総務省が楽天モバイルに対して行政指導を実施!5Gの特定基地局開設に遅延

総務省は23日、楽天モバイルに対して携帯電話サービスの「5G(第5世代移動通信システム)」の普及のための特定基地局の開設計画に関して2024年度の特定基地局開設の遅延があったとして文書によって指導を行ったと発表しています。同省では2021年4月に5G用として1.7GHz帯(東名阪以外、1765〜1785MHz+1860〜1880MHzの20MHz幅×2)の周波数割当を楽天モバイルに認定していました。

今回、同社から2024年度末(2025年3月末)時点の特定基地局の開設状況について報告を受けたところ、当該周波数帯において2024年12月に5Gの特定基地局の運用を開始し、2025年年3月頃に5Gのサービス提供を開始する計画に対して将来的な5G化を前提として「4G(第4世代移動通信システム)」による特定基地局の開設が進められたものの、2024年度末時点で5Gの特定基地局の運用およびサービス提供が開始されていなかったとのこと。

そのため、当該周波数帯における5Gの特定基地局の開設計画における進捗状況に遅れが見られたため総務省では開設計画の確実な履行の観点から楽天モバイルに対して文書によって指導を行ったとしています。なお、楽天モバイルからの報告ではSA(スタンドアローン)方式による5G(以下、5G SA)での運用を計画していたものの、主に開発ベンダーとの連携や開発の工程管理が不十分だったことなどの要因によって5G SAの開発および実装が遅れたことが遅れている原因だとしているということです。

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総務省では2019年4月に5Gの導入のための特定基地局の開設計画の認定を行い、2020年8月には第4世代移動通信システム(4G)などで使用されている周波数帯に5Gを導入するための制度整備を行うなど、5Gの早期導入に向けた取組を進めており、さらに5Gの利用に対する多くのニーズが調査によって示されたことから新たに5Gの普及のための周波数の割当てに関する開設指針を作成して1.7GHz帯(東名阪以外)の周波数帯割当の申請受付を実施し、これに対して楽天モバイルなどの既存の移動体通信事業者(MNO)が割当を申請を行った結果、2021年4月にその中から楽天モバイルに割り当てが決定しました。

審査・評価は各者が申請した開設計画を電波法の規定に基づいてポイント制で行われ、合計点はNTTドコモが71点、KDDI/沖縄セルラー電話が36点、ソフトバンクが58.5点、楽天モバイルが85.5点でした。なお、この1.7GHz帯(東名阪以外)においては5G向けに割り当てるものの、当面は4Gでの利用も可能としたものの、総務省では楽天モバイルに対して割当に際して「都市部・地方部を問わずに顕在化するニーズを適切に把握して事業可能性のあるエリアにおいて5Gの特性を活かした多様なサービスの広範かつ着実な普及に努めること」や「特定基地局の円滑かつ確実な整備のために基地局の設置場所の確保および工事業者との協力体制の構築に努めること」などの12個の条件を付していました。

今回、そんな楽天モバイルの開設計画に遅れがあったとして総務省では楽天モバイルに対して5Gが今後の経済社会や国民生活にとって重要なインフラであり、その整備を着実に実施して早期の全国展開を実現することは喫緊の重要課題であるとの認識の下で以下の取り組みやその他の必要な措置を着実に実施することによって開設計画を確実に履行するように求めており、当分の間はこれらの取り組み事項に係る毎月末時点の取組状況を翌月14日までに報告するように指導しています。また同省では今後も楽天モバイルの開設計画が確実に履行されるように引き続いて必要な指導・監督に努めていくとしています。

(1)5G SAの開発および実装に向けて開発ベンダーとの連携強化および工程管理の体制整備に早急に取り組み、5Gの特定基地局の運用および5Gのサービス提供を速やかに開始すること。
(2)2025年度以降の開設計画に係る5Gの特定基地局の開設数などについて早期に復旧計画を策定の上、当該復旧計画に基づいて5Gの特定基地局を確実に開設すること。

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記事執筆:memn0ck


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