NTTドコモの携帯電話サービス

NTTドコモは2日、都内にて「通信サービス品質の取り組みに関する記者説明会」を開催し、同社が提供する携帯電話ネットワークにおいてスマートフォン(スマホ)の普及やSNS・動画視聴などの利用に伴うデータトラヒックの増大によって通信が利用しづらいなどの状況が発生している問題に対して昨年10月に案内した施策の進捗状況や品質状況の報告し、計画通り集中対策は完了して通信サービス品質が大きく改善したと説明しました。またさらなる強化を図ったほか、今後も通信品質への取り組みを継続していくということです。

具体的には10月時点では全国2000カ所以上をモニタリングして状況を確認するとしていましたが、12月時点でその計画を若干超える程度の進捗となっており、改善箇所の下りスループット状況(最繁時)が昨年5月から昨年12月時点で1.7倍となったほか、鉄道導線においても乗車時間の90%は動画視聴における体感として不便なく利用可能となり、さらにSNSでの分析でもX(旧:Twitter)におけるネガティブな投稿は昨年3月と比べて昨年12月時点で約75%減少しているとのこと。

その他にも昨年末に実施された「コミックマーケット103(以下、コミケ103)」などのイベント対策や今年1月に発生した「令和6年能登半島地震(以下、能登半島地震)」の復旧状況も説明され、コミケ103では5G移動基地局車の出動や5Gおよび4Gの臨時基地局も設置、さらに会場へのルートの一部でアンテナを強ビームタイプへ変更したことで昨夏よりもスループットが1.5倍改善し、SNSでの分析でも同様にXにおけるネガティブな投稿が約80%減ったとしています。

ただし、スループット改善が想定よりも低かったこともあり、会場内出使えないところも確認し、次回の今夏の「コミックマーケット104(以下、コミケ104)」や花火大会などではさらなる対策を強化していきたいとのことでした。一方、能登半島地震については北陸電力が一部除いて応急復旧と発表しており、それまで発動発電機で基地局を動かしているところがありましたが、発電機を外しても運用できる局が増えているとし、ここ4~5日でも十数台で外したほか、20局弱ぐらいは商用電力に切り替えて電力が回復していると報告しています。

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NTTドコモでは同社が提供している携帯電話サービスにおいて主に過密地域などの一部混雑エリアにて通信速度が低下するなどの事象が発生している問題が起きていることを明らかにし、これまでも対象エリアについては順次通信品質改善の取り組みを実施しており、昨夏までにある程度の解消をめざしていたほか、続けて昨年末までに今後にデータトラヒックが増加して近い将来対策が必要となるエリアを含めて全国2000カ所以上のエリアに対して「点」での対策を行うほか、鉄道などで利用者が移動する際に車内や駅エリアで不便なく使えるようにするなどの「線」での対策を組み合わせた広範囲の集中対策を進めるとしていました。

この集中対策に対しては将来需要も見据えて300億円の先行投資を行い、早期に完了する予定だとしていましたが、今回、同社では計画通りに集中対策が完了して通信サービスの品質が大きく改善したと説明し、特に設備対応が必要なエリアについては少し長期化すると考えていたものの、計画を若干超えるぐらい進捗となっており、引き続いて設置場所のオーナーなどとの調整をしながらまだ対策できていないエリアについては速やかに対応していくとしました。これにより、下りスループットは1.7倍となり、SNSでのネガティブな投稿も約75%減ったとしています。

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中でもJR大阪駅やJR名古屋駅についてはSNSでの投稿が多く、大阪駅は昨年暮れ近くに4G・5Gともに設備を増設してスループットが最繁時で向上しており、名古屋駅も昨年9月から5Gエリアを順次拡充して現在はスループットが改善して最繁時間帯でも不便なく利用できているとし、鉄道導線についても昨年12月までに既存基地局においてアンテナ角度調整や出力調整、パラメーター変更などといった対策を行い、現状は通勤中などの最繁時間帯にて動画視聴における体感(=連続で動画を再生できる)で乗車時間の90%は不便なく利用できるようになっているということです。

乗車時間の90%は不便なく利用可能という評価は実際に人が乗車して一定区間でずっとスループットを測り、それを見ながら動画が試聴できるかできないかを判断しており、動画視聴にはバッファリングもあるのでその量も計算して含めながら再生できる時間を計算したとし、これが一番わかりやすいと考えたとのこと。なお、残りの10%の時間は画質が落ちたり、少しくるくる回って再生が止まったりするとのことで、今後も継続して品質改善予定だとのこと。

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こうした一連の通信品質の改善についてはオンライン専用プラン「ahamo」やNTTドコモ回線を用いた仮想移動体通信事業者(MVNO)を含めた同社の携帯電話ネットワークの利用者が安心して使えるように取り組んでおり、MVNO各社にも通信品質対策の進捗状況は知らせているとし、MVNOにも説明して理解をしてもらっているとしつつ、MVNOは契約条件があるので一概に全部がNTTドコモ側の問題ではないが、現状では大半はそうだろうとし、今後もMVNOの通信品質も改善するので情報共有しながらやっていきたいということでした。

一方、通信品質の確認方法については昨年10月時点でNTTドコモのLLM基盤を使ってSNSの分析で改善対象を明確にすると説明しており、これに加えてアプリの利用状況のデータを活用してさらなる強化を図るとし、例えば、同社が提供している決済サービス「d払い」アプリではすでに始めたいるとのこと。d払いアプリでは数年前から使い勝手改善のためにバーコード表示までの時間を記録していたが、それを通信品質改善用にセンター側でデータを確保してエリア改善に使いだし、d払いの利用時に通信と連動させることで通信品質改善に役立てているとしました。

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具体的にはd払いがどういう場所でどれぐらいの時間がかかったかを地図上に可視化し、ピンポイントでの通信品質改善の強化に用いており、今年1月中旬からアプリ利用時の体感改善の観点で開始したとのことですが、今後はこうした取り組みを動画サービスやWeb閲覧などにも拡大していく予定だとしていました。一方でアプリを使った測定は個人情報に係らない情報から始めており、現時点ではGPSなどの位置情報取得は使っておらず、基地局セクターのどの周波数かといった情報を利用しているため、完全にピンポイントではないものの、現状の基地局配置はかなり密なのでかなり場所が絞られるとしつつ、将来的にはモジュールに埋め込んでGPSを使いたいが、それには同意が必要となるとのこと。

ただし、現状ではd払いのデータから何かを改善した実績があるわけではなく、これまでの情報にプラスしてみていく形で、例えば、実際のトラフィックデータとd払いのデータを使った実在の街をイメージで可視化するといった取り組みを行っており、電波が弱いところが赤、強いところが青で表示した場合に通常は電波が弱いとd払いのバーコード表示までの時間が長くなりますが、時間が長いのに青い場所もあり、同じエリアでもいろいろな状況があり、この店が使えないのは電波が悪いと言うことが分かるため、よりきめ細かくエリアの中身が見れるようになったとしています。

同様に他社回線の情報も分析してるとし、時間が長い・短いは分かってきているものの、他社のトラフィックデータはないため、同じような分析状況には至っていないとしつつ、時間が長い・短いといった評価による他社の通信品質も自社の品質と比べるデータには使っていけると気付いたとし、例えば、ソフトバンクはCMなどでなどにて大阪で1位だとしていますが、どういう調査しているか分からず、海遊館では「NTTドコモのほうがいいのでは」とし、大阪全体とそう思われて優良誤認に思われないか心配しているとしました。


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そのため、どういう根拠で話しているのか分からないしので「もしやるなら総務省の速度調査のようにああいった形で測定方法を整理してしっかり根拠が決まったルールで調査してどうだと発表したほうが良いのでは」と提案しつつ、ソフトバンクの挙げたエリアでも「NTTドコモのほうが快適な通信ができるエリアがある」と説明しました。なお、同社では今回の通信品質の問題に関してトラフィックに対する容量設計の問題だと思っているとし、コロナ禍でリモートワークが続くであろうという前提で設計したのが失敗の基でそこはトラフィックの動きを把握して速やかに対応できていれば問題なかったはずだとしました。


ネットワーク本部長 常務執行役員 小林 宏
ネットワーク部長 執行役員 引馬 章裕
無線アクセスデザイン部長 林 直樹



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記事執筆:memn0ck


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