nuroモバイルがXperia XZ Premiumの発売とXperia限定プレミアム帯域オプションを発表!

既報通り、ソニーネットワークコミュニケーションズは28日、NTTドコモから回線を借り入れて仮想移動体通信事業者(MVNO)として提供している携帯電話サービス「nuroモバイル」( http://mobile.nuro.jp )において4Kディスプレイを搭載したプレミアムスマートフォン(スマホ)「Xperia XZ Premium」(ソニーモバイルコミュニケーションズ製)の取扱開始と、同機種向けにユーザー1人1人に専用帯域を用意した「Xperia限定プレミアム帯域オプション」を発表しました。

Xperia XZ Premium向けの料金プランはデータ容量2GBに端末割賦代金と基本通話料金が含まれた「リーズナブルプラン」の月額2,980円(1年目)からとなっており、Xperia限定プレミアム帯域オプションは月額2,000円となっています(金額はすべて税抜)。なお、料金などの詳細はこちらの記事をご参照ください

MVNOとしてはかなり挑戦的なオプションとなる帯域保証型オプションを用意してきたnuroモバイルの狙うユーザー層と戦略とは一体どのようなものなのでしょうか。発表会場に展示されていたXperia XZ Premiumの写真とともに紹介・解説します。

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ゲストに井上尚弥さん、片岡鶴太郎さん、若槻千夏さんが登壇し、Xperia限定プレミアム帯域オプションの快適な通信速度を体験


■ハイエンドスマホをキャリアロゴなしで!
今回取扱開始が発表されたXperia XZ Premiumは6月にNTTドコモ向けとして発売された「Xperia XZ Preimium SO-04J」のSIMフリー版で、当然ながら本体にはNTTドコモのロゴなどはありません。

基本性能もNTTドコモ向けの機種に準じており、約5.5インチ4K(3840×2160ドット)のHDR対応IPS液晶「トリルミナスディスプレイ for mobile」、4GB内蔵メモリー(RAM)、64GB内蔵ストレージ、秒間960コマのスーパースロー撮影に対応した「Motion Eye」カメラシステムに対応した有効約1920万画素裏面照射型CMOSイメージセンサー「Exmor RS for mobile」のリアカメラなど、先進性能や機能を惜しみなく投入したハイエンドモデルです。

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国内メーカーらしくおサイフケータイ(FeliCa)やフルセグ/ワンセグにも対応


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輝くような光沢感が美しい背面


nuroモバイルが販売するXperia XZ Premiumは他社製SIMカードによる動作を保証していないもののSIMフリー仕様となっており、NTTドコモのロゴのないSIMフリー製品を求める人にも魅力的な選択肢となりそうです。もちろん、NTTドコモ関連のプリインストールアプリもありません。

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SO-04Jの背面に大きく印字されたNTTドコモのロゴを嫌がる人も少数ながら存在している様子(写真はSO-04J)


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microSDカードやUSIMカードのスロットはトレー式。かなり小さく取り扱いの際には紛失や破損に注意したい


■アップロードフリーの「アゲ放題」にも注目!
今回の発表会のメインとなったのは、端末よりも「Xperia限定プレミアム帯域オプション」でしょう。一般的に通信帯域というのは複数のユーザーが同時に利用することが前提となっており、その仕組み上料金を安く抑えられるメリットがある一方で、利用するユーザー数や利用データ通信量によって回線速度が大きく増減するのがデメリットとなっています。

これがNTTドコモのような移動体通信事業者(MNO)であれば十分な帯域を確保し安定した通信速度を得やすくなりますが、MNOから回線を借り受けて運営を行うMVNOでは借り受ける通信帯域にもコスト的な問題から限界があり、多人数が同時に利用すると一気に通信速度が落ちてしまいます。そこでnuroモバイルではユーザーそれぞれに専用の通信帯域を保証しMNOに近い通信速度を安定して得られるオプションプランを用意したのです。

発表会場では実際にXperia限定プレミアム帯域オプションありの端末とXperia限定プレミアム帯域オプションなしの端末で速度比較が行われましたが、たしかにXperia限定プレミアム帯域オプションありの端末の方が安定して高い通信速度を出していました。

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会場に併設されたタッチ&トライコーナーの速度テスト機


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左が本オプションあり、右が本オプションなしの速度。会場は電波状態が悪く速度が安定していなかったものの、ほぼ常に本オプションありのほうの通信速度が高かった


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スタッフが事前にテストした速度結果を撮らせていただいた。左が本オプションあり。右の本オプションなしの場合と比較してかなりの速度が出ている


またこのオプションでは上り回線の通信容量の限界がなく、どれだけアップロードを行っても契約容量を消費しない「アゲ放題」が設定されており、Xperia XZ Premiumが得意とする動画なども通信容量を気にすることなくオンラインストレージやSNSへアップロードすることが可能です。

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自分だけの専用帯域を持てるため、他ユーザーの利用状況などを気にすることなく快適に通信が行える


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TwitterやInstagramへの動画アップロードがブームとなっている今、アップロードフリーは意外と見逃せないメリットだ


■ハイエンド志向のユーザー獲得に自信を見せるnuroモバイル
こういった「帯域保証型」サービスは個人向けのMVNOではかなり珍しく、他社ではケイ・オプティコムが運営する「mineo」サービスで「プレミアムコース」として限定的にトライアルが行われている程度です(2017年11月27日現在、このトライアルの募集は終了している)。

また対応する端末を限定している点も特徴的で、一般に「格安SIM」や「格安スマホ」として広く認知されているMVNOにおいて、敢えてハイエンド端末を用意しMVNOとしては高額とも感じられる料金設定にしてきたことは、MVNO業界の低ランニングコスト路線に逆らうような印象すらあります。

この点について、ソニーネットワークコミュニケーションズ 執行役員SVPの渡辺潤氏は「お客様によりプレミアムな体験をして頂きたいと思いXperia XZ Premiumを選んだ。Xperia限定プレミアム帯域オプションの「アゲ放題」によって、この端末が持つ高い動画撮影機能で撮影された動画もそのままSNSなどで楽しめる」、「料金プランは一見高く見えるが、端末割賦代金や10分かけ放題オプションなどを含めた料金なので安さを実感していただけると思う」として強気の姿勢を見せています。

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ソニーネットワークコミュニケーションズ 執行役員SVP 渡辺潤氏


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一見すると安さの際立つプランに感じられるが、2年目や3年目に段階的に料金が上がるなど実質3年縛りとも取れる料金設定は、購入前に十分に検討したほうが良いだろう


■ハイエンド&高品質を「高めの料金設定」で販売する戦略はMVNO市場で受け入れられるか
nuroモバイルと言えばデータ通信容量を1GB刻みで契約できる自由度の高い料金プランなどが好評で、これまでは主に回線品質よりも低コスト運用を重視したユーザーが利用する傾向の強いMVNOでしたが、今回のXperia XZ Premiumの投入とXperia限定プレミアム帯域オプションの販売によって、比較的安価ながらも回線品質とハイエンド性能を求める新たな市場の開拓に乗り出してきました。

同様の市場は他にほぼ選択肢がなく同サービスの大きなアドバンテージとなり得ますが、一方で回線品質の安定したMNOや、UQ mobile、Y!mobileといったMNOのサブブランドと比較した場合にどこまで回線品質の良さをアピールできるのか、またその品質に対する価格的メリットをユーザーに納得してもらえるのかが大きなポイントとなりそうです。

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登壇したゲストのみなさんが応えた「nuro mobile × Xperia あなたならどう使う?」。次はユーザーになる人々が考える番だ





記事執筆:あるかでぃあ


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