レノボのSIMフリースマホ「Phab 2 Pro」を1週間ほど利用してみました! |
Googleが開発を進める3Dカメラ機能「Tango」に世界初対応した商用製品のスマートフォン(スマホ)「Lenovo Phab 2 Pro」(以下、Phab 2 Pro)がレノボ・ジャパンから12月2日に予約販売開始されました。
筆者も購入してこれまでに開封レポートやTangoアプリのユーティリティー編とゲーム編を紹介してきました。Tangoアプリは特にゲームではまだまだこれからといった感じで今後に期待したいところです。
さて、それとは別に早くもPhab 2 Proを手に入れてから1週間以上経ち、その間、毎日持ち歩き、紹介したTangoアプリを含めて楽しんできましたが、一方で使っていて気づいたこともありました。そこで今回は「SIMフリースマホとしての実力は?」ということで基本機能や性能などに触れておきたいと思います。
【ざっくりとスペックをおさらい】
まずはスペックに比べての使い勝手というところに触れる前に、主な仕様についておさらいしておきましょう。SoC(チップセット)はQualcomm製「Snapdragon 652(MSM8976)」を採用しています。これはミドルレンジで使われるものですが、Tangoに対応するために"Phab 2 Proに最適化のされた"と注釈のつくものとなっています。また内蔵メモリー(RAM)や内蔵ストレージは潤沢にそれぞれ4GBおよび64GBとなっており、ミドル~ミドルハイクラスの中でもコスパの良い構成でしょう。
カメラは約1600万画素リアカメラと、約800万画素フロントカメラで、画素数的には十分だと思われますが、特にTango以外の画質についてアピールされていることも少なく、それほど力を入れた部分ではないことが見受けられます。
一方で特長的な機能としては音響の入力周りで、マイクが3つ搭載されていて動画録画時に5.1ch録音が可能となっています。また画面は6.4インチWQHD(1440×2560ドット)の大きさと解像度の相性や良し。なお、詳細についてはこちらの記事を参照下さい。
【全体的なパフォーマンスをチェック】
ミドルレンジのSoCとなりますが、RAMも4GBとあり、実際に操作している限りの動作は比較的サクサクです。また使っていてTango周りの機能が悪さをするかと長時間起動したり、アプリも意図的には落とさずにいましたが、日常利用で比較的安定した動作を続けているように見受けられました。参考までにベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark」の結果を載せておきます。3Dが低めかなといった印象
スコアは「iPhone 6」から「Galaxy Note 5」クラス。ガリガリの3Dゲームをやらない限りは問題なし
【プリインアプリや設定などの基本機能を紹介】
出荷の遅れや対応バンドからも海外の在庫の焼き直しかと思われる部分もありますが、どうしてどうしてしっかりと日本の仮想移動体通信事業者(MVNO)のアクセスポイント(APN)設定がある程度実装されていました。また内蔵(プリインストール)アプリとしては、Lenovoでお馴染みの「SHAREit」や「SYNCit」のほか、「Dolby(Atomosの設定)」やデモアプリとなる「LenovoPHAB 2 pro」、ウィルス対策アプリ「McAfee Security」、日本語入力アプリ「FSKAREN」ほか、「AccuWeather」や「Netflix」となっています。
これらのプリインアプリのうちでアンインストール可能なものは「SHAREit」および「SYNCit」、「McAfee Security」、「FSKAREN」の4つ。
APNのプリセットはなかなか揃っている状態
日本における3Gと4Gによる「DSDS(デュアルSIM・デュアルスタンバイ)」は不可、フォントは変更不可、ワイヤレスディスプレイ(Miracast)対応、電源ボタンを2回押してカメラ起動などがサポートされています。
また、設定には「Tango」の設定項目があり、領域額主、データセットのカテゴリーにおいてアプリ毎に許可、拒否の設定が可能となっていました。Tangoの設定項目では「領域記述の消去」の項目あり。おそらくエリアラーニングで学習された空間情報の消去が可能になっているものと思われます。
【その他のカメラ機能などについても確認】
残念ながらカメラは機能および性能とも最低限のみとなっていました。画角が狭く、少しくらめ。静止画、動画とも手ブレ補正なし。4Kの録画はできず動画は1080P、720P、静止画は(16:9)5312×2988、(4:3)4000×3000。顔写真の補正機能(フェイスビューティ)あり、HDRあり。撮影モードは「夜景モード」「AR」「広角セルフィー」「パノラマ撮影」「通常撮影」と少なめです。せっかく5.1ch録音があるので動画には力をいれてほしかったところですが、端末価格的なものでいえば必要十分、といったところでしょうか。その他、1週間ほど使っていて気になったのが重さと、照度を自動にしたときの精度の低さです。重さはまぁ、そのうち慣れそう状態ではありますが、サイズがほぼ同じの「HUAWEI P8max」をもったときにその重さを実感するといったところでしょうか。
画面照度の自動の精度の低さはLenovo端末の特徴なのか、YogaTabletでも見受けられた「周りの明るさが変わっても検知しない、遅い」や「画面がなぜか少し暗めになる」といった挙動が確認されました(まだ少しましになりましたが)。
以上から、SIMフリースマホとしての実力という意味では「同価格帯の他端末に一歩劣る」といったところでしょうか。ただし、Tango対応アプリの利用は実用面からもエンターテイメント面からもしばらく(Tango対応端末は12ヶ月間ほどLenovoのみであることがGoogle、Lenovo間の契約で約束されています)は本端末のみで楽しめる要素となるため、Tangoをどうとらえるかが本端末の購入するかどうかの分かれ目となりそうです。
記事執筆:29a
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