shimajiro@mobiler

UQコミュニケーションズから「WiMAX 2+」に対応した新しいNECアクセステクニカ製モバイルWi-Fiルーター「Wi-Fi WALKER WiMAX2+ NAD11」(以下、NAD11)が明日6月20日(金)より発売されるのに合わせて、WiMAXからWiMAX 2+への乗換を検討する人も多いかなと思うので、初代のWiMAXからWiMAX 2+へ乗り換える際の注意点をまとめてみた。

いくつか注意すべき点があるのは事実ではあるけれど、WiMAXユーザーがWiMAX 2+に乗り換えて大きな不満を抱くことがなさそうな機種(少なくともスペック面では)がNECアクセステクニカから登場するということの裏返しでもあるので、新発売となるNAD11には期待したいなと思っている。

1. 契約期間は2年間が基本/契約期間中の解約金は値上がり
WiMAXサービスはもともと年間契約が必要ない「UQ Flat」が基本的な料金プランとして提供されており、年間契約の「UQ Flat 年間パスポート」はサービス提供開始後しばらくしてから追加されたプランで、当初のWiMAXには契約期間は原則として縛りがなかった。

一方で、WiMAX 2+では基本的に契約期間が2年間(UQ Flatツープラスなど)となっており、現在のWiMAXの契約で一般的になった1年間から、さらに長くなっている。加えて、契約期間中の解約に対する解約金も従来よりも高く設定されている。

◯2年間の契約期間中の解約金:UQ Flatツープラス
〜 13カ月目:19,500円(税抜)
14カ月目 〜 25カ月目:14,000円(税抜)
26カ月目以降:9,500円(税抜)
※UQコミュニケーションズの例。

契約期間は「2年間が基本」となっているのは、NTTドコモなどの大手キャリアのデータ通信向けサービスと同じだけれど、契約期間中の解除料は最大で19,500円(UQコミュニケーションズの場合)と、従来よりも高額になっている点は注意が必要。


2. WiMAX 2+の「通信量無制限」は契約から2年間のみ保証
WiMAXサービスの最大の特長である「通信量無制限」はWiMAX 2+が利用できる「ハイスピードモード」利用時は契約から2年間となっており、契約から2年間経過後は「速度制限がかかる場合がある」と明記されている。

◯WiMAX 2+は契約から2年経過後は速度制限の可能性あり


WiMAX 2+対応機種はWiMAX 2+を使わない「ノーリミットモード」にも対応しており、ノーリミットモードについては従来のWiMAXサービスと同様に、期間の限定などは無く通信量無制限となっているけれど、WiMAX 2+で通信量無制限が保証されているのは、契約から2年間のみ。

ただ、この点については「契約から2年間が経過したら解約する」ことを前提にしていれば大きな問題にはならない。とも言えるので「WiMAX 2+についても基本的には通信量無制限」と考えても差し支え無いかなと思う。


3. WiMAXからWiMAX 2+への機種変更は原則不可能
WiMAXからWiMAX 2+への乗り換えにあたっていわゆる「機種変更」のようなメニューは特に用意されていないので、現行のWiMAX契約者は年間契約が切れるタイミングなどでWiMAXサービスを解約した上で、新たにWiMAX 2+サービスを契約するのが通常流れとなる。

また、WiMAX 2+を新規契約した後に別の機種を購入するという意味での「機種変更」も現状は用意されていないのでWiMAX 2+では購入した機種を2年間使うというのが原則となる。

この点は基本的には初代のWiMAXサービスと同じではあるけれど、WiMAX 2+では契約期間が基本的に2年間と、初代のWiMAXサービスよりも契約期間が長くなっており、なおかつ、今後は通信速度の高速化(下り最大220Mbpsなど)にも対応予定となっている中で、契約してから2年間同じ機種を使う必要があるというのは今後改善されると良いなと思っているところだ。


4. 機器追加オプションなどは今のところ提供なし
WiMAXサービスでは1つのWiMAX契約を複数の機器から利用可能になる「機器追加オプション」や1契約で同時にインターネット接続が可能なWiMAX端末が2台までに増やせる「ファミ得パック」などが提供されていたけれど、これらのオプションサービスはWiMAX 2+向けには提供されていないので、WiMAXサービスで機器追加オプションを使っていた人やファミ得パックで2台のWiMAX端末を同時に利用する必要のある人はWiMAX 2+への乗り換えが難しい。

WiMAX 2+対応機種は利用者の認証にSIMカードを利用している。NTTドコモのMVNOではOCNなどが「容量シェアSIM」としてSIMカードの追加オプション(有料)を提供しているので、WiMAX 2+の対応端末が増えてきたら、同じようなオプションが提供されると嬉しいところ。

ただし、現時点でWiMAX 2+に対応するモバイルWi-FiルーターはNAD11とすでに販売中のファーウェイ製「Wi-Fi WALKER WiMAX2+ HWD14」(以下、HWD14)との2機種のみなので、提供する意義が薄いかなとは思うけれど、今後、さまざまな機種が出る頃には機器追加オプションが追加されたらいいなと思っている。


5. 機種によってはWiMAXの電波の掴みが悪いことも
WiMAX 2+に対応する初のモバイルWi-Fiルーターとして発売されたHWD14は、WiMAXの電波が弱い状態でも通信が安定する「WiMAXハイパワー」に非対応となっていたため、WiMAXで利用可能なエリアは従来の機種(WM3800RやURoad-Aeroなど)と比べて狭くなっており、利用するエリアによってはこのデメリットが大きく影響していたように思う。

WiMAX 2+対応のモバイルWi-Fiルーターの第2弾となるNAD11では、WiMAXハイパワーにも対応しているので、スペック的には従来のWiMAX対応機種で利用可能だったWiMAXエリアに加えて、WiMAX 2+エリアではWiMAX 2+での通信が可能になっている。

WiMAX 2+に対応する機種がWiMAXハイパワーに対応するのは初めてなので、WiMAXハイパワーでのWiMAXエリアとWiMAX 2+エリアではより高速な通信ができることに期待したい。

とはいえ、機種によって通信性能に差はあるため、例えば、URoad-Aeroと比較して移動中のWiMAX接続性が悪いということはあり得るのだが……。


6. 公衆無線LANサービスは7月25日より提供開始
WiMAXサービス向けには追加料金なしで利用できる公衆無線LANサービス「UQ Wi-Fi」が提供中となっているものの、WiMAX 2+契約者向けの公衆無線LANサービスは「UQ Wi-Fiプレミアム」が2014年7月25日より提供予定となっており、現時点ではWi-Fiサービスを利用することができない。

WiMAXとWiMAX 2+に同様だけれど、公衆無線LANサービスは提供するWiMAX事業者によってサービス内容が異なっているため、例えば、WiMAX 2+の契約でも「UQ Wi-Fiプレミアム」はUQコミュニケーションズの契約者向けのサービスであり、MVNOの契約ではUQ Wi-FiやUQ Wi-Fiプレミアムを利用することはできないので、このあたりはUQコミュニケーションズのサービスとMVNOのサービスを整理して考える必要がある。

以上がまとめとなるが、新発売となるNAD11には期待している。なお、NAD11のキャンペーンでは、クレードルセットで本体代金1円&14,000円のキャッシュバックまたはNexus 7がプレゼントされる@nifty WiMAXがオススメなので最後にご紹介まで。@nifty WiMAXのキャンペーンページは以下より。



記事執筆:shimajiro@mobiler


shimajiro@mobiler
WiMAXからWiMAX 2+へ乗り換え時の注意点まとめ | shimajiro@mobiler

■関連リンク
エスマックス(S-MAX)
エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter
S-MAX - Facebookページ