大容量&高出力なポータブル電源「DJI Power 1000 V2」をレビュー!

ドローンメーカーのDJIよりポータブル電源「DJI Power 1000 V2」が投入されました。日本法人のDJI JAPANではDJI Power 1000 V2を2025年6月10日(火)に発売し、価格(金額はすべて税込)はオープンながらも希望小売価格は143,000円となっており、公式Webサイト内の公式Webストア( https://store.dji.com/ )では期間限定で85,800円で販売されています。

DJI Power 1000 V2は既存の「DJI Power 1000」の強化版で、大容量1024Whかつ高出力2600Wのポータブル電源となっており、急速充電やスマートフォン(スマホ)など向けアプリとの連携、周辺機器による拡張性などというように利用範囲が広い機器になっています。また新たに日本を含むAC電源も増設されたため、さまざまな用途に適しています。今回、DJI JAPANより製品をご提供いただきましたので紹介します。

02
DJI Power 1000 V2の出力ポート(ACポート×4、USB-Cポート×2、USB-Aポート×2)

DJI Power 1000 V2は公式Webストアのほか、楽天市場やAmazon.co.jpなどの認定ストアおよび正規DJI製品取扱店にて販売中で、DJIの公式ストアで購入すると、ポータブル電源には3年間の保証に加え、登録にて2年間の保証が追加され、合計5年間の保証期間となるため、災害時などの予備電源として購入しようといった場合にも長期間の保証があるのは嬉しいところです。

また仕様としては前述通りに容量は1024Wh(LFP電池、リン酸鉄リチウムイオン電池)、出力は連続で最大2600W、サイズは約448×225×230mm(長さ×幅×高さ)、質量は約14.2Kg、本体色はブラック、充電回数は4000サイクル(以降は80%以上のバッテリー容量を維持)、USB Type-C端子による最大出力電力は140W、最大動作高度は5000mとなっています。

03
DJI Power 1000 V2の入力ポート(AC入力ポート、SDCポート、SDC Liteポート)

出力ポートについてはAC出力ポート×4、140WのUSB-C出力ポート(PD 3.1急速充電)×2、USB-Aポート×2を搭載し、入力ポートにについてはAC入力ポート、SDCポート、SDC Liteポートを搭載しており、ソーラーパネルや電源供給ケーブル、アダプターケーブルに接続できる拡張性があります。特にDJIドローンに対しては、SDCスーパーファストチャージンで30分での離陸が可能です。

重量が10kg超えですが、本体の両サイドの取っ手を持って可搬することができます。また専用ケース(DJI Power 1000保護収納ケース、別売16,170円)に収納させることで可搬性が高くなります。専用ケースはフロント部分が開いて操作が可能で、サイドは給排気ファンの部分が開放されるので、ケースに入れたまま運用できます。

04
両サイドの取っ手


05
専用ケース(DJI Power 1000保護収納ケース)に収納

バッテリー容量は1024Whで、バッテリーが切れるまで2600Wの連続出力に対応しています。2600Wと高出力のため、日常的に使用される機器の99%以上を安定して動作させることができます。またAC出力ポートを4基搭載していますので、家電を4台接続ことができ、使用例としてアウトドアでノンフライヤー(1200W)や電気ケトル(800W)、ポータブル冷蔵庫(50W)で合計2000W超えの家電3台を同時に稼働させてみました。

ポータブル冷蔵庫で冷凍食品を保冷、ノンフライヤーで加熱調理、電気ポットにてアルファ米とスープを作りましたが、どの機器も安定して利用ができました。また料理だけでなく、エアコンやヒーターでも利用できますので、アウトドアを快適に過ごすことができます。

06
家電3台を同時使用の例


07
家電3台を同時使用の例(出力1950Wの表示)


08
家電3台を同時使用の例(家電で調理の例)

さらに電気自動車(EV)の充電も可能で、筆者が普段から乗っている「日産サクラ」を100Wの普通充電ケーブルにて13A出力で充電ができました。日産サクラのバッテリーは20kWhを搭載していますので、DJI Power 1000 V2で日産サクラのバッテリーを3〜5%程度を充電できると思われます。

09
日産サクラを充電例

DJI Power 1000 V2の本体の充電方法は家庭用電源や車内電源、太陽光発電に対応しています。家庭用電源で充電する場合には急速充電で56分でフル充電、37分で80%まで充電可能です。動作音に関しては充電中にか26dBという静音で動作するため、屋内や静かな環境のキャンプ場で使いやすくなっています。

また太陽光パネルの充電は別売の「DJI Power ソーラーパネル アダプターモジュール(MPPT)」(9,680円)を利用することで、1〜3枚のソーラーパネルに接続して充電できます。筆者も天気の良い日に別売の太陽光パネル「IBCPOWER 200W 折りたたみ式ソーラーパネル」(69,190円)で充電してみたところ、145Wで入力ができ、4時間程度で50%の充電が可能でした。

10
太陽光パネル(IBCPOWER 200W 折りたたみ式ソーラーパネル)で充電例

DJI Power 1000 V2の本体と同じサイズで別売の大容量2048Whな拡張バッテリー「DJI Power Expansion Battery 2000」(121,000円)に対応しており、1台接続することで合計3072Whの容量のポータブル電源として利用ができます。また最大5つの拡張バッテリーを接続することで、最大1万1264Whまで拡張可能となります。

加えてDJI Power 1000 V2なら家庭用電源のバックアップや緊急対応に活用できます。UPS(無停電電源装置)モードを備えており、急な停電が発生した場合でも0.01秒以内に接続している機器への給電を開始します。さらに防災安全協会の定める防災必要性・安全性・機能性において審査会での評点をクリアして認証されているため、災害で活用が可能です。

11
拡張バッテリー(DJI Power Expansion Battery 2000)の接続例

スマホなど向けアプリ「DJI Home」(以下、DJI Homeアプリ)でスマホやタブレットなどから制御でき、AC出力のオン/オフをリモートで切り替え、パラメーターの調整、リアルタイムで電力状況を監視に対応しています。

12
DJI Homeアプリ

DJI Power 1000 V2は安全性の高い設計になっており、インテリジェントバッテリー管理システム(BMS)は、最大4000回の充電サイクル後でも80%の容量を維持できるLFPセル、1日1回のフル充電サイクルで10年の寿命、温度センサー、ヒューズ、難燃性、高強度素材の使用などの特徴を備えています。

またBMSは新しいポッティング保護技術を採用、インバーターを保護することで、雨、結露、塩水噴霧といった過酷な環境下でも安全な動作を保証します。これにより、海辺でのキャンプや高地でのドライブ中も安心して使用できます。

13
車載して利用例

このようにDJI Power 1000 V2は2600Wで連続出力できるため、利用する家電に関してはほぼ制限がありません。出力の高い家電が利用できますので、アウトドアでも家庭にいるように操作ができ、堅牢な使用なため、車のリアゲートに常設して利用が可能です。また拡張バッテリーを利用することによって災害時に家庭にて長時間のバッテリー利用が可能になります。アウトドアや災害などと活用範囲の広いDJI Power 1000 V2は家庭に備えておくと安心できるポータブル電源だと感じました。





記事執筆:伊藤浩一


■関連リンク
エスマックス(S-MAX)
エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter
S-MAX - Facebookページ
DJI 関連記事一覧 - S-MAX
新しいDJI Power 1000 V2は、安定した電力出力を強化し、よりスマートで効率的な体験を提供します | DJI JAPAN 株式会社のプレスリリース
DJI Power 1000 V2 - さあ、パワフルな自由を - DJI