既報通り、ソフトバンクは16日、都内にて新サービス発表会「SoftBank 2017 Spring」を開催しました。ソフトバンクは2006年に当時のボーダフォンを買収し、移動体通信事業に参入してから2016年で10年の節目を迎えていました。
本発表会でも冒頭にソフトバンク執行役員 プロダクト&マーケティング統括モバイル事業推進本部 本部長を務める菅野圭吾氏が登壇し、これまでの事業内容の略歴やお客様への感謝を述べました。
そんなソフトバンクが新たな10年を踏み出す年となる2017年はどのような施策から始まるのでしょうか。本発表会の模様とともにご紹介します。
■大好評だった「SUPER FRIDAY」
10周年を記念した施策として昨年10月より行われていたサービスが「SUPER FRIDAY」です。吉野家やサーティワンアイスクリームといった特定の企業やサービスと提携し、毎週金曜日にSoftBankユーザーへ無料サービスを行うといったもので、当日には各地の店舗前に大行列を作る社会現象まで起こすほどの大反響がありました。
菅野氏は「SoftBankユーザーを含め、たくさんのみなさまにご迷惑もお掛けしたかと思います」と謝罪の言葉も含めながら施策の成功と反響の大きさを語り、たくさんの喜びの声を頂いたと感謝を述べました。
SUPER FRIDAYは昨年12月で一旦終了しましたが、菅野氏は「今後も続けてほしいという声を多数いただいている」と述べ、新たなSUPER FRIDAY施策として2017年3月にファミリーマートの「ファミチキ」が1個無料に、4月にはサーティワンアイスクリームのアイスクリーム(レギュラーシングルコーン)が1個無料になる「SUUPER FRIDAY 第2弾」を発表しました。
■学生向け施策「学割モンスター」を強化。賢く使って賢く節約
学生向けの学割施策についても新たな強化策を発表。すでに12月よりサービスを開始している料金プラン「ギガモンスター」の料金を1年間毎月1,080円(税込)を割り引く「学割モンスター」を「学割モンスター U25」と改定し、新たに「学割モンスター U18」を追加しました。学割モンスター U18の適用期間は1月21日~5月31日となります。
学割モンスター U18は新規および他社から乗り換え(MNP)による契約に適用され、適用期間は契約者が19歳になるまでとしています。キャンペーン期間中に契約者の家族が追加契約したり光回線とのセット割である「おうち割 光セット」などを併用することで最大月額2,980円(税抜)/3GBからの利用が可能となっており、この場合最大でも月額4,980円(税抜)/20GBとなります。
また学割施策として「学割SUPER FRIDAY」を実施。25歳以下のソフトバンクユーザーが対象で前述したSUPER FRIDAY 第2弾の無料サービスの内容が2倍となります。
■ポイント還元でサービス価値を提供するソフトバンクとYahoo! JAPAN
ショッピング関連の施策では、インターネット通販サイト「LOHACO(ロハコ)」で買い物をすると全商品いつでもポイントが10倍貯まる「ソフトバンクなら いつでもポイント10倍キャンペーン」を2017年2月1日から5月31日まで実施すると発表しました。
本キャンペーンの紹介ではヤフー代表取締役社長の宮坂学氏も登壇し、ヤフーショッピングが出店料無料や売上ロイヤリティー無料などを背景にeコマース市場の中でもとくに大きな成長を見せている点や国内最多のストア数を誇っている点を挙げ、ポイント還元率の向上によって「日本一お得な売り場への挑戦」を掲げました。
■スマホ料金とサービス価値の両面で攻めるソフトバンク
学生向けとしつつも25歳以下から適用される施策を多く打ち出し若年層の取り込みに力を入れるSoftBankですが、その背景には昨年あたりから一気に知名度を上げ始めた仮想移動体通信事業者(MVNO)サービスの存在があります。
スマホ本体の価格上昇と高止まりした料金プランは消費者から敬遠され始め、その「逃げ場」として認知されたMVNOがブームとなり、ソフトバンクに限らずNTTドコモやauといった移動体通信事業者(MNO)にとっては対策が急務となりつつあります。
学割モンスター U25・U18といった施策はそういったMVNOへ「未来の長期利用者」になるかもしれない若年層が流出するのを食い止め自社網へ誘導するための施策であり、低価格を売りにしたMVNOに対して大容量や高いサービス品質を武器に、家族を巻き込む形で今のうちに囲い込みたいという思惑が読み取れます。
一方で既存客へのサービス価値の向上策としてSUPER FRIDAYの継続やYahoo! JAPANとの連携を打ち出し、単純な通信料金勝負ではない付加価値の部分でも積極的にアピールしてきました。質疑応答でもソフトバンクの携帯電話事業におけるサブブランド「Y!mobile(ワイモバイル)」との差別化について質問された際には「ECサービスなどの体験価値を組み合わせて棲み分けられると考えている」と述べ、また月額料金の高騰についても「スーパーフライデーなど通信料金以外にお客様に高い体験勝ちを提供できている」として、今後もサービス品質の向上に努めていく考えを示しています。
スマホ本体の実質0円販売に関する総務省とのやり取りやその取り決めからの実質禁止、さらに通信料金の高止まりに対する批判と消費者の反応など、2016年は携帯電話業界に鬱積した問題点が様々に浮き彫りになった年であったようにも感じられます。奇しくもソフトバンクはその年に10周年を迎え、今年11年目を迎えます。「新たな10年」への足がかりとなる2017年はソフトバンクにとってどのような年となるのでしょうか。
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