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シャープの新フラッグシップスマホ「AQUOS R6」を写真でチェック! |
既報通り、シャープは「2021年夏モデル」として発売予定の5G対応フラッグシップスマートフォン(スマホ)「AQUOS R6」を発表した。すでにNTTドコモから「AQUOS R6 SH-51B」として6月中旬以降に発売、ソフトバンクも「AQUOS R6」を6月中旬以降に発売する。
最大の特徴はやはりドイツのカメラメーカーである「Leica Camera」(以下、ライカ)監修の1インチセンサー採用の約2020万画素CMOSリアカメラだ。スマホが搭載するカメラセンサー中では最大サイズで、カメラの機能や画質、高感度撮影性能を一新した。
またシャープが自社開発する約6.6インチで1〜240Hz可変駆動のWUXGA+(1260×2730ドット)OLEDディスプレイ「Pro IGZO OLED」も搭載。画面の動作に応じた滑らかかつ省電力な動作に加え、スマホでは最大となるピーク輝度2000nitによってHDRコンテンツを明るく立体的に表示できる。
本記事ではシャープが発表会当日に実施した体験会にて実際にAQUOS R6の実機に触れることができたので外観を中心に写真や動画を交えて紹介していく。なお、NTTドコモではすでにドコモショップや量販店などの店頭および公式Webストア「
AQUOS R6はシャープのフラッグシップモデル「AQUOS R」シリーズの新機種で、ナンバリングとして昨年に5G初対応に合わせて「4」を飛ばして「AQUOS R5G」としたため、本機で5世代目となる。これまでのAQUOS Rシリーズは高性能機としてはカメラ機能が弱いイメージがあったが、ライカ監修によって一新した。
またAQUOS Rシリーズといえば、液晶のシャープの自負からかこれまでは一貫してハイエンドモデルながら液晶を採用し続けてきたが、より高輝度かつ省電力性能を求めて新たにOLEDを採用した。合わせて画面内指紋認証やパンチホールなどというトレンドにも乗った形となる。
一方、これまでのAQUOS Rシリーズの液晶や指紋認証に対応したホームキーといったスタイルを好んでいた場合には大きな方向転換に面食らったという人も多いかもしれない。そうした点をカメラ機能の向上が超えるのか、新たな層が購入するのか注目される。
なお、基本仕様はチップセット(SoC)が最高性能のQualcomm製「Snapdragon 888 5G Mobile Platform」を搭載し、内蔵メモリー(RAM)が12GB、内蔵ストレージが128GBとなっているほか、外部ストレージスロットとしてmicroSDXCカードも利用可能だ。
バッテリー容量は5000mAhで、電池持ちも良く、防水・防塵(IPX5・IPX8およびIP6X)やおサイフケータイ(FeliCa)に対応する。本体サイズは162×74×9.5mm、重量207gだ。その他、詳細な製品情報は『シャープ、5G対応の新フラッグシップスマホ「AQUOS R6」を発表!ライカ監修の1型センサーカメラや6.6インチPro IGZO有機ELを搭載 - S-MAX』も合わせてご覧いただきたい。
■ライカ監修「ズミクロン」レンズと1インチセンサーで撮影性能を一新
AQUOS R6の最大の特徴は前述通りにライカ監修のカメラ機能だ。同社による監修はセンサーの選定だけでなく、レンズや画質調整などに渡っている。特にスマホの薄い本体に現行スマホでは最大となる1インチという大判センサーを搭載する場合、それに合ったレンズを開発するのも難点となる。そうした中でレンズについてもシャープ子会社のマイクロレンズユニットメーカーであるカンタツが開発し、ライカの「Summicron」(ズミクロン)の名称を冠したF値1.9/焦点距離19mmの7枚構成レンズを採用している。
スマホのハイエンドカメラも高画質化のため、これまでにも各社がスマホの大きさの中でセンサーサイズの大型化を進めてきた。センサーサイズが大きいほど、高感度性能や画素数アップの面で有利になるからだ。
だが、高級コンパクトデジカメなどで採用される1インチとなると、レンズ設計や大きさも含めてスマホの形状に抑えることは難しく、一般的なスマホとして販売するモデルでの採用はこれまでまずなかった。
しかしながら、シャープには自社開発のOLEDパネルやAQUOS zeroシリーズなど薄型軽量モデルの開発技術があり、これにライカとの共同開発が加わったことで搭載を実現した。実際にAQUOS R6の分解展示を見ても、本体内で確保できるスペースの多くはこのカメラ部分に費やされているのがわかる。
AQUOS R6のメインとなるリアカメラはこれ1つのみで、超広角から望遠撮影までこの1つのカメラ(センサー+レンズ)で撮ることになる。
カメラアプリを起動すると、標準では24mm相当の画角で、超広角で19mm相当、望遠は152mm相当の6倍ウルトラレゾリューションズームとなる(ともに35mm換算)。保存サイズはいずれも2000万画素だ。
一方、距離測定用にiToFセンサーも搭載する。シャープでは過去に深度センサーもマルチカメラの数に入れたこともあったが、実際に撮影するのはメインの1インチセンサーのみであることからわかりやすさを重視して“シングルカメラ”を謳う。
これにより、背景ボケのポートレートは1インチというセンサーサイズを活かした近距離での光学的な効果のほか、画像処理による背景ボケにも対応し、圧倒的な背景ボケの画力を引き出している。
また従来の「AQUOS」シリーズと比べて明らかに向上したのが、大型センサーによる高感度撮影だ。暗室の非常に暗いプラネタリウム内の星も、従来モデルでは撮れなかったものが撮れるデモを実施。また、暗所オートフォーマスもレーザーAFによりしっかり捉えて撮影できる。
■「Pro IGZO OLED」標準で1〜120fps可変の滑らか&省電力表示と大型指紋センサーを実現
もう1つの特徴となるのが高解像度かつ高輝度ながらも省電力性能も備えたディスプレイだ。最大240Hz駆動の約6.6インチWUXGA+(1260×2730ドット)OLEDパネルはシャープがIGZO液晶で長年培ってきた省電力性能と高性能なOLEDを組み合わせた「Pro IGZO OLED」となった。ピーク輝度2000nitは現行のスマホ向けディスプレイにおいて最大となる。これにより、10億色の色彩階調に加えて2000万:1のコントラスト比を実現。HDR映像をより広い色彩と輝度で表現できるほか、日中屋外での画面の見やすさにも貢献する。
また表示フレームレートは標準で1〜120fpsのアイドリングストップ表示に対応。高い省電力性能と、操作時の滑らかさを両立した。これは従来のIGZO液晶の特徴を引き継ぐもので、画面の制止時は1fpsだが、画面を動かした時のみ最大120fpsで描画する仕組みとなっている。
従来モデルと同様に240Hz駆動の120fps表示+黒挿入にも対応。高フレームレート対応ゲームを滑らに表示できる上に、高価格帯のゲーミングモニターと同じく肉眼では関知できない一瞬の黒い帯表示を挿入することで、高フレームレート表示で人の網膜に起きる残像感の錯覚を抑えることで快適なプレイを実現する。
ゲーミング機能では新たに他社製品にも見られる充電器の給電のみの設定「インテリジェントチャージ」も追加された。長時間のゲーム中、充電器からのバッテリー充電をあえて行わないことで、本体の発熱やバッテリーの劣化を防げる。
その他にも指紋認証センサーはOLEDの仕様を活かしてディスプレイに内蔵した。ここにはQualcommの3D超音波指紋センサー技術「Qualcomm 3D Sonic Max」を初採用。画面上に広い指紋認識エリアの搭載を実現した。これにより、ロック解除だけでなく指紋登録までも高速化している。
また広い指紋認証エリアを活用して指2本を使ったロック解除にも対応し、1本と比べ20倍の安全性があるという。さらに指の長押しで電子決済アプリなど、指定したアプリの起動も可能だ。生体認証は顔認証にも対応しており、画面上部中央にあるパンチホール部分に約1260万画素CMOS/広角レンズ(F2.3)のフロントカメラが搭載されている。
記事執筆:島 徹
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