Tangoを活かしたゲームって?Lenovo Phab 2 ProでAR以外のアプリを紹介

レノボ・ジャパンから12月2日に予約販売が開始された世界初の3Dカメラ機能「Tango」に対応した商用製品のスマートフォン(スマホ)「Lenovo Phab 2 Pro」(以下、Phab 2 Pro)。これまでに開封レポートで外観や同梱物を紹介し、前回は注目のTangoアプリのユーティリティー編として実用系アプリを紹介しました。

しかし、Tangoの技術の汎用性はわかりやすい実用系のみにはとどまりません。そこで今回は、Tangoにより性能向上が見込まれるAR(拡張現実)やVR(仮想現実)を活かしたゲームアプリを紹介していきたいと思います。

開封レポート時からARやVR、そしてMR(複合現実)の要素技術としてTangoがよりそれらの分野における性能(主にトラッキング)を向上させることについて触れましたが、では同分野で現在主流のアプリやゲームではどう活かされているのか、以下に3つほど試したアプリを紹介させていただきます。

【ペットゲーム「Raise」】

まずはじめに紹介するRaiseは、分かりやすいAR電脳ペットです。犬(?)をAR空間で飼うというもの。

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ゲームを開始するとボックスで送られてきた犬(?)が、AR空間に現れます。次に、取扱説明書が現れ、近づくとゲームの進め方、注意点が表示されます。

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Tangoの技術はどう活かされているのかという意味では、犬(?)の位置が過去のARと違い、ずれない、ぶれない、見失いにくい、近づける(遠ざかれる)というものです。

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ただ、英語版のみでデザインもいかにも海外版という大味なもの。また、ゲーム性もこなれている状態ではなく、まだまだ試行錯誤段階というところとなっています。

【脱出ゲーム「GHOSTLY MANSION」】

GHOSTLY MANSIONは洋館から脱出するというホラーもの。こちらはARではなくVRゲームとなっています。

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ゲームを始めるとなかなか美麗なグラフィックとともにモノローグが表示されます。画面下部には「探すもの」が表示され、歩き回りながら探すというゲームになっています。

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ただし、このゲーム、Tango対応というだけあって実際に歩いた分だけプレイヤーが移動します。そのため、少し部屋を暗めにしながら画面だけをみて、部屋の生活音をシャットアウトしつつやると楽しめるかも。

弱点は「歩いた分だけがプレイヤーが移動」する部分。ものによっては届きません……画面上部には「位置をリセット」があり、主人公が元いた位置に戻るのですが、場所を確保してから「位置をリセット」しないと逆にどこにもいけず、ここら辺はもどかしさを感じます。位置をポーズにしてプレイヤーが広い場所まで移動できるほうが良かったかも。

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届かない……

Tango対応ゲームの中でも無料枠でこのグラフィックのクオリティーはなかなか、ちょっと試してみるのもいいかもしれません。今後の展開次第ではかなり楽しめるゲームになりそうです。

【箱庭探索型ゲーム「Woorld」】


どこかで見た世界観が……と思ったらこちらのWoorldは、「塊魂」で有名な高橋慶太氏によるAR箱庭探索型ゲームでした。

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導入から「さすが」と言わんべきアプローチがあり、Tangoの機能を意識せずに「壁をみせて」とか「天井をみせて」と出てきたキャラクターに要望され、そのまま空間情報がスキャンされていきます。

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スキャン後は「?」が格子状になる。

ある程度スキャンが終わったらタップの指示がでて、タップしたら中からアイテムが。アイテムは雲や太陽、草などかなり多いようでこれらを集め、配置して楽しむゲーム内容となっています。

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また、クオリティーがそれまで紹介したゲームと頭ひとつ違うなという部分で筆者がARやMRで気になっていた「回り込み」の部分があります。

Woorldでは、Tangoの技術を活かしてちゃんと「実際の物体の裏に回り込むとマスクされる(後ろにあるのに表示される)」を可能な限り回避しているように見られました。

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個人的に感動したポイントがこちら。まだちょっと見切れる部分がありますが、これがあるとないではARやVR、MRでいうプレゼンス(実在感)が全然違います。


以上、3点をゲームの分野から紹介いたしました。とはいえ、Tangoアプリはまだまだ発展途上、2017年は対応製品も増えることからこれからまた機会があれば面白いアプリを紹介できればと思っています。

次回、Tangoアプリから一段落しましてLenovo Phab 2 Proのスマホとしての実力はどうなのかといった辺りをお送りしたいと思います。ではでは。



記事執筆:29a


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