電池持ちがさらに良くなる!

日本経済新聞は17日、ソニーがスマートフォン(スマホ)などに用いられているリチウムイオン電池に代わるより電池密度の高い新型電池を2020年にも実用化すると報じています。

新型電池は硫黄化合物を用い、リチウム硫黄(Li-S)電池やマグネシウム硫黄(Mg-S)電池が有望だとされ、現在の電池の体積当たりのエネルギー密度700Wh/Lを約1.4倍の1000Wh/Lまで引き上げる計画だということです。

これにより、スマホなどの消費電力が同じであれば同じ体積の電池パックを用いれば約1.4倍の電池持ちになり、一方、同じ電池持ちにすれば約3割のサイズダウンが見込めます。

体積当たりのエネルギー密度の高い電池が必要なスマホなどの小型機器に用いられている電池は現在、リチウムイオン電池が主流となっています。これを世界で初めて実用化したのが1991年のソニーと旭化成でした。

これにより、当初はノートパソコンをはじめとして、今では自動車向けなどの多岐に渡って利用されています。その後、リチウムイオン電池も素材や内部構造の改良によって年々少しずつエネルギー密度が上がっており、最近では年率3〜5%程度の割合で少しずつ同じ体積でも容量の大きな電池パックとなってきています。

今回の記事ではこれを一気に年率8%で上昇させることに当たる5年後に約300Wh/Lを増加させた約1000Wh/Lを実用化するために新たな材料として硫黄酸化物を用いることをソニー業務執行役員SVP兼先端マテリアル研究所所長の川平博一氏(ソニー子会社で電池の開発・製造を行っているソニーエナジー・デバイス副社長も務める)が語ったとのことです。

小型のリチウムイオン電池は2014年世界出荷シェアではソニーがサムスンSDI、パナソニック、LG化学に次ぐ4位になっており、5位のTDK傘下のATL(香港)に迫られており、新型電池をいち早く実用化し、電池市場での巻き返しをめざすとしています。

記事執筆:memn0ck


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