましたが、VoLTEのビデオコールでは低遅延で映像の乱れも少なく、相手に綺麗に伝わるため、遠くに離れた孫と話したり、どうしても参加できない結婚式など、さまざまな用途で利用して欲しいということです。


5）通話中のエリアメール受信
発表会では紹介されませんでしたが、通話中でもエリアメールを受信することが可能となり、災害時にも安心です。

このような利点のほか、さらにVoLTEを導入することで、ネットワークも進化し、VoLTEは3Gに比べてネットワーク効率が3倍になるため、ネットワークが効率的に使え、その分、これまで3Gで音声通話に割り当てていたものをデータ通信に振れるので、データ通信も快適になることを紹介。

対応エリアはXiが利用できるエリアで、2014年3月末時点の人口カバー率は97.5％。Xiエリア外では従来の回線交換による音声通話となります。利用料金はXiのすべての料金プランおよびパケット定額サービス、通話料割引サービス、通話料金が適用され、ビデオコールについては音声通話料金に加えて、映像の送受信によるデータ通信分に対し、パケット通信料が課金されるとのこと。ただし、2015年9月末までの間はキャンペーンによりパケット通信料無料でビデオコールを利用できます。

対応機種はGALAXY S5 SC-04FおよびXperia Z2 SO-03F、AQUOS ZETA SH-04F、ARROWS NX F-05Fのスマートフォン4機種が6月下旬～7月予定、AQUOS PAD SH-06FおよびXperia Z2 Tablet SO-05F のタブの機種が7月以降予定となっています。

加藤氏は最後に「どんなに距離が離れていても、距離を感じさせないテレコミュニケーションを追求してく。NTTドコモが提供するこれからの未来にも期待して欲しい。」とまとめていました。

なお、質疑応答では3Gにおけるテレビ電話が流行らなかったことに触れ、過去の3Gのときのテレビ電話の時代と比べて、現在はスマートフォンやタブレットの時代になり、画面も大きくなり、同時にさまざまなことが行えるようになっているので、その辺りで楽しんでもらえればまたVoLTEでのビデオコールはニーズがあるのではないか、掘り起こせるのではないかといったことでした。

また、起きたばかりで相手に顔を見せたくないようなときにかわりにキャラクターを表示させる「キャラ電」のようなサービスが3Gのときにはありましたが、現状ではVoLTEのビデオコールにはそういった機能はないものの、今後、ニーズがあれば対応していきたいとしていました。

その他、VoLTEはVoLTE同士でしかビデオコールはできない点、VoLTE同士でしかコーデックの問題で音声品質がよくならない点なども挙げられ、ひとまずは、音質についてはVoLTE同士のみを中心とし、固定やPHSなどへの通話で品質がよくなるような試みは行わないということです。





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・報道発表資料 : 国内初、VoLTEによる通話サービスを提供 | NTTドコモ