小さい、軽い、ハイパフォーマンス、そして使いやすさでモバイルPCを再定義!VAIO SX12が発表

バイオは9日、都内にて「5周年記念 新製品発表会」を開催し、OSに「Windows 10」を搭載した12.5インチモバイルノートパソコン(PC)「VAIO SX12」を発表した。発売は2019年7月19日(金)で、すでに予約受付を開始している。また個人向けのVAIO SX12のほか、法人向けの「VAIO Pro PJ」も同時発売となる。

さらにキーボード刻印なしのカスタマイズ可能な「VAIO SX12|ALL BLACK EDITION」とVAIO 5周年記念の台数限定モデル「VAIO SX12|勝色特別仕様」モデルも発表となった。勝色特別仕様モデルには昨年発売の「VAIO SX14|勝色特別仕様」も同じく7月19日に発売される。

販売価格はオープン価格ながらオンラインショップ「ソニーストア」などのソニーマーケティングが取り扱う個人向けカスタマイズモデルが119,800円(価格はすべて税抜)から、VAIOが取り扱うオリジナルSIMバンドルモデルが141,800円から、家電量販店モデルは194,800円からとなる。

またALL BLACK EDITIONのソニーマーケティング取り扱うモデルが201,800円から、バイオが取り扱うオリジナルSIMバンドルパッケージが223,800円から。勝色特別仕様モデルは、ソニーマーケティング取り扱いモデルが216,800円から、バイオが取り扱うオリジナルSIMバンドルパッケージが262,800円からとなる。

今回はメインマシンの最小形をコンセプトとするVAIO SX12を、記者発表会の前に行われた内覧会での取材をもとに写真と動画で紹介していく。

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VAIOと言えば、ソニー時代から最先端の尖った製品を世に送り出すメーカーというイメージが強かった。最先端からトレンドが生まれることもあったが、後継機がなく終息したプロダクトもあった。

中でも「バイオノート505」シリーズは、メタルボディーの“銀パソ”の魁として新しい流れを生み出したことは、当時を知る人間は懐かしいと思うのではないだろうか。そして、今では当たり前となった13.3インチワイド液晶を初めてモバイルノートに使ったのもVAIOなのだという。

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そのコンセプトは、メインマシンの生産性とサイズ感のベストバランスを狙うというもので、フルピッチのキーボードにピッタリと合うサイズの液晶を探して13.3インチワイド液晶を新しく起こして搭載したのだという。

13.3インチワイド液晶はスタンダートとなり、今や日本国内のモバイルノートのシェア50%以上となった。

一方でUMPC(Ultra-Mobile PC)や2in1、クリエイター向けタブレットPCなど、ニッチなニーズの開拓にもチャレンジしていが、後継機種が途絶えている。とくにプロのクリエイター向けを謳う製品は、スペックだけではなく現場で使う際のさまざまなユーザーの要求も高いことに苦労したようである。

例えば、視差が少ないワコム製の専用デジタイザースタイラスペンが利用できる「VAIO A12」は、法人利用の現場での手書き利用を推し進めたモデルだ。手書きによるクリエイティブな用途にも使うことも可能であるが、クリエイター向けと強調していない点にこれまでの苦労が読み解けるように思う。

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今の時代は、モバイルPCが一般的に利用されるようになった。法人需要もさまざまな業務を1台でこなせるようなメインPCとしてモバイルPCが選ばれている。各社、軽量化やメインPCとしての使い勝手を発揮できるよう、狭額縁による大画面化、キーボードの打ちやすさ・静音製など、どこでも生産性を上げられるような製品開発が主流となった。

VAIOがモバイルPCのスタンダード化した13.3インチのモバイルPCに対して、それまでのスタンダードであった11インチのモバイルPCは、いまだに外に持ち出して利用される率が高いのだが、13.3インチのような市場の広がりがない。

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それは、11インチでは画面だけではなく、キーボードサイズなど機能の制約もあり小さすぎると感じられている。11インチと画面サイズの大きいPCとの2台持ちで、いわゆるサブノートとして利用されるケースもあることから、その不満点を読み解きながら新製品の開発を行ったと言う。

一方で、1世代前の13.3インチの「VAIO S13」と11インチ「VAIO S11」を比較すると、モバイルPCとしてはキーボードのサイズと画面の大きさ以外、コンパクトで軽い11インチのモバイルPCが負けている要素がないということから、11インチサイズのモバイルPCをもう一度見なおしたのが、VAIO SX12のメインマシンの最小形というコンセプトである。

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外観はフラットなデザインのVAIOらしさを踏襲しているが、19mmのフルピッチのキーボードを11インチサイズの筐体に詰め込むために筐体の内部設計の見なおしを行っている。

従来は17mmサイズのキーボードを採用していたが、それは側面の端子類を避けるためにキーボードを中央に寄せる必要があったからである。17mmのキーボードは、独特のサイズ感から、慣れる必要があったことは否めない。

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VAIO SX12はこの端子の上までキーボードのバックプレートを拡張して、19mmのフルピッチのキーボードを搭載し、打ちやすさを追求している。

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従来は避けてきた端子類の上まで、キーボードのバックプレートが来るということは、その分厚みが増すことになるが、VAIO SX12は端子と基板、筐体のレイアウトを見なおすことで、薄さを追求したという。

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バックプレート分の厚みからくる端子類のスペースを底面から削り、側面のパーツを配置。さらに端子類と接続している基板をバックプレートの厚み分下げてレイアウトしている。

しかし、こうすることで従来よりも基板とキーボードのバックプレートと底面の空間が減少するため、基板に実装するパーツは低背面のパーツに差し替えるなどしている。唯一、高さがあるパーツは、実装面を裏面にすることで解決している。

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こうしたチャレンジには、モバイルPCとしてのサイズ感を大事にしていることと、メインマシンの最小形のコンセプトである、インターフェイスをフル装備しているVAIOらしさの継承がある。

モバイルPCでありながら、D-Sub 15ピン端子や有線LANなどオフィス利用を想定したインターフェイスを搭載している。

もちろん、高速でさまざまな機器との接続が可能な最新のUSB 3.1規格の端子も搭載しているので、古い機能をただ継続しているわけではない。

またコンパクトな筐体ながらSDカードリーダーライターも内蔵している。microSDではなく、“大きい方”のSDカードである。

キーボードの大型化のチャレンジと合わせて本体の冷却機能も見直しをしている。従来は背面のスリットからクリーンエアを取り入れて、ファンからの廃熱をスリットで拡散する方式だった。

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VAIO SX12は背面のスリットを筐体右側だけにして、クリーンエアを右側から吸い込んで、基板上を流して左側に設置したファンで左側に流す方式に変更し冷却効率を上げている。こうすることでプロセッサーのパフォーマンスを効率よく引き出せるよう改善した。

さらに熱問題はプロセッサーだけではなく、筐体の発熱という課題もある。膝上での利用も多いモバイルPCにおいて筐体裏面が熱くて使えないとなっては大問題だ。

そこで、熱を拡散するためのアルミシートの見直しも行っている。まず着目したのが、ファン取り付け部分だ。従来モデルはファンの裏側もアルミシートだったが、ここは熱の拡散ではなく廃熱効果を高めるためにファンの形状にアルミシートをカットしている。

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VAIO S11の熱拡散アルミシート

またアルミシートと筐体を固定するための突き出しリブが、ホットスポットとなって背面に熱が伝わっていたことから、リブの上までアルミシートで覆うことでこれを解消している。こうすることで、パフォーマンスとモバイルPCとしての熱対策を講じている。

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VAIO SX12の熱拡散アルミシート

そして狭額縁化ですることで11インチサイズの筐体に12.5インチのワイド液晶を搭載した。この12.5インチのサイズは、法人市場のニーズ調査においてディスプレイサイズの12インチや13インチが多いということから解を見出しているとのこと。

VAIO SX12は、重さ約897g。見た目がコンパクトなだけに意外と数値よりもズッシリとした重さを感じるが、13.3インチ モバイルPCのような大きさがないことから、携帯性に優れているのは確かだ。


動画リンク:https://youtu.be/Ao0Iqw8WssA


VAIOは現行モデルにおいて、VAIO SX12より大画面モデルが「VAIO SX14」となる。こちらは13.3インチの筐体に14.0インチのワイド液晶を搭載した、いわゆるインチアップモデルであり、ラインナップでの競合は少ないように思う。

性能面では両モデルともに上位モデルには第8世代Core i7-8565U(4コア8スレッド、1.8GHz・ターボブースト時最大4.6GHz)のプロセッサーを搭載、内蔵メモリー(RAM)が最大16GBなど、パフォーマンスは同等である。

こうしたことからよりモビリティーを高めてメインマシンとしての価値を上げるためのフルピッチのキーボードの搭載と、12.5インチの大画面化したVAIO SX12がモバイルPCを再定義する魁となりそうである。

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キーボード刻印なしのALL BLACK EDITION


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VAIOのカラーである勝色(藍色)で染めた美しい仕上げの勝色特別仕様


記事執筆:mi2_303


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