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KDDIが「au VoLTE」を12月初旬に開始!国内ではLTEのみで通話&通信に |
KDDIおよび沖縄セルラーは27日、2014年冬に発売予定の新モデル・新サービスを披露する「au発表会 2014 Winter」を都内で開催し、高速通信サービス「4G LTE」のネットワークを活用した次世代音声通話サービス「au VoLTE」を2014年12月初旬より提供開始すると発表しています。
au VoLTEではLTE規格による音声通話技術「VoLTE」による高音質でスピーディーな発着信が特長の次世代音声通話サービスを利用できるほか、これまでauではできなかった音声通話中にWeb閲覧やメールの送受信など、データ通信と音声通話を同時に利用できるようになります。
また、スマートフォン(スマホ)の画面や位置情報、カメラ映像等を通話中に相手と共有できる新しいコミュニケーションサービス「シンクコール」(注2) や最大30名と同時に通話可能な「ボイスパーティー」など、VoLTEの技術を活用した新しいシンクロ・コミュニケーションサービスを提供するとのこと。
料金は4G LTE向けの新料金プラン「カケホとデジラ」や旧料金プランと同じとなっており、
対応機種は同時に発表された2014年冬モデル「isai VL LGV31」および「URBANO V01」の2機種から対応し、今後、順次拡大していくということです。
なお、KDDIおよび沖縄セルラーでは人口カバー率99%(800MHz帯「プラチナバンド」)をベースとしたLTEエリアによる「LTE維持率」が99.9%となっていることから国内通信事業者として初めてすべての音声通話とデータ通信を4G LTEネットワークのみで提供することで、より高品質で安定した通信サービスを実現するとしています。
これにより、VoLTEに対応した2機種は日本国内ではLTEのみ(FDD-LTEの4G LTEおよびTD-LTE互換のWiMAX 2+)となり、3G(CDMA 1X 2000)には非対応となっています。なお、WiMAX 2+はVoLTEを利用できないということです。
発表会のプレゼンテーションに登壇したKDDI代表取締役社長の田中孝司氏は「auでは『Always 4G LTE』というメッセージでVoLTEを提供する。」とし、すでに今夏にVoLTEを開始しているものの、3G(W-CDMA方式、FOMA)による音声通話やデータ通信も残しているNTTドコモとの違いをアピールしていました。
加えて、質疑応答では「今後はLTE・VoLTE化していく方向」であることを示し、現状ではLTEにすら対応していないケータイ(フィーチャーフォン)についても"課題"としつつ、LTE・VoLTEに対応させていく方針であることを示しました。
今回、isai VL LGV31とURBANO V01ではCDMA 1X 2000を乗せないようになっており、田中氏は「今後どうしていくかは順次、VoLTEの対応機種を増やしていき、CDMA 1X 2000をauのネットワークからなくしていきたいと思っている。ただし、現時点では強制的に現在CDMA 1X 2000を利用しているユーザーを巻き取るということは考えていない。」とし、まだフルLTEの入口であり、緩やかにLTEオンリーに移行していく考えを示しました。
こうしたLTE・VoLTEのみでサービスを提供できるのもすでにauではLTEエリアが人口カバー率で99%を超え、ほぼCDMA 1X 2000と同等となっているほか、LTE維持率というどの程度LTEだけで利用しているかといった指標でも99.9%超となっていることや170万回以上のVoLTEによる通話試験で品質を確認できていること、全国主要道路を地球2周半相当の9万6000Kmの走行テストでVoLTEの接続確認できていることなどが挙げられます。
なお、既存のCDMA 1X 2000(3G)およびLTEに対応している機種で、3Gになる場所でもLTEが圏外になっているわけではないと説明していました。
au VoLTEの導入によってまずは音声通話が高音質・高品質な音声通話になり、スピーディーな発着信が行われ、コンカレント通信(音声通話とデータ通信を同時利用)ができるようになります。
高音質・高品質化は従来のCDMA 1X 2000による通話に比べて音声周波数帯域が50Hz~7kHzと広いため、高音域をよりクリアに表現することができ、高音質な通話が可能となります。また、音声パケットの優先制御(QoS制御)を行うことによって接続品質を確保し、安定した通話が利用できます。
また、スピーディーな発着信は通話を行う際に3Gネットワークへ切り替えないため、従来の4G LTE対応スマートフォンに比べて短時間での発着信が可能となります。
上記の高音質・高品質化やスピーディーな発着信はすでにVoLTEを開始しているNTTドコモでもVoLTEのメリットとして紹介しており、実際に使ってみると高音質・高品質化はVoLTE同士でないと効果がないものの、スピーディーな発着信は相手がVoLTEではなくても体感できるほど短縮されていました。
一方、これまでauではCDMA 1X 2000を採用していたために問題となっていたコンカレント通信ではVoLTEによる音声通話と同時にWebページの閲覧やメールの送受信、地図閲覧などデータ通信が使えるようになります。
auでは「au VoLTEによる生活改革」として5つのカテゴリーのさまざまなサービスを開始し、シンクロ・コミュニケーション「シンクコール」を提供し、Web閲覧時やアプリ利用時など画面操作中に着信があった場合でも表示している画面のまま着信を受けることができるので、通話中でもWeb閲覧やアプリ利用など待ち受け時と同等の端末操作ができて便利です。
シンクコールではさらに4つの機能が提供され、例えば、「画面シンク」では相手とお互いに同じ画面を見ながら意見交換したり、現在見ているWebや動画、写真などの画面を共有しながら会話したいときにau VoLTE対応の4G LTEスマートフォン同士ならメニュー表示ボタンをタップし、機能一覧の中から"画面シンク"のボタンをタップするだけで同じ画面が表示されるようになります。これにより、Webでレストラン情報を確認して、今度食事する場所を友人と一緒に決めるときなどに便利になります。
また、「カメラシンク」は通話中にカメラの情報を共有したいときにメニュー表示ボタンをタップし、機能一覧の中から"カメラシンク"のボタンをタップすれば、自分が撮影している映像を通話しながらその場の雰囲気や情報をカメラを通して相手と共有することができる機能です。これは共通の親友のプレゼント選びの相談などには重宝しそうだとのこと。
さらに、「位置シンク」は待ち合わせなどでお互いの位置を通話しながら確認することも可能で、メニュー表示ボタンをタップし、機能一覧の中から"位置シンク"ボタンをタップすると、お互いの位置が地図上にマッピングされ、位置を確認しながらのナビゲーションが簡単にできるので、待ち合わせですれ違うこともさらになくなるとしています。
4つめの「手書きシンク」は画面上に手書きで文字や絵を書き加える機能で、例えば、通話しながら画面シンクで相手と共有している写真やWeb画面にメッセージを書き込むことができ、お互いに好きなことを手書きで書き込むことができるようになっています。しかも、交互に手書きを行うと相手の画面もそれに連動するので、イメージを共有しながらの打ち合わせなどに役立てることができるようになるということです。
これらのサービスはシンクコールはau VoLTEと同時の12月初旬、残りの4つのサービスは2015年2月以降に提供予定で、isai VL LGV31およびURBANO V01では発売後にソフトウェア更新によって対応予定となっています。利用料はシンクコールは無料で、残りの4つのサービスも別途データ通信料がかかるものの、パケット定額オプションに加入していればその範囲内で利用できます。
通話したい相手の端末の種類に関わらず、発信者を含めて最大30人で同時に通話が可能な音声サービス「ボイスパーティー」も12月初旬に提供開始されます。利用料はオプションとして月額300円(税抜)がかかります。
受信側はCDMA 1X 2000や他社の携帯電話でも参加可能。ただし、auの4G LTEエリア内でau VoLTE対応機種同士の場合には高音質通話となりますが、その他の場合は従来の音質相当での通話となります。また、実際の音声品質は電波環境や回線の混雑状況により変化するとのこと。

この他、田中氏は質疑応答においてすでに発売しており、製品としてはVoLTEに対応しているApple製スマートフォン「iPhone 6」および「iPhone 6 Plus」のau VoLTEへの対応についても「iPhoneについては相手があるのでコメントできない。今後対応するのではないかと思っている。」と回答し、さらにVoLTEを活用した新しいサービスについても「iPhoneのシンクロ・コミュニケーションへの対応については現時点ではインプリメント上の細かい点を確認しないといけないので、まずはAndroidで対応して広げていきたいと思っている。」ということでした。
記事執筆:memn0ck
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