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パナソニックのデジカメ+スマホな「LUMIX DMC-CM10」のカメラ性能をテスト! |
パナソニックから2016年2月25日に発売されたコミュニケーションカメラの第2弾「LUMIX DMC-CM10」。デジタルカメラ(デジカメ)のシステムとは別に、スマートフォン(スマホ)としても使えるAndroidを搭載し、SIMカードを挿すことで単独でモバイルデータ通信も利用できる"SIMフリーカメラ"としても注目を浴びています。
しかしながら、一方でこの機種の1番の魅力といえるのはやはり搭載されている1インチサイズというコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)としては大型センサーによる写真撮影でしょう。
そこで、日常から常にコミュニケーションカメラを持ち歩いて使用している筆者ではありますが、改めてカメラの性能をチェックしてみました。今回は標準搭載のカメラアプリ、および実際に撮影した写真を例に、この機種のコアとなるカメラ性能を見ていきましょう。
まずは標準搭載されているカメラアプリのUIを簡単に紹介していきます。上の写真がカメラアプリの実際のUIですが、そもそも製品としてのジャンルはデジタルカメラといっていることもあり、UIもスマホでなくデジタルカメラを感じさせるものとなっています。画面左上にはヒストグラム、そして、上下には現在の設定を表す情報が並びます。また、水平器といったものやガイド線も表示可能。
撮影モードに関してもオート撮影やマニュアル撮影、絞り優先(A)やシャッター速度優先(S)、その他にもシーン撮影やカスタム撮影モードといったデジタルカメラにおいてよく見られるものが搭載されています。これらは画面左上にあるアイコンをタップしてから切り替えますが、モードの選択は画面に表示されたダイヤルをタップするほか、メインカメラのレンズ周辺に配置されたコントロールリングと呼ばれる回転式の物理ダイヤルでも操作できます。
撮影の設定はプレビュー画面上で右下に表示されているクイックメニュー(Q.MENU)ボタンをタップすることで簡単に変更が可能。ここでは撮影スタイル(通常カラー、モノクロなど)や写真サイズ、フォーカス設定、HDRのオン/オフなどを弄ることができます。
また、両手で構えた時にちょうど右手の親指が届く範囲に配置された画面右上のボタンをタップすると、シャッタースピード、絞り、ISO感度、ホワイトバランスといった情報を弄ることができます。こちらも設定値の選択は画面タップおよびコントロールリングによって操作します。
さらに、先ほどクイックメニューで変更できた項目は改めて設定画面から指定することもでき、こちらには超解像撮影のオン/オフやデジタル赤目補正といった機能の項目も見られます。
動作撮影に関する設定画面では、動画撮影においても超解像撮影が利用できるほか、オードフォーカスを自動で連続動作させるといった設定も施すことが可能です。
プレビュー画面にはマニュアルフォーカス時のピント合わせをサポートしてくれるピーキングの検出・表示なども可能です。また、旧モデルの「LUMIX DMC-CM1」には搭載されていなかった項目として、一番最後に外部フラッシュモードが追加されています。
これはスレーブユニット、あるいはこのスレーブ機能を内蔵しているストロボと併せて使うことで、LUMIX DMC-CM10での撮影タイミングに併せてストロボを遠隔で発光させることができます。
またあくまでデジタルカメラということで、LUMIX DMC-CM10およびLUMIX DMC-CM1では撮影時のシャッター音も消すことが可能です。その他、高輝度モードをONにしておくことで、カメラ起動時のみ画面輝度を上げるといった屋外使用にうれしい機能も確認できます。
さて、ではここからは実際にLUMIX DMC-CM10で撮影した写真を見ながらカメラの性能をチェックしていきます。なお、以後紹介する写真は一部トリミング・リサイズ加工済みと書いたもの以外、すべて写真をクリックすることでフルサイズで閲覧することも可能です。気になる人はぜひ細部までチェックしてみてください(ただし、フルサイズの写真はデータサイズが10MB前後/枚と非常に大きいのでWi-Fiなどに接続した状態での閲覧をおすすめします)。
まずは日中に景色を撮影してみました。フルサイズで確認してみるとビルに設置された看板や窓の枠なども細部まできっちりと記録できていることがわかります。また、HDR(ハイダイナミックレンジ合成)をオンにしてみると空や左手のビルのガラスがさらに明るくなりつつ、右下の影も薄くなっていますね。
複数枚の画像を撮影・合成することで明るい部分と暗い部分を共存させた写真を作り上げるHDR撮影ですが、LUMIX DMC-CM10では撮影時の待機時間も大きく発生せず、リアルタイムに非常に近い形で使用することが可能です。
続いては先ほどと同じ場所にて、夜間の景色を撮影。大型のイメージセンサーを搭載することで、LUMIX DMC-CM10は夜間などの暗い環境での写真撮影にも強いです。そのため、HDRを使用せずとも、街の雰囲気をしっかりと切り取ることができています。一方、HDRをオンにすると全体的により派手な印象になることがわかります。
スマホのカメラで夜景などを撮影する場合は、HDRを使用することで光っている部分とそうでない部分を両立させた写真が撮影しやすくなるのですが、LUMIX DMC-CM10ではHDRオフの状態でも問題は感じにくい(むしろHDRオフのほうが良い場合もある)と言えるでしょう。
次はズーム機能をチェック。LUMIX DMC-CM10は光学ズーム機能こそ搭載しないものの、iAズーム(デジタルズームの1種)で2倍、デジタルズームで最大4倍まで被写体に接近することが可能です。上の写真3枚は同じ位置から倍率を変更して撮影していますが、デジタルズームを利用した4倍のものでも粗さがそこまで大きく目立つことはなく、十分鮮明に撮影できていることがわかります。
ただし、LUMIX DMC-CM10では1インチという大型のイメージセンサーを搭載しているため、ズームで撮影しなくても普通に撮影した後に必要な部分をトリミングするといった使い方でも十分であることもあります。例えば、上の写真は1枚目が先ほどと同じ4倍ズームで撮影したもの、2枚目が1倍ズームで撮影後にトリミング後にリサイズと加工を加えたものです。
良く観察してみるとザラザラとしたノイズがより目立つのは4倍ズームのほう。トリミングの手間を惜しまないのであれば、ズームを使用せずに切り抜くほうが最終的にきれいに仕上がるケースが多いというのが筆者自身が長くコミュニケーションカメラを使っていて感じている印象です。
また、大型イメージセンサーの魅力が活かせるのはこれだけでなく、むしろ1番カメラとして楽しめるのはボケ味かもしれません。料理などを撮影する際も明るさや色味の調整はコントロールリングで細かく行なうことができ、加えてピントを合わせる位置を工夫することで被写界深度を浅くし、きれいにボケた写真を撮影することが可能です。
ちょうど桜が咲いている時期だったのでテストも兼ねて花見に行きましたが、オート撮影でも簡単にボケ味を楽しむことができます。高機能のカメラは使いこなせるだろうかと心配せずとも、オート撮影でも簡単に写真が楽しめるところもLUMIX DMC-CM10の大きな魅力のひとつでもあります。
カメラのテストというつもりで写真を撮影していましたが、気がつけば写真撮影自体をすっかり楽しんでしまっていた1日でした。
最近はスマホに搭載されるカメラもだいぶ性能が上がってきており、とりわけハイエンドモデルともなれば高画素や明るいレンズの搭載は当たり前となってきました。しかし今回、改めてLUMIX DMC-CM10のカメラをテストしてみて"高性能カメラを搭載したスマートフォン"と"スマートフォンのように使える高性能カメラ"の差はまだまだ大きいと再認識する結果になりました。
当記事を執筆している2016年4月時点での市場販売価格の相場は10万円前後となっており、同様のカメラ性能だけを備えた製品であれば半額程度で買えるケースもあります。
ただし、SIMカードを挿してスマホを操作するがごとく簡単にアップロードして共有できる点、そして、それでありつつコンパクトなボディーサイズを実現している点は非常に魅力も感じてもらえるポイントといえるでしょう。
LUMIX DMC-CM10にについては外観デザイン、ソフトウェア、そして、今回のカメラ機能と3回にわけてレビューしてきましたが、いかがでしたでしょか。
レビューに関しては今回でとりあえず終わりとしますが、また機会があればこの機種の魅力は紹介していければと思います。それでは。
パナソニック
2016-02-25
記事執筆:そうすけ
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