アップルのワイヤレスイヤホン「AirPods(第2世代)」を購入&レビュー!

Appleは20日、完全ワイヤレスインナーイヤーヘッドホン(イヤホン)「AirPods」シリーズにおいて新しいAirPodsを発表しました。名称こそAirPodsのままで変わりはありませんが、新開発の「H1」チップセットを搭載し、バッテリー持続時間の向上や音声遅延の低減、iOSのAIアシスタント機能「Siri」の音声呼び出しなど、細かなブラッシュアップが施された第2世代となります。

第2世代AirPodsではワイヤレス充電ケースが用意されており(第1世代AirPodsでも利用可能)、ワイヤレス充電ケース単体「Wireless Charging Case for AirPods」の価格は8,800円、第2世代AirPodsとワイヤレス充電ケースが同梱された「AirPods with Wireless Charging Case」は22,800円、第2世代AirPodsとワイヤレス充電機能のない従来の充電ケースが同梱された「AirPods with Charging Case」は17,800円となります(金額はすべて税別)。

今回、筆者も第2世代AirPodsとワイヤレス充電ケースのセット「AirPods with Wireless Charging Case」を購入し、昨日3月26日に届きましたので、開封して第1世代AirPodsとの外観の比較などをレビューしてみたのでご紹介します。

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第2世代AirPodsは何が変わったのか


■変わらないデザイン、変わる利便性
まずは開封からです。AirPodsの外箱はデザインもサイズも第1世代とほぼ変わらず、軽く見ただけではどちらが新製品なのか判断できません。

裏面を見ると充電ランプが追加されたケースの写真や「ワイヤレス充電ケース付属」といった文言が書かれているため、ようやく新型機種であることが確認できます。しかしながら、従来の充電ケースとのセットを購入した場合、その差異はほぼないと考えて良さそうです。

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相変わらずシンプルな正方形の箱


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ワイヤレス充電ケースの表記も小さく見逃しやすい


同梱品はAirPods本体および充電ケース以外では、充電用Lightningケーブルと取扱説明書のみです。取扱説明書の操作説明も非常にシンプルで、最低限必要なことしか書いてありません。

次回行う予定の使用感のレビューにて解説しますが、AirPodsの操作設定の変更など、細かな説明がないのはシンプルを超えて少々不親切にも感じます。

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ワイヤレス充電ケースはLightningケーブルでも充電できる


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初期設定などはこの1枚の説明書のみ。しかも解説は各手順で1行のみという徹底したシンプルさ


それではAirPods本体やワイヤレス充電ケースを第1世代AirPodsおよび充電ケースと比較してみましょう。まずは充電ケースです。外箱同様、こちらも間違い探しのように瓜二つのデザインです。

AppleはそれだけAirPodsのデザインに自信があったという証拠かもしれませんが、充電ケースに互換性を持たせるためにもAirPods本体のデザインを大きく変えるわけにはいかなかったという事情もありそうです。

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従来の充電ケース(左)とワイヤレス充電ケース(右)


その違いを見抜けるのはワイヤレス充電ケースの正面に追加されたLEDインジケーターランプの存在です。非常に小さなLEDランプですが輝度が高く、充電状態によってオレンジやグリーンなどに光ります。

従来の充電ケースでは蓋を開けた中央に配置されていたランプが本体正面に移ったもので、ワイヤレス充電ケースでは蓋を開けた場所にはランプがありません。

背面はもっと違いが分かりやすく、AirPodsの初期化などに用いるボタンが中央寄りになったほか、ヒンジ部の金属が光沢感のあるグロス処理から光を乱反射して白く輝くサンドブラスト処理へと変更されています。

充電ケース本体が真っ白なだけに、ヒンジの輝き方にまでこだわったというところでしょうか。

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右のワイヤレス充電ケースのヒンジのほうが目立たず品の良い輝きだ


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左が通常の充電ケース、右がワイヤレス充電ケース。Lightning端子周りはほぼ変更がない


AirPods本体のデザインはさらに違いが分かりません。第1世代と第2世代を並べて撮影している際に取り違えたり混ぜてしまいそうになり、非常に気を使いました。

第1世代AirPodsをすでに持っており、第2世代AirPodsを買い足そうと考えている方は、2つの世代の本体を混ぜないように注意が必要でしょう。

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左が第1世代、右が第2世代。外観の違いは全く無いと言って良い


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左が第1世代、右が第2世代。スピーカースリットの形状からLRなどの刻印まで全く同じだ


スピーカー部やバッテリーおよびアンテナが収まっている「鞘」の部分までデザインが同じである理由は、前述した通り充電ケースの互換性を保つためだと考えられます。

しかし、内部のチップセットの変更によって連続通話時間は2時間から3時間へ向上し、デバイスの切り替え(例:iPhoneからiPadへ)に掛かる時間は2倍速く、電話の通話接続は1.5倍速く、そしてゲーム中の音声遅延(レイテンシ)は30%低減されました。

デザインには大きく手を加えず、しかし性能面で確実な進化を行うあたりはAppleらしいブラッシュアップの仕方と言えます。

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欲を言えばカラーバリエーションは欲しかったかもしれない


ワイヤレス充電ケースはiPhone 8やiPhone XSなどと同様に無接点充電規格「Qi」(チー)に対応しており、汎用の充電台がそのまま利用できます。

充電台にケースを置くと正面のインジケーターランプが一定時間オレンジ色に光ったあと消灯します。充電ケース自体の満充電にかかる時間は不明ですが、他のワイヤレス充電機器同様に有線接続による充電よりは遅くなるものと思われます。

ケースの重量は従来のものが38g、ワイヤレス充電ケースが40gと電磁誘導用のコイルが内蔵されている分わずかに重くなっていますが、大きな違いはありません。サイズはほぼ同じでありジーンズの前ポケットに入れてもまったく邪魔にならない携帯性は損なわれていません。

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写真では分かりづらいが、充電が始まりインジケーターランプがオレンジ色に光っている


■買い替え時期にギリギリ間に合ったAirPods
第1世代AirPodsが発売されてから2年以上という長い期間を経て登場した第2世代AirPodsは、敢えてデザインを変えずに互換性を重視する仕様で発売されました。

第1世代AirPodsの発売当時に購入した人の多くはバッテリーの寿命や劣化から買い替え時期に差し掛かっており、やっと買い換えられると胸を撫で下ろした人も少なくないでしょう。

第2世代AirPodsは現在オンラインショップのApple Storeで若干の品薄状態となっており、従来の充電ケースが同梱された「AirPods with Charging Case」は即日出荷が可能なようですが、ワイヤレス充電ケースが同梱された「AirPods with Wireless Charging Case」は2週間から3週間程度の出荷待ちとなっています。

第1世代AirPodsでも長期間の品薄状態が続き入手困難となっていた経緯もあり、その後に沸き起こった完全ワイヤレスイヤホンブームの中での今回の発売だけに、購入を検討している方は早めに注文したほうが良いかもしれません。

第2世代AirPodsの音質や低減したとされる音声遅延、Siriの音声操作などの使い勝手については、次回のレビューにてお伝えします。

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新しいAirPods生活が始まる






記事執筆:秋吉 健


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