Pepperの一般発売は6〜8月に!IBM Watsonでさらに進化へ |
IBMの日本法人である日本アイ・ビー・エムとソフトバンクテレコムは10日、日本でのコグニティブ・コンピューティング技術「IBM Watson(以下、Watson)」の開発と市場への導入において戦略的に提携することで合意したと発表しています。
これにより、Watsonが日本語を理解できるように開発が進められ、IBMが推進するコグニティブ・コンピューティングの導入を加速し、ソフトバンクテレコムは日本の社会とビジネスの変革を推進するとしています。
また、同日に開催されたソフトバンクの2014年度第3四半期(10〜12月)決算説明会では代表取締役社長の孫正義氏がすでに発表し、現在、ソフトバンクショップなどで稼働しているヒト型ロボット「Pepper」にもWatsonの技術を利用していくことを明かしました。
さらに、同氏は後日正式に発表する予定だったとし、Pepperの発表時に今年2月に発売するとしていましたが、開発者イベントにて予約を受け付けたところ好評だったため、まずはデベロッパー向けに2月に販売開始し、一般販売は早くて6〜8月くらいになる予定であるとし、珍しく未発表の内容を口頭で伝えました。
Watsonは世界で初めてコグニティブ・コンピューティング能力を商用化した製品で、クラウドを基盤に提供され、大規模なデータを分析し、自然言語で投げかけられた複雑な質問を解釈し、根拠に基づいた回答を提案する技術です。
Watsonは認識、学習、そして経験によって人が世界を理解するような方法を手がかりにした学習するシステムによる新たなコンピューティングの時代の象徴となっており、アメリカでは2011年テレビのクイズ番組「Jeopardy!」でクイズ王と対決し、勝利したことで話題になっています。
今回の提携の一部として、IBMとソフトバンクテレコムは新しいコグニティブ・コンピューティング能力を継続的にクラウドで提供する計画で、両社は日本で商品やサービスについてより関連の深い情報の提供、多様で大規模なデータの流入の分析によって意思決定の包括的な改善などを重視している教育、銀行、保険、小売や医療などの産業界に注力するということです。
また、両社のパートナーシップはソフトバンクとIBM東京基礎研究所の間での継続的なコグニティブ・コンピューティング技術における技術協業の上に成り立っており、Watsonが日本語をさらに理解できるように研鑽していく姿勢はIBMの20年に及ぶ日本語や欧州以外の自然言語処理の研究が礎となっているとのこと。なお、Watsonはこれまで英語のみに対応しており、他の言語が導入されるのははじめてです。
さらに、日本語は極めて複雑にできており、それは何千もある漢字、ひらがな、カタカナとその組み合わせを解釈し、また、話し手の関係、年齢や性別などの文脈によって異なる言葉の使い方を学ばなければならないからとし、このような新たな機会を活用し、IBMとソフトバンクテレコムはWatsonのソリューションを日本で提供するために次の戦略領域に注力します。
目標はIBMとソフトバンクテレコムがWatsonを革新的な方法で活用するビジネスパートナーや起業家、アプリケーション開発者、投資家といった幅広いエコシステムを構築することによって、Watsonで強化された新たなアプリケーションやサービスを日本市場に導入することとなっています。
その他、日本のビジネスとテクノロジー市場におけるソフトバンクテレコムのリーダーシップにIBMが持つ比類のないWatsonのコグニティブ・コンピューティング技術、研究能力やサービスを組み合わせることで、産業界や専門職に変革をもたらすものだとしています。
IBM Watsonグループのシニア・バイスプレジデントのマイク・ローディン氏は「ソフトバンクテレコムとの提携によって、日本企業は新しいWatsonの能力を使うことができるようになります。私たちは共に、ビジネスパートナー、起業家、開発者、その他企業を含めて充実したエコシステムを構築し、Watsonを搭載したまったく新しい数々のアプリケーションを設計し、Watsonを日本全国のお客様へより早くお届けいたします。」とコメント。
ソフトバンクテレコムの代表取締役副社長 兼 COOの宮内謙氏は「日本IBMとの戦略的提携により、ソフトバンクテレコムが日本語対応のWatsonの開発と日本市場への導入を共同で推進できることをうれしく思います。自然言語を理解し、膨大なデータの中から最適な解を導くWatsonのテクノロジーは、ソフトバンクグループの経営理念である『情報革命で人々を幸せに』との親和性が高く、エンタープライズからコンシューマーまで様々な分野で利活用され、人々に新しい価値をもたらすものと確信しています。」とコメント。
日本IBMの代表取締役社長のポール与那嶺氏は「日本語への対応は、IBMの研究員にとって大きな挑戦です。今回、Watsonは西洋のアルファベット以外の文字を持つ言語に初めて対応します。そこでWatsonは日本語特有の多くの課題を克服していくことになるでしょう。IBM Watsonは、学術、行政サービス、そして多種多様な産業に革新をもたらす画期的なソリューションであり、お客様の迅速な経営判断や高度な意思決定を可能にします。IBMはITへの壮大なビジョンに常に挑戦し続けるソフトバンクテレコム社と共同で、あらゆる業界や領域にこのWatsonの自然言語を解釈する能力を適用し、日本のイノベーションを牽引する新たなコンピューティングの時代を切り開いてまいります。」とコメント。
記事執筆:memn0ck
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