楽天グループが2021年度第1四半期決算説明会を開催!

楽天グループは13日、オンラインにて「2021年度第1四半期決算説明会」を開催し、連結業績では売上収益3,915億円(前年同期比+18.1%)およびNon-GAAP営業損益▲316億円(前年同期比▲134億円)の増収減益となったと発表しています。ただし、投資フェーズのモバイル・物流などを除いたNon-GAAP営業利益は419億円(前年同期比+44.4%)となったとのこと。

そのモバイル事業についてはこれまで以上に設備投資が増え、2021年度第1四半期に営業損益▲940億7,300万円(前年同期比▲622億円)と過去最大の損益となったものの、売上収益567億2,300万円(前年同期比+44.6%)と大幅に伸ばしています。これに対し、すでに発表しているように日本郵政やテンセント子会社、ウォルマートなどから総額2,423億円の資金調達を行い、楽天モバイルの設備投資費にすべて充当する予定となっています。

さらに現地時間の4月15日(4月22日)付で外貨建て永久劣後債の起債を行い、米ドル建ノンコール5年 永久劣後特約付社債で7億5,000万ドル(約820億円)、ユーロ建ノンコール6年 永久劣後特約付社債で10億ユーロ(約1,330億円)、米ドル建ノンコール10年 永久劣後特約付社債で10億ドル(約1,090億円)と、総額約3,200億円を調達してこれも楽天モバイルの設備投資に充当するとしています。

こうした状況の中でも楽天グループ 代表取締役会長兼社長で楽天モバイル 代表取締役会長兼CEOを務める三木谷 浩史氏は説明会にて「モバイル事業は十分に利益が出る」とし、1回線目なら月1GB以下で月額無料で使える新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」(https://network.mobile.rakuten.co.jp/ )についても月1GB以下となる人は「極めて少ない。もっと多いと思っていた」とコメントしました。

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楽天モバイルは同社が移動体通信事業者(MNO)として自社回線(以下、楽天回線)を構築して提供している携帯電話サービスを正式提供開始して4月で1年が経ち、開始から長らく申込受付を行っていた1年無料キャンペーンなどもあって順調に申込数が増え、特に新料金のRakuten UN-LIMIT VIが好評で発表直後から急激に申込数が増えているということです。

これにより、直近の5月11日時点では累計申込数は410万となっているとし、さらに他社から乗り換え(MNP)の割合も増加してきているとのこと。また日本郵政との資本業務提携によって郵便局内のイベントスペースに申込カウンターを設置したり、マーケティング活動支援として郵便配達ネットワークを活用した広告宣伝などを5月をめどに実証実験として開始予定です。

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また郵便局への基地局設置についてもすでに約400局が設置済みとしていましたが、今後、これを500局以上設置する計画であることが明らかにされました。一方、エリアについては目標としていた4Gの人口カバー率80%を3月末に達成し、さらに次の目標である今夏までに96%達成に向けて引き続いて基地局設置を前倒しで進めていくとしています。

こうしたエリア拡大を加速することで、設備投資費は増える一方、同じく負担となっているパートナー(au)回線におけるローミング費用は抑制されるため、損失額は徐々に減少していく見込み。さらに5Gについても総務省より新たに1.7GHz帯(東名阪以外)が追加で割り当てられたことで、5Gのエリア展開も加速していくとし、計画通りに第2四半期(4〜6月)にも5GのSA(スタンドアローン)方式を導入する予定。

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また説明会に登壇した楽天モバイル 代表取締役社長の山田 善久氏は1人当たりのデータ量は契約翌月とその9ヶ月後では42%増えていることを紹介し、早い人では5月から1年無料キャンペーンが終了して基本使用料の課金がはじまるため、営業収益は一気に拡大すると予想されます。さらにマーケティング戦略として楽天モバイル契約者の新規楽天会員の割合も少しずつ増えており、楽天モバイルが楽天会員の拡大にも寄与していると説明されました。

そして楽天経済圏として楽天モバイルの他の楽天グループが提供するサービスの利用率は楽天カードが65%、楽天銀行が39%、楽天ペイが34%、楽天証券が17%の利用実績があるとし、楽天モバイルをきっかけとして楽天市場は3人に1人、楽天ペイは6人に1人、楽天カードは7人に1人、楽天銀行は10人に1人が新たに契約後半年から1年以内に利用開始しているということです。

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一方、技術面については楽天モバイル 代表取締役副社長兼CTOのTareq Amin(タレック・アミン)
氏が登壇し、楽天回線におけるネットワーク品質が向上しており、第三者機関であるオープンシグナルの分析においても「アップロード速度」(2020年10月)に続いて「音声アプリ品質」(2021年4月)でも日本国内で最も高い評価を獲得したことを紹介。

その他、4月より新たにiPhoneシリーズやAirTagなどのApple製品の取り扱いを開始しましたが、三木谷氏は「Appleは通信事業者に求めるネットワーク品質要件が非常に高いが、日本では半分くらいの人がiPhoneを使っているため、取り扱いの合意に至った」とし、iPhoneに正式対応したことで「他の通信事業者からRakuten UN-LIMIT VIに切り替えやすくなったのではないか」と説明。

また「iPhoneだけでなく、Apple Watchや他のApple製品についても取り扱いを強化していきたい」とコメントしました。

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記事執筆:memn0ck


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