ポイ活アプリの仕組みやリスクについて考えてみた!

みなさんは「ポイ活」アプリを使ったことがあるでしょうか。語源は「ポイント活用」であったり「ポイント(を貯める)活動」であったりと諸説ありますが、さまざまなポイントサービスを駆使して少しでも出費の節約につなげようという消費行動にかかわるアプリのことです。

例えば、NTTドコモの「d払い」やKDDI(au)の「au PAY」などは広義的にはポイ活アプリの範疇ですが、そういった中でもユーザーの移動(行動)記録やアンケート回答などでポイントを積極的に集めるアプリなどをポイ活アプリと呼ぶことが多く、通信キャリアのポイントアプリとは区別している場合がほとんどです。

こういったポイ活アプリは何故ポイントが貰えてお得に利用できるのでしょうか。またそこにリスクはないのでしょうか。感性の原点からテクノロジーの特異点を俯瞰する連載コラム「Arcaic Singularity」。今回はポイ活アプリの仕組みやメリット、そしてリスクなどについて解説します。

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ポイ活アプリはどこまで安全?


■ポイ活アプリの仕組みとメリット
はじめに、ポイ活アプリの仕組みを簡単に解説しておきます。

ポイ活アプリの基本的な仕組みは広告収入です。アプリ内で表示される広告や宣伝、サービスの告知などをユーザーに読んでもらう(広告を開いてもらう)ことで広告収入を得て、その見返りとしてユーザーにはポイントを付与し、各種商品との交換や大手通信キャリアが用意するポイントとの交換などに活用されます。

もちろんそれだけではありません。アンケート調査や直接的な商品購入によってもポイントは付与されます。また最近ではライフログをポイントに付与するアプリも多数登場しており、「移動するだけでポイントゲット!」、「店舗でアプリを開けばポイント獲得!」といった手軽なポイント付与サービスもあります。

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アンケートに応えたり移動したりと、比較的簡単な方法でポイントはどんどん貯まる


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とは言え、金券や他社ポイントへの交換には大量のポイントが必要。かなりマメなポイント収集が必要になる


ポイ活アプリの最大のメリットは「普段の生活の中であまり意識することなく貯められる」点にあります。学校や職場への移動自体がポイント収集に直結していたり、ほんの少しのスキマ時間に簡単なアンケートに答えるだけで良かったりと、煩わしい「作業感」を感じさせない仕組みになっています。

また、他社との連携や広告の延長として、他社アプリをスマートフォン(スマホ)に入れたり他社サービスを利用し始めたりすることで、まとまったポイントを一気に貰うことも可能です。

例えばオンライン決済用にネットバンクの口座を作りたいと考えていた場合、ポイ活アプリを活用できればかなりお得に口座作成が可能になります。

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他社サービスの利用開始時は一気にポイントを獲得できる。自分の使い方に合ったサービスがあるなら活用してみるのも悪くないだろう


■ポイ活アプリのリスクとデメリット
仕組みやメリットは非常にシンプルで使いやすさが目立っていますが、ではリスクやデメリットはないのでしょうか。

最も際立ったリスクとしては、ポイ活アプリは「個人情報をポイントに変換している」という点です。

多くのポイ活アプリでは、最初に個人情報(生年月日や住んでいる地域、職種など)の入力が求められます。これはアンケートなどで活用するビッグデータの収集に必要な基本情報として活用され、どんな性別の、どんな世代が、どこで、どのような生活をし、どのような消費活動や嗜好を持っているのかなどが集められるのです。

移動距離などをポイントと交換するアプリの場合、行動情報までもが収集されていることになります。これだけを聞くとプライバシーの侵害などを不安視する人も出てくるかと思いますが、基本的に個人を特定する情報は省かれます。飽くまでも個人ではなく世代や性別の「集団値」として収集されるのです。

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ビッグデータとして集められた情報は、私たちの生活を便利にしたり安全に暮らせるように活用されている


ただし、これは「健全なポイ活アプリ」の場合です。ほとんどのポイ活アプリは問題ありませんが、中には運営状況が不透明なものや明らかに犯罪行為に利用しようとするアプリもあります。

こういったリスクのあるアプリの見分け方は非常に難しいところですが、アプリのレビューや評判をチェックしたり、ポイントサービス関連の業界団体である「日本インターネットポイント協議会(JIPC)」に参加している企業が運営するアプリであることを確認するなど、自衛策は必ず行いましょう。

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JIPCに参加しているから絶対に安全というわけではないが、一応の目安にはなる


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筆者が利用するポイ活アプリ「トリマ」はJIPC参加企業のアプリではないが、カーナビやMap Fanで有名なジオテクノロジーズが運営している



デメリットの部分で最も気をつけたいのは、不要なサービスの利用過多です。

前述のように、ポイ活アプリではさまざまな企業と提携してオンラインサービスやアプリの導入で大量のポイントを付与しているものが数多くあります。

通常のアンケート回答や移動距離に応じたポイント付与ではなかなか貯められない額のポイントが貰えるため、ついついいくつものサービスを利用したくなりますが、中には「初回から3ヶ月無料」といった謳い文句でユーザーを集め、その後月額などのサブスクリプション契約へと自動更新されるものもあり、アプリの適切な管理や契約・解約の手間が必要になります。

ポイント欲しさに大量に他社アプリやサービスを導入した結果、半年後には月額料金の請求で泡を吹く事態に……などということも十分に考えられます。

必要のないアプリやサービスは導入しない、あるいは一時的に導入しても不要になったらすぐに解約するという心構えが大切です。

また、アプリやサービスによっては解約方法を分かりづらくしたり、手間の掛かる解約手順にして解約を先延ばしにしようとする、いわゆる「ダークパターン」と呼ばれる悪質なものもあります。

そういったダークパターンにハマらないためにも、不要なサービスは利用しないという自衛が必要です。

【過去記事】秋吉 健のArcaic Singularity:身近に潜むダークパターン。人々を混乱と誤認に陥れる手法と商慣習から自衛する方法について考える【コラム】

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ダークパターンは決して珍しいものではなく、誰もが知る大手企業でさえ利用したがる厄介なものだ


■上手に使いこなした者が勝ち
ポイ活アプリは、上手に活用すれば間違いなく生活に必要なコストを下げ、しかもそこで集められた情報はビッグデータや統計として活用されることで、さらに私たちの生活を便利で効率的にしてくれます。

しかしながら、リスクやデメリットもしっかりと把握して自衛することが必要です。個人情報のすべてが抜き出されるような悪質なアプリは利用しない、利用するサービスの取捨選択を確実に行う、ポイント欲しさに他人を利用しない、などです。

現実には、ポイ活アプリが起因となった大きな事件や事故は今のところほとんどありません。単純に「いつもの生活にプラスアルファのお得なアプリ」くらいの認識でも問題はないでしょう。

「うまい話には裏がある」、「タダより高いものはない」などといった言葉もありますが、ポイ活アプリもそれなりに裏(仕組み)はありますし、タダ(無料)で釣ってサブスクリプション契約に誘導するサービスも多数あるということを知っておくことに意義があるのです。

何事も上手に使いこなして、厳しい時代を乗り切る一助としたいものです。

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ポイ活アプリを賢く使って賢く節約


記事執筆:秋吉 健


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