筆者が今年購入したデジタルガジェットを大紹介!

みなさんは今年、モバイルガジェットやデジタル家電をいくつ購入したでしょうか。筆者も今年は色々と購入&試用する機会があり、コロナ禍で動きが少なかった2020年や2021年よりも刺激の多い1年だったように思います。

それらの製品には「これは便利だった!」、「買って良かった!」と心から感じられたものから、「これは微妙かも」、「これはあまりオススメできないな」と感じたものまで、さまざまな評価が存在します。

いくつかの製品は弊媒体でもレビューや製品紹介の形で記事に取り上げましたが、その後の継続利用から見えてきたものや、新たな発見も少なからずありました。また、記事として取り上げることはなくとも個人的に購入してよかった製品も数多くありました。

感性の原点からテクノロジーの特異点を俯瞰する連載コラム「Arcaic Singularity」。今回は筆者が2022年に購入・試用したデジタル製品の中から数点をピックアップし、それぞれのオススメ度合いなどをご紹介します。

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買って良かったもの、イマイチだったものをズバッと紹介


■非の打ち所のない完璧なTWS「AirPods Pro(第2世代)」
やはり最初に語るべきは、今年最も「買って良かった」を実感できたAppleのTWS(完全ワイヤレスイヤホン)「AirPods Pro(第2世代)」でしょう。

AirPods Pro(第2世代)に関しては、何1つとして不満がなかった「数年に一度の大満足製品」の1つと言って問題ありません。製品としての衝撃度や感動では初代AirPodsのほうが上ですが、完成度や満足度の点では圧倒的に本製品に軍配が上がります。

第1世代のAirPods Proで不満のあった稀な音切れや操作性を完全に払拭した上、音質まで劇的に向上しており、もはやまったくの別製品だと感じたほどです。

製品発売時に執筆したレビューでも絶賛しましたが、その後数カ月間利用する中でも音が途切れたことは一度もなく、音質の高さとアクティブノイズキャンセリング性能のバランスの良さ、バッテリー残量を気にせず使える連続利用時間の長さなどから、自宅にいる際でも仕事の集中したいときなどに使用することがあります。

外出先だけではなく、自宅利用でも便利なAirPods Pro(第2世代)は、間違いなく2022年のベストバイガジェットです。

【参考記事】完全ワイヤレスイヤホン「AirPods Pro(第2世代)」の性能と機能をフィールドテスト!初代からどこまで進化したのか徹底検証【レビュー】

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第1世代のAirPods Proを持っている人でも買い替えて損はない


■心も肌もしっとり和らぐ「ミストでTAKIBI」
次に「買って良かった!」を実感したのは、今年2月にサンコーが発売した加湿器「ミストでTAKIBI」です。

サンコーは秋葉原に拠点を置く「知る人ぞ知る」デジタル家電メーカーとして、デジタルガジェットマニアなどから高い支持を得ている企業です。サンコーが販売する製品はニッチな需要の物が多く、時には「イロモノ家電メーカー」などとも呼ばれるほどです。

そのサンコーが販売する加湿器なので、ただの加湿器ではありません。電源を入れてゆらゆらと立ち昇る水蒸気はオレンジ色の光に照らされ、まるで焚き火の炎のように揺らめくのです。


S-MAX:サンコー「ミストでTAKIBI」
動画リンク:https://youtu.be/QyPCgv-bXe4

電源はUSB-Cで、市販のUSB-C用ACアダプターに繋ぐだけではなく、パソコンやモバイルバッテリーからも使えるのがかなり便利です。

大きさも卓上サイズなので、ベッドサイドのルームランプ代わりに使えたり、キャンプなどに持っていってムードのある卓上ランプとして使用するのも面白そうです(加湿する意味はありませんが、実際に焚き火するよりもずっと安全なのでテントの中などで利用できます)。

難点があるとすれば、サイズが小さいことから加湿性能はあまり高くないことと、給水タンクが若干小さめなことでしょうか。

飽くまでも炎のような揺らぎを楽しむデスク周りのデジタルアクセサリーといった位置付けです。また、室内の湿度や室温によっては長時間利用していると加湿器周辺が若干濡れることがあるため、設置位置にも注意が必要です。

今冬もいよいよ寒くなり、乾燥する時期となってきました。加湿器が欲しいなぁと感じている人にこそ、この製品はオススメです。

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筆者は気に入りすぎて、仕事部屋用と寝室用に2つ購入してしまった


■母から思わぬ感謝をもらったロボット掃除機「yeedi vac 2 pro」
3つ目にご紹介したいのは、11月にレビュー記事を書いたyeediのロボット掃除機「yeedi vac 2 pro」です。

こちらの製品はメーカーから提供頂いた製品ですが、その後も継続して使用させていただいています。製品を使用し始めてから1ヶ月少々が経ちますが、結論から言えば「ロボット掃除機は素晴らしい」の一言です。

我が家の場合、椅子や置物などが多すぎて床面積が狭く、ロボット掃除機を稼働させる前に椅子を片付けたり、床に置いている家具などを動かしておく手間はありますが、それだけやっておけばあとは寝ている時や外出している間に掃除を済ませていてくれるので、部屋を手動で掃除することが激減しました。

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今では我が家に無くてはならない家電の1つに


利用開始当初は筆者の仕事部屋用にと考えていたのですが、家族から「リビングやキッチンの掃除に使ってみたい」と要望があり、レビューにも丁度良いと考えそのまま長期間使用してみたところ、母からも「これは本当に便利だ」と毎日のように感謝されるほどでした。

手持ちのスマホもほとんど扱えない高齢の母でもボタン1つで簡単に使える本機の便利さと手軽さは、実際に使ってみないと分からないものです。

時には充電ステーションへ戻る道を見失って立ち往生してしまうこともありますが、そんな時もボタン1つで復旧してくれます。水拭きパッド(ユニット)の交換なども簡単で、今まで年に1回程度しかしなかった床の水拭き掃除を頻繁に行えるようになり、キッチンの床などは見違えるほどキレイになりました。

難点があるとすれば、yeedi vac 2 proが入り込めない隙間などは手で掃除する必要がある程度です。とは言え、そういった隙間を掃除する程度であればとくに手間ではありません。

我が家の場合、椅子を片付ける際などに掃除し終えた場所へ置き、まだ掃除されていない場所を空けるようにするなど工夫することで、ほとんどの場所をyeedi vac 2 proに掃除させています。

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ロボット掃除機の素晴らしさを人々に伝えたい


■コスパが悪すぎた「iPhone 14」
最後に紹介するは、少々微妙な評価にならざるを得なかったAppleの「iPhone 14」です。

結論から言えば、スマートフォン(スマホ)としての完成度や性能および機能についてはまったく問題はありません。むしろ筆者はそれまでiPhone 12 miniやiPhone 13 miniといった小型のiPhoneを使い続けていたため、大きすぎず小さすぎない6.1インチの画面がとても快適に感じたほどです。

しかしながら……購入して数ヶ月が経った今でも「これなら買わないで様子見するか、iPhone 13 Proあたりでも良かったよなぁ」と思うことがあります。

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使い勝手に不満はないのに不満が募る謎のスマホ


不満の原因は価格と性能が釣り合わないことです。

iPhone 14は、誤解や語弊を恐れずにざっくりと言ってしまえば「iPhone 13 Proからカメラ機能を削って価格を同等にした標準モデル」です。

このような評価になってしまった原因は、チップセット(SoC)をiPhone 13シリーズと同じにしてしまったことと、異常な円安相場の影響による端末価格の高騰です。

これまでのiPhoneシリーズは、スタンダードモデルであっても最新のSoCを搭載してきました。そのため、多少価格が上がっても「最新のSoCを搭載しているなら」と納得できましたが、今回はiPhone 13 Proとまったく同じSoCなのです。

しかも、基本性能に大きく関わる部分が同じであるにも関わらず、カメラユニットはiPhone 13 Proよりも1つ少なく、さらに価格はiPhone 13 Proの発売当時とほぼ同じでは、流石に「うーん」と唸らざるを得ないというものです。

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iPhone 13 Pro(128GB)の発売当初の価格は12万2800円だった。標準モデルがプロモデルとほぼ変わらない価格になるとは……


それでも筆者がiPhone 14を購入した理由は「iPhoneを毎年買い替えてレビューしているから」というだけのことです。自他共に認めるiPhoneファンであり、そのレビュー記事を毎年書いているモバイルライターであるという自負があればこそ購入したのみで、そのような使命もしがらみもないなら、恐らく買い換えなかったかiPhone 13 Proを買っていただろうと思うのです。

もしiPhone 14がこれまでの標準モデルのように10万円前後からのラインナップとなっていたなら、ここまで不満はなかったと思います(それでも旧世代のSoCを使っている時点でやはり若干の不満を感じていたはず)。

iPhoneシリーズがスマホとして成熟し、数世代前の機種でさえ何ら不満が出る性能ではない時代となってしまったが故に、コストパフォーマンスの悪さばかりが目立ってしまったと言えるでしょう。

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決して悪い製品ではないだけに、円安のバカヤロー!と叫びたくなる


■充実したデジタルライフを送れた2022年
今回紹介した以外にも、十数年ぶりに購入したモバイルノートパソコンの「VAIO SX12」や、あまりの性能の高さに感動して2台も購入してしまった空気清浄機などもありますが、今回は割愛したいと思います。

VAIO SX12は意気込んで購入してみたものの、一旦は落ち着いていたコロナ禍が再び広がり始め、復調気味だった企業や展示会の現地取材が再びオンライン化するなど、モバイルパソコンとして利用する機会が大きく失われてしまい、11月頃までほとんどホコリを被っていたというのが実情でした。

また空気清浄機に関しては最新モデルではなく、しかも廉価なモデルでスマート家電的な要素もなかったため、記事などで紹介する機会がなかったといったところです。

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先日ようやくまともに取材仕事で使用することができた「VAIO SX12」


みなさんも今年買ったモバイルガジェットやデジタル家電で、「買ってよかったなぁ」、「これはちょっと失敗だったかな」と思う製品があるのではないでしょうか。

年末の大掃除をする傍らで、今年買ったものの総括をしてみるのも面白いかもしれません。

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今年も本当にたくさんのデジタル製品を買わせていただきました


記事執筆:秋吉 健


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