スマホの賢い処分方法を紹介!

Appleの最新スマートフォン(スマホ)「iPhone 12」シリーズが発売されて1~2ヶ月が経ちました。すでに古い機種からの買い替え(機種変更)を済ませた方も多いでしょう。スマホの買い替えを行った際に意外と困るのが、これまで使っていたスマホの処分方法です。

NTTドコモやKDDI、ソフトバンクといった移動体通信事業者(MNO)の大手各社(以下、通信キャリア)では「下取りプログラム」が用意されていたり、スマホの返却を前提として割賦残債を免除する代物弁済契約(例:NTTドコモの「スマホおかえしプログラム」など)が主流となりつつあり、利用しているという人もいるかと思います。

一方、SIMフリースマホを利用している人の場合、そういった通信キャリアの仕組みを利用できない場合がほとんどです。そんなSIMフリースマホユーザーにとって大きな味方となるのが中古買取業者です。いくつかの条件はあるものの、メーカーや通信キャリアによる下取り価格よりも高く買い取ってもらえることが多く、上手に利用すればスマホの安価な運用が可能になります。

筆者もすでに紹介したように、11月に「iPhone 12 mini」のSIMフリーモデルをApple ストアで購入し、それまで利用していた「iPhone 11 Pro」のSIMフリーモデルを中古買取店にて売却しました。そこで本記事ではその模様をレポートするとともにスマホの賢い処分方法についてご紹介します。

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SIMフリースマホはMNOの下取りがないから損?そんなことはありません


■中古買取は店舗でもオンラインでも
SIMフリースマホの中古買取りの手順はとても簡単です。新しいスマホへデータを移行し、初期化を行ったら準備は完了。後は中古買取業者の買取窓口へ持ち込み売却するだけです(未成年の場合、保護者の同意書が必要であったり、買取そのものが拒否される場合もあります)。

最近では実店舗の買取窓口まで持っていかなくても自宅へ売却製品を引き取りに来てくれる業者もあります。輸送の際に傷がついたり業者自体が査定時に不正を行うリスクも高くなるため店舗への持ち込みよりも信頼性は落ちますが、自宅近くに中古買取りを行う店舗がない場合などは便利です。

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ビックカメラグループのオンライン買取サービス「ラクウル」。自宅まで製品を取りに来てくれる


筆者は今回、ソフマップの店舗での中古買取りサービスを利用しました。

店頭持ち込みの場合は対応スタッフへ直接売却製品を手渡しするため、お互いの立ち会いの上で現物確認ができる点や即時現金化できるメリットがあります。

自宅引き取りによるオンライン買取の場合、輸送にかかる時間も長い上に売却代金は銀行振込であったり、買取店が指定するポイントでの買取になるため、現金化に時間がかかったり、そもそも現金化できない場合もあります。

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筆者が利用したのは横浜ビブレ内にある「ビックカメラアウトレット×ソフマップ 横浜ビブレ店」


■中古買取りの仕組みと注意点
iPhone 12シリーズの発売時期であったために店舗の買取窓口には数人のお客が来ており、査定には約1時間程度の時間がかかりました。

ソフマップの場合にはSMSで査定完了を連絡してくれるサービスもあるため、1時間ずっと買取窓口で待っている必要もありません。他の買取業者の場合は5~10分程度で査定が完了することも多いため、全体として買取に手間と時間がかかる印象はありません。

ちなみに中古買取価格は業者によって若干差があり、付属品がなくても高く買い取ってくれる業者や、傷や凹みが多少あっても高く買い取ってくれる業者など、それぞれに特徴があります。

複数の中古買取業者に売却できる環境がある場合、それぞれの業者の特徴などを事前に比較しておくと良いかもしれません。

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筆者が毎年iPhoneの買取にソフマップを利用しているのがバレバレである


またソフマップに限らずいずれの買取業者でも、iPhoneシリーズのようにリセールバリュー(転売価値)の高い機種では、MNOが販売した製品であってもSIMロックを解除してから持ち込めば大幅に査定額が上がります。

冒頭にも書いたように、MNOでスマホを購入する場合はMNOに返却したり下取りを依頼して買い替える場合が多いため、中古買取業者を利用することはあまりないと思いますが、下取りよりも査定額が高い場合が多いため、より賢くスマホを買い替えたい場合は中古買取も考慮しておくと良いかもしれません。

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スマホを売るならSIMロックは解除!これが鉄則


MNOによるSIMロック解除方法は通信キャリアごとにさまざまですが、基本的には

・2015年5月以降に販売された機種であること
・SIMロック解除の対象機種であること
・購入から100日が経過している機種であること(一括購入であれば即日解除可能)
・ネットワーク制限や各種ロックがかかっていないこと
・割賦購入の場合、クレジットカード払いなどを利用していること

このような制限があります。他にも通信キャリアによって細かな違いがある上、スマホの購入時期などによって解除方法が異なる場合もありますので、各社の公式サイトで必ず確認しましょう。

またSIMロック解除にかかる手数料は、通常は店舗で行うと3,000円程度の手数料を取られますが、オンラインで行うと無料で行えます。通常としてと書いたのは、例えばソフトバンクショップではクレジットカードで支払った場合に、機種購入当日ならSIMロック解除手数料が無料となったりするケースがあるからです。

さらに最近では、NTTドコモが条件に合致している場合は購入時にあらかじめSIMロック解除を行った状態で販売するようになっており、この場合ももちろん手数料はかかりません。何はともあれ、仮に自分で他の通信キャリアで利用するということがない場合でも使い終わったら売却することを考えれば、SIMロック解除しておくと良いでしょう。

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SIMロック解除の手順や条件は一度目を通しておくと良いかも知れない


■MNOやメーカーの下取りは安い
さて、筆者のiPhone 11 Pro(256GB/ゴールド)は68,000円で売却できました。購入時の金額が 132,624円(税込)であったため、1年間半額以下の64,624円で利用できたことになります。

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満額査定ありがとうございます(11月中の買取だったため、12月5日現在よりも若干高い)


MNOによる下取りの場合、そもそものiPhoneの販売価格がAppleのSIMフリーモデルと比較して10,000円~15,000円程度高いことが多い上に下取り価格も低いため、ここまで安価な運用はできません。

またAppleにもiPhoneの下取りプログラムがありますが、こちらも一般市場での中古買取価格より若干低くなります。

iPhone以外のスマホの場合、リセールバリューが低いために中古買取よりもMNOやメーカーによる下取りのほうが高くなる可能性もありますので、MNO販売のスマホを売却する場合は下取り価格と市場での買取価格は必ず比較しましょう。

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auやソフトバンクの場合、下取り金額がかなり安い上にポイントでの支払いとなるため、利用するメリットが非常に低い


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Apple自身によるiPhoneの下取りも全体的に若干安い(いずれも最大容量の人気カラーモデルでの買取上限額)


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スマホ買取大手「イオシス」の買取価格。やはり一般業者は高めの買取価格


■賢く売って賢く節約
かつての携帯電話(フィーチャーフォン)時代の流れからか、未だにスマホを買い換える際に慣例的に「機種変更」という言葉を使ってしまいますが、厳密には機種変更という呼び方はあまり適切ではありません。

現在のスマホは基本的にSIMを差し替えるだけで自由に使えるため、買い替えや買い増しと呼ぶのが適切です。

そのような時代だからこそ、買い替えも賢く自由に選択することが重要です。MNOのキャリアショップで言われるままに下取りに出してしまうのは大損です。

「そんな面倒はしたくない」、「手間を考えたら2~3万円高くなっても良い」という人であれば、それもまた選択肢の1つでしょう。ですが、毎月の通信料金や端末代金で頭を悩ませた経験があるなら、十分一考に値する手間と金額差です。

新しいスマホを買う前に、今使っているスマホをどのように処分するのが得なのか、ぜひ一度調べてみてください。想像以上にお得な買い替えができるかもしれません。

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決して安くはないスマホだからこそ、買い替えにも気を配りたい








記事執筆:秋吉 健


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