京セラが開発したAmcenna(アムセナ)とは!? |
幕張メッセ(千葉県千葉市)で10月16日(火)から19日(金)の4日間に渡って開催されたIT関連の国際的な展示会「CEATEC JAPAN 2018」が主催する「CEATEC AWARD 2018」において、京セラの「Amcenna(アムセナ)」が総務大臣賞を受賞した。
いったいこのアムセナとは何なのか?京セラブースでアムセナについて聞いてきた。そのほかにも、京セラブースで気になった展示をチェックしてきたので、その模様を紹介する。
○アムセナとは?
アムセナとは、ひと言でいえば超小型のアンテナ。小型人工磁気壁にアンテナの機能を持たせた独自アンテナで、小型人工磁気壁(=Artificial Magnetic Conductor)の頭文字「AMC」と、アンテナ(=Antenna)の語尾「enna」を組み合わせた造語が「Amcenna」となる。アムセナの大きな特徴は、金属上や水の近くでも特性が低下しないという点。また、アンテナ同士が接近しても干渉が起きにくい点も特徴で、基地局を密接できる。
ブースの説明員によると、人工磁気壁が有用であることはこれまでにも分かっていたが、アンテナと一体化させるための設計が難しかったのだという。それを実現したのが、このアムセナというわけだ。
なお、このアムセナが「CEATEC AWARD 2018」で総務大臣賞を受賞した理由は以下の通り。
人工磁気壁(AMC)の小型化とAMC自体へのアンテナ機能の付加による独立アンテナ化、小型・薄型化を実現。従来は難しかった機械設備、自動車ボディ等の金属部分やウェアラブル機器への小型アンテナ設置が可能なため、IoT分野における通信デバイスのキーテクノロジーとして期待される。
○オーディオ・振動アクチュエータ
アムセナ以外の展示もいくつか簡単に紹介しよう。ライフスタイルカテゴリーでは、オーディオ・振動アクチュエータが展示されていた。高い骨伝導性能で周囲への音漏れがほとんどなく、快適に聞き取ることが可能な振動アクチュエータ。小型・軽量・省電力・ハイパワーを実現し、VR・ARイヤホンやヘルスケア機器などでの活用が期待される。
体験コーナーで実際に試したところ、音声はかなり聞き取りやすかった。また、ひとつの信号に対し、複数のアクチュエータを接続できる点も特徴とのことだ。
○AI認識車載カメラモジュール
開発中の製品ではあるが、AI認識車載カメラモジュールもデモ展示していた。いわゆるAI認識カメラだが、小型化し車載に搭載することでセンサーにもなるというもの。車の後方ナンバープレートの上くらいに設置することを想定しているという。地上からおよそ1mほどの高さだ。
「物体検知」では、人(歩行者)、車、バイク、自転車の4つを検出し、それぞれ、赤、緑、紫、黄色で表示する。会場にもカメラを設置し、ライブデモを行っていたが、多くの来場者によってほとんどが赤色で表示されていた。
「フリースペース検知」では、障害物がないスペースと、障害物までのスペースを検知する。自動駐車システムへの適用が可能なのだという。
説明員によると、実際にこのモジュールを搭載した車が2021年には登場する予定だという。
記事執筆:2106bpm(つとむびーぴーえむ)
■関連リンク
・エスマックス(S-MAX)
・エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter
・S-MAX - Facebookページ
・CEATEC JAPAN 2018 関連記事一覧 - S-MAX
・CEATEC JAPAN 関連記事一覧 - S-MAX
・「CEATEC AWARD 2018」にて総務大臣賞を受賞 | ニュースリリース | 京セラ株式会社