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新生VAIOが攻めたPCを発表 |
既報通り、VAIO(バイオ)は16日、新商品発表会を行い、約13.3インチのノートパソコン「VAIO Z」の発売と、キャンバススタイルの約12.3インチタブレットPC「VAIO Z Canvas」の商品化を発表した。
発表会には同社代表取締役社長の関取高行氏と同じく、商品プロデューサー商品企画担当ダイレクターの伊藤好文氏が登壇し、ゼロ(Zero)から作り始めた2つのVAIOについてプレゼンを行った。

VAIO Zを紹介する代表取締役社長 関取高行氏
関取氏はメーカー側が一方的にものを作るのではなくユーザーと一緒に作るこれまでにない事例として、昨年発表したプロトタイプのタブレットPCについて触れた。
プロトタイプのタブレットPCを漫画家やカメラマン、クリエイターに使ってもらいそのフィードバックを受けて開発を進めるという手法をとっているのだという。関取氏はVAIOのもの作りについて「顧客視点」ではなく「個客視点」で製品作りを邁進して行きたいと述べた。

また、昨年の国際放送機器展「Inter BEE 2014」において映像機器メーカーのキヤノンとのコラボレーションを取り上げた。4KシネマカメラのRAWデータをプロトタイプタブレットPCでリアルタイムに現像・表示を行うデモンストレーションを行い、関取氏はこのことを「キャノンさんブースにVAIOが並ぶ」と語り、今後もこのようなコラボレーションに力を入れてくと語った。

日本通信とのスマートフォンに関する協業について関取氏は「詳しくは後日、日本通信様から正式発表がございますのでそれまでお待ちいただきたい」と述べ、詳細については明かされなかった。

VAIO Zのスケルトンモデルで内部を紹介する商品プロデューサー 商品企画担当ダイレクター 伊藤好文氏
続いて登壇した伊藤氏は、普段使うPCの質が大事と考えるユーザーのための道具として、細部まで研ぎ澄まして製品開発を行っていると述べた。

VAIO Zは日本有数の企業との共同開発によって産み出されたもので、日本代表といえる製品と呼べるとアピールした。フジクラ製の極薄高効率ヒートパイプ、2つの流体動圧軸受ファンはフィンの数を変更して共振・ノイズを抑えた日本電産製であると紹介した。

ディスプレイはパナソニック製でsRGB100%をカバーする鮮やかな色再現が特徴だという。さらにプロジェクターなどでプレゼンする際に、別途スピーカーがなくてもVAIO Zの内蔵スピーカーで100人規模のプレゼンにも対応できる点をアピールした。

スタイラスペンはロック画面でペンのボタンを押すことでダイレクトにOneNoteで手書きメモを取ることが可能で、デジタルノートとしての利用価値を高めている。背面のカメラで書類やホワイトボードを撮影し保存することでドキュメントスキャナーとして利用できることをアピールした。撮った写真は四点を指定することで歪みを補正可能だ。

さらに、伊藤氏はプロトタイプタブレットと呼ばれていた製品がVAIO Z Canvasとして商品化することを発表した。VAIO Z Canvasは、低電圧版ではない「H」型番のクアッドコアのCore i7を搭載し、グラフィックはIntel Iris Proプロセッサーを搭載することを明らかにした。

VAIO Z Canvasの概要
ディスプレイは12.3インチ、「デジタル一眼」仕様とも言えるアスペクト比3:2を採用、Adobe RGBカバー率95%の高精細LCDを搭載する。

VAIO Zは2月発売、VAIO Z Canvasは5月発売

VAIO Zのキーボードのキー間隔にはゆとりがあり、エンターキーも大きく使いやすい印象。沖電気との共同開発による静音キーボードはキーストロークが浅いものの感触が良く、乗り物の中でも静かにPCを利用できそうだ。

ディスプレイを手前に引き出せば動画の視聴やペン利用時に便利だ。反対側に倒せば対面のプレゼンにも利用できる。
VAIO Zのマルチフリップ機構を搭載したディスプレイ
動画リンク:http://youtu.be/n9XZcUD_EuM

電池式のスタイラスペンは、筆圧によるペンの太さの変化やホバーによるポイントの確認、2つのボタンで機能を呼び出すことが可能だ。

BEAMSとのコラボモデルはオレンジ色のタッチパッドのインパクトが強い。ソニーストアで3月13日より受注開始するとのことだった。

sRGBを100%カバーするVAIO Zと従来モデルの色再現の違いの展示も行われていた。

タブレットとワイヤレスキーボードというスタイルのVAIO Z Canvas。タブレットスタイルながらノートPCスタイルのVAIO Zよりもパワフルなコンピューティングを可能とした新生「VAIO」らしい攻めた製品だ。放熱設計にこだわっており、Core i7のCPUパワーをフルに利用できるとのことだった。
VAIO Z Canvasのヒンジ構造
動画リンク:http://youtu.be/VxbLkDdTgXg

キーボードはBluetoothではなく2.4GHzのワイヤレスで、面倒なペアリング操作を必要とせずすぐに使えるというもの。充電は本体にカバーとして接続して充電するほかに、microUSBコネクタから単体充電も可能としている。
キーボードと本体を左右に並べて配置すれば、右手で絵を描きながら、左に置いたキーボードで操作するといったデスクの奥行きを必要としない使い勝手を実現する。
また、ソフトウェアの対応が対応していなくてもハード的にスタイラスペンのみで操作できるよう、指や手のひらのタッチをキャンセルできる機能が搭載されている。さらに画面左側に指で操作できるツールバーを表示する使い勝手の良い機能も搭載されている。
記事執筆:mi2_303
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