ライカ初のスマホ「LEITZ PHONE 1」をレビュー!1インチセンサーカメラ搭載の実力は!?

各社が高画質カメラ搭載スマートフォン(スマホ)を追求するなか、大型1インチ前後というコンパクトデジカメ相当の大型センサーを登場したモデルも登場しつつある。中でも注目なのが、今年7月に発売された老舗カメラメーカー「Leica(以下、ライカ)」初の「LEITZ PHONE 1」(シャープ製)だ。

最大の特徴は超広角な焦点距離16mm(35mm換算)と1インチサイズの約2020万画素CMOSカメラを搭載している点だろう。製品としてはシャープとの共同開発で、ライカ監修のカメラを搭載したハイエンドモデル「AQUOS R6」をベースにライカならではのデザインや機能を加えたモデルとなっている。

しかも同機はソフトバンク独占モデルとして携帯電話サービス「SoftBank」からのみ販売されており、日本でしか購入できないものの、世界中から注目を受けている。価格(金額はすべて税込)は公式Webストア「ソフトバンクオンラインショップ」などの直営店では187,920円となっている。

また48回払いで購入した場合に条件を満たすと最大24回分の残債が免除される「トクするサポート+」の対象で、特典を利用した場合の実質負担額は3,915円/月×24回(総額93,960円)からとなり、店舗では単体購入も可能で、購入時点からSIMロックがかかっていないSIMフリー製品である。

本記事ではそんな今年注目の高画質カメラ搭載スマホであるLEITZ PHONE 1を実際にじっくりと試したのでその特徴を紹介していく。ちなみにソニーから12月に発売される「Xperia PRO-I」のメインカメラは焦点距離24mmと1インチサイズの約1200万画素CMOSなので、カメラ的の視点で見ればまったく別のカテゴリーとなる。予算に余裕のある人は2台買って揃えても面白いだろう。

■デザインはライカのカメラを踏襲!レンズキャップやケースは純正で揃えたい
デザインはシルバーのアルミフレームとマットブラックのガラスパネルに、ライカのロゴを配したデザインとなっている。カメラ好きから見れば、ひと目でライカのモデルと理解でき、今どきのスマホとしてもあまり見かけない目を惹く配色だ。

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ディスプレイは約6.6インチで左右端が湾曲しているPro IGZO OLED(有機EL)を搭載している。解像度はWUXGA+(2730×1260ドット)表示で、最大240Hz駆動(最大120fps表示、ゲーム向け残像軽減の黒挿入有効時)に対応する。

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本体底面にはUSB-C端子と3.5mmイヤホンマイク端子を搭載。また上下左右の側面フレームには握りやすさを考慮したローレット加工が施されている。

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付属するレンズキャップとシリコンケースにもライカのロゴを冠するに相応しいクオリティーとなっており、レンズキャップはアルミ製で、マグネット(磁石)によって本体に装着できるようになっている。また指をひっかけて取り外せるように一部分が薄く設計されているのも見逃せない。

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一方、シリコンケースもサードパーティー製の安い製品と比べてワンランク上の厚手でしっとりとした質感となっている。もちろんレンズキャップとシリコンケースの両方を同時に装着可能だ。

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さらにレンズキャップとシリコンケースの両方とも内部にスウェードを思わせるマイクロファイバー素材をあつらえるこだわりようだ。

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なお、これらの付属品はライカの公式Webショップ「ライカオンラインストア」限定でカラーバリエーションも含めて販売されている。LEITZ PHONE 1を買ったなら購入と同時に普段使う用と予備をまとめて購入するのが良いだろう。

LEITZ PHONE 1を楽しむにはこのオンラインストアで好みの色のレンズキャップやカバーを買ってからが本番とも言えるかもしれない。

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■被写体を立体的に描けるカメラを搭載!だがカメラアプリの機能に不満点も
リアカメラは前述通りに19mm相当の超広角で、明るさF1.9のSummicronレンズと1インチサイズの約2020万画素センサーを搭載する。背面のカメラはこれのみでシングルカメラとなっており、一般的なスマホのメインカメラで採用する標準(広角)とも呼ばれる24mm相当の撮影はデジタル(切り抜き)処理で実現する。

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LEITZ PHONE 1を買う人なら1インチ2020万画素センサーの性能をフルに発揮できる超広角カメラとして利用することが多いだろう。一般的なスマホの超広角レンズは標準(広角)と比べると力の入っていない製品が多い。だが、LEITZ PHONE 1は超広角カメラに力を入れたことで、スナップ撮影に使いたくなる超広角という個性を手に入れている。

またライカのブランドを冠しているだけあって絵作りはスマホよりもカメラ寄りだ。超広角ながら不必要な歪みを抑えたレンズの良さと2020万画素というデータ量に加え、建物の質感や植物の細部を立体的に描けている。

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超広角でよくある大きい構造物を近くから撮る構図でも後述する手ぶれさえ防げば、明るい部分から影の部分まで解像感と階調ともに良好だ

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カメラの仕様は基本的にAQUOS R6と同等だが、LEITZ PHONE 1ならではの機能が2つ搭載されている。

1つ目がデジタルズーム利用時のブライトフレームだ。一般的なスマホのデジタルズームと違い、プレビュー画面には超広角で撮れる画角を表示した上で、実際に記録される範囲が白枠で表示される。慣れてない人は最初戸惑うだろうが、撮影範囲より広い範囲がプレビュー表示されるのは画角を決める際に便利だ。

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もう1つの機能がモノクロ撮影の「LEITZ LOOKS」だ。ただし、ライカのモノクロ専用カメラやライカとファーウェイが共同開発した「HUAWEI P9」のように解像力で優位ならモノクロ専用センサーを搭載しているわけではない。だが、スマホとしては高品質ならカレンズとセンサーを搭載した事で、モノクロ写真風と言えるだけの描写力を得ている。

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モノクロ撮影は被写体の形状や質感を光と陰影のみで印象的に描く。日常見慣れた風景から色彩を取り去った、別の風景を気軽に覗けるのは楽しいものだ。

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とはいえ、実際のカメラの使い勝手については不満点も多い。これまでにソフトウェア更新が何度も提供されており、カメラ機能についても改善が続けられているとはいえ、シャッター操作から撮影までの長さやオートフォーカスの不安定さは現時点でも気になる。

気になる被写体の一瞬を切り取るのは難しく、撮影のテンポに慣れてないと手ぶれを誘発しやすい。近年のハイエンドスマホはこれらの対策が万全なだけにスマホカメラとして比べると撮りにくいカメラだと感じてしまう。また最短撮影距離も約13cmあたりと長く、料理をアップ気味に撮るのは難しい。

さらにカメラアプリのインターフェースもAQUOS R6が採用するスマホライクなもののままだ。マニュアル撮影は段数ベースではなく、スライドバーで数値を設定するなど、カメラ好きが直感的に操作しやすいものではない。

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もちろんスマホのサイズに歪みを抑えつつ解像感が良好な超広角16mm相当のレンズと1インチ2020万画素センサー搭載は魅力的だ。16mm相当のRAWで撮れるコンパクトカメラと割り切って購入するのはアリだろう。

■スマホ機能はAQUOS R6譲りの高性能、普段使いにも便利だ
その他スマホとしての機能は基本的にはAQUOS R6と同等だ。ディスプレイに内蔵した大型の指紋認証センサー「3D Sonic Max」や操作補助の「AQUOSトリック」も名称こそ「便利機能」に変わっているがゲーミング系機能も含め搭載されている。

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最後にベンチマークの結果も掲載しておく。Qualcomm製のハイエンド向けチップセット(SoC)「Snapdragon 888 5G Mobile Platform」搭載機だけあって高いスコアを記録している。カメラ機能さえ気に入れば、スマホとしての機能で不安に感じる部分は少ないだろう。写真のRAW編集からクラウドへのアップロード、ゲームアプリまで快適に活用できるのではないだろうか。

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【LEITZ PHONE 1の主な仕様】
通信方式こちらをご覧ください。
最大通信速度
(下り/上り)
5G網2.4Gbps/110Mbps
4G網838Mbps/46Mbps
サイズ(幅×高さ×厚さ)/重さ約162×74×9.5mm/約212g
連続通話時間/
連続待受時間
FDD-LTE網約2120分/約520時間
AXGP網-/約520時間
フルセグ/ワンセグ-/-
ディスプレイ約6.6インチWUXGA+(2730×1260ドット)
Pro IGZO OLED
カメラリア有効画素数約2020万画素+ToF
フロント有効画素数約1260万画素
防水/防塵IPX5、IPX8/IP6X
BluetoothVer.5.2
おサイフケータイ
内蔵メモリー(RAM)12GB
内蔵ストレージ256GB
外部ストレージ/推奨容量microSDXC(別売り)/最大1TB
CPU(クロック数/チップセット)オクタコア(2.8GHz+1.8GHz)
Snapdragon 888 5G Mobile Platform
電池容量5000mAh
Wi-Fi(対応規格、周波数)IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax(2.4GHz、5GHz)
OSAndroid 11
カラーライカシルバー
製造シャープ




記事執筆:島 徹(sureare)


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