PECOフィルターによるウイルス不活化の実験結果を報告

ソースネクストは20日、アメリカのMolekule(モレキュル)が開発を手がける空気清浄機「Molekule Air Mini+(モレキュル エアー ミニ プラス)」に採用されている「PECOフィルター」において空気中のコロナウイルスやインフルエンザウイルスを99%以上減少および不活化する効果が得られたという実験結果について発表した。

Molekule Air Mini+で採用されているフィルターは、空気中の微細なホコリを取り除くために広く使われているというHEPAフィルター(High Efficiency Particulate Air Filter)の基準より1000分の1も小さな物質を除去できるというモレキュル独自のPECO(Photo Electro-chemical Oxidatio)フィルターというもの。光活性ナノフィルターと特殊な触媒がさまざまな分子を分解、除去して空気を浄化するというPECO技術はアメリカで特許を取得している。

ソースネクストは昨年5月にMolekule Air Mini+の国内独占販売権を取得し、2020年11月10日から販売している。今回、このPECOフィルターにおいてウイルスの減少や不活化が確認された実験結果をモレキュルが公表したことにより、モレキュルと業務・資本提携しているソースネクストも国内向けに同内容を発表した格好となる。

201110_sourcenext_92_960
簡単に持ち運びができるパワフルな空気清浄機


201110_sourcenext_79_578
Molekule Air Mini+の仕組み

Molekule Air Mini+は、重量が約3.3kgと持ち運びが可能な重さで、スタイリッシュなデザインでありながら日本電機工業会規格 JEM1467に基づき算出された適応面積が約10畳と、パワフルな性能を兼ね備えている。

仕組みとしては、カバー部分と台座部分の間にある360度の吸気口から空気を取り入れ内部のプレフィルターで大きめの物質を除去。その後、PECOフィルターを通る間に光を照射してさまざまな物質を分解、除去して、きれいになった空気を本体の上部から放出する。

PECO技術はこれまでにも、モレキュルのラボやサードパーティの認定ラボでさまざまな物質除去について多くのテストを実施しているが、今回はミネソタ大学物理工学部と獣医学部が実施した実験内容を公表している。

201110_sourcenext_71_960
カバー部分を外したところ


201110_sourcenext_74_960
PECOフィルターの外側


201110_sourcenext_75_960
PECOフィルターの内側

ソースネクストがプレスリリースにおいて公表した実験概要および注記は以下の通り。

■検証ウイルス(3種)
・牛コロナウイルス(BCoV)
・豚呼吸器コロナウイルス(PRCV)
・インフルエンザウイルスA型(H1N1)

本実験にあたり、現在、世界的大流行の原因となっている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)と同様の特性を持つ種の中から、空中浮遊するコロナウイルスである、牛コロナウイルス、および豚呼吸器コロナウイルスを検証ウイルスとして採用。

■実験方法
空気トンネルの中を、ウイルスが入った風を1度だけ通し、どの程度空気が清浄されたかを測定する「シングルパス」方式を採用。
同社のPECOフィルターが搭載された空気清浄機の空気吸い込み口にのみ空気が流れるようにして実験を実施。

■実験結果(図参照)
3種のウイルスすべてで99%以上の除去に成功。
ウイルス力価(グラフ内の黒色棒グラフ)を見ると、PECOフィルターを通過することによって、牛コロナウイルス(BCoV)のLRV(対数減少値)がlog3となり、ウイルスの99.9%が不活化されたことを意味しています。また、インフルエンザA型(1N1H)では、99.99%の不活化という結果が出ています。

201110_sourcenext_93

本プレスリリースに記載されているテストおよびデータは、特定のテスト条件下において測定されたものであり、実際の実生活での性能は、様々な環境要因や個人の使用状況によって異なる場合があります。このテスト結果は、PECO技術の使用によって、ウイルスを完全に除去することやウイルスに感染するリスクを完全になくせることを示唆するものではありません。
Molekule社は、政府や保健当局が提案する防護具や医学的対策の使用を推奨します。

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)そのものを使った実験ではないものの、空気中を浮遊するコロナウイルスやインフルエンザウイルスA型(H1N1)での実験であり、またウイルスを捉えるだけでなく不活化の効果については、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的に流行する現在において注目すべき点だろう。

また、今回の実験を受けてミネソタ大学Chris Hogan教授は「従来のHEPAフィルターは、ウイルスを捉えることはできたとしても、不活化する設計にはなっておりませんでした。今後は(PECOフィルターのように)不活化ができる新しい空気清浄化技術とその試験方法を模索することが重要です。」と述べたとのこと。

201110_sourcenext_72_960
PECOフィルターを外したところ


201110_sourcenext_73_960
PECO-FILTERの記載

現在、Molekule Air Mini+は国内において、モレキュル専用WebサイトやAmazon.co.jpで販売されおり、モレキュル専用Webサイトでのラインアップと価格は「Molekule Air Mini+(専用フィルター付き)」が79,970円(価格はすべて税込)、交換用フィルターを1つ追加した「本体専用フィルター付+専用フィルター1コ」が88,110円、交換用専用フィルターのみは1コ8,140円。5年間の延長保証をセットにした「Molekule Air Mini+(専用フィルター付き)と延長保証のセット」が83,248円、延長保証のみ追加で購入する場合は3,278円となっている。










■関連リンク
エスマックス(S-MAX)
エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter
S-MAX - Facebookページ
ソースネクスト 関連記事一覧 - S-MAX
Molekule Air Mini+ 関連記事一覧 - S-MAX
Molekule/コロナウイルスの不活化の効果 | ソースネクスト企業サイト
Testing demonstrates Molekule's air purification technology inactivates H1N1 flu virus and Coronavirus strains
Molekule Mini inactivates strains of airborne animal coronavirus and influenza | Molekule Blog
Molekule(モレキュル)